時間を持て余してスケジュールのブラックホールができてしまった...。
そんなあなたのために、ジム探がひまつぶしができる都内スポットを紹介。
ちょっとの時間で、なかなかのディープ体験ができる場所を厳選した。
外回りの時や暇な休日にでも、ジムニーでブラリと行ってみてほしい。
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有楽町あたりで「暇になっちゃったなぁ」という方に。おすすめは日比谷公園。「鳩に餌でもやってろって!?」と気色ばみたくなるのは分かりますが、まあご覧あれ。
日比谷公園と言えば、官僚同士が密談をしたり、会社帰りのカップルが待ち合わせするというシーンがドラマでお馴染み。元々この辺は大名の上屋敷が並んでいた所で、明治になって官公庁を建設しようということになった。ところが元は入り江だった場所ゆえに地盤が悪く、「じゃあ、公園でも造ろう」ということになったらしい。計画から四半世紀経った明治36年に、和洋折衷スタイルの公園として完成した。
平日の昼間に訪れたのだが、昼食時とあって会社員などでなかなかの盛況。弁当を食べたり、おしゃべりを楽しんだりと、都会の公園にありがちな風景だ。さて、なぜここがおすすめスポットなのかというと、園内にはヘンなものがゴロゴロ転がっているのだ。転がっているという表現よりも、うち捨ててあると言ったほうがいい。
公園の外周路を日比谷公会堂側から時計まわりにグルッと歩いてほしい。まず最初に目につくのが、鶴の噴水。まあ、どこにありそうなモノではある。ところがこの噴水、なんと「日本で三番目に古い噴水」なんだとか。3番目って、すいぶん中途半端なポジショニングだ。一番古いのは長崎諏訪神社の噴水で、二番目は大阪箕面公園。わざわざ3位を誇示するのは“銅メダル万歳!”みたいで何か潔くない。
ブラブラ歩いていると、いかにも明治期造ったと思われる水飲み場が出現。最近は水飲み場というのも需要が少なくなった気がする。四方から飲めるようになっていて、なかなかお洒落な作り。だけど、何か飲みずらそうな構造…。実はこれ、馬用の水飲み場。まあ、明治期には東京にも馬がそれなりにいたんだろうけど、インフラを作るほど馬がいたのかという疑問も残る。
再びブラブラ歩いていると、ワケのわからない模様が描いてある石版が茂みの中に立っている。何だ、コレは? 横の案内板を見ると、日本とスカンジナビアの北極航路10周年を記念してもらったバイキングの古代北欧文字の石碑レプリカなんだとか。レプリカって、すごく微妙な価値だと思う。日本政府がもらったのかどうかは知らないけれど、「ビミョ〜な価値だから日比谷公園にでも置いとけや」ということになったのだろうか。
そのすぐ側には、南極観測船「ふじ」が昭和期に持ち帰った南極の石が転がっている。いや、大げさでなく本当に転がしてあるだけ。どう見ても、そんな貴重なものには見えない。実家の松の木の下にあった庭石と変わらない状態だ。
さらに近くには大正時代にキップ島(どこよ、それ?)からもらった石のお金があった。まさにギャートルズが使っていたアレだ。案内板によると、大正時代に1000円くらいの価値があったというから、大変なお宝だ。それをこんな場所に捨てておいていいのか!? まあ、日本ではただの丸い石にすぎないんだけど。
この他にも、「旧京橋の欄干」とか「松石(松の化石)」とか、ローマからもらった「雌狼の銅像」とか、何だか貴重なようでどうでもいいようなモノが日比谷公園にはたくさん転がっている。博物館とかにしまっておけばいいものを…と思うのだが、その辺に転がされているということはやはりどうでもいいモノなのだろう。
「たまには海外旅行でも行きたいよな〜」でも、時間もお金もないあなたにおすすめなのが、築地市場の脇にある築地本願寺だ。1617年に浅草に京都・西本願寺の別院として建立されたが、火災で焼失。1679年に埋め立て地だった築地に移されたという。現在のこの建物は、1934年に完成。東京帝国大学工学部の教授だった伊藤忠太のデザイン。
日本の寺院と言えば大抵は木造建築なのだが、この寺は石造り。インドの石窟寺院によく似ているらしいのだが、周囲の景色を見ないようにすれば、まさしくここはガンジスのほとりかペルシャかという雰囲気だ。
建造物のディティールを見ると、もはや日本の寺院ではない。何だか、ペルシャ寺院のライオンみたいなのはいるし、インドっぽい鶏、牛、象などの彫刻が至るところにある。蓮の花を模したと思われるレリーフやステンドガラスも、フツーの日本の寺にはないものばかりだ。ちょっと海外に来たみたいで、気分が上がってくる。
本堂に入る前に、地下に行ってみるとナゾの立体ホログラム仏像を発見。何かすごいんだけど、ホログラムになると不思議と御利益が半減するような気も…。昔食べてた、フーセンガムのおまけを思い出すからかな。
あんまりウロウロしていると怒られそうなので、素直に本堂に。ここと外観のギャップがすごい。中はただの日本の寺です。ドーハからどこでもドアで京都に来ちゃった感じです。しかも、香りも思い切り日本。東南アジアとかの線香ではなくて、日本のベーシックな「青雲」系の匂いと言ったら分かっていただけるでしょうか。
中はとにかく広大で、置いてあるパイプ椅子には昼寝中のおじさんとか、昼間から超ラブラブな抱きつきカップルとかが、少々罰当たり感を醸し出している。まあ、それが許されるのも仏の慈悲です。
だが、中にもこの寺のすごさがある。それはパイプオルガンがあること。寺にパイプオルガンですよ?! この寺では月1回の割合で「ランチタイムコンサート」を実施しており、お昼休みの30分間を荘厳なサウンドに包まれて過ごすことができる。線香の匂いの中でパイプオルガンというのはシュールな状況だが、音響はすごく良さそうなので、僕も一度は体験してみたいと思っている。ちなみに直近では3月29日午後12時20分からコンサートが行われる予定だ。
東京ベイエリアで暇つぶしをしたい人にはコチラがおすすめ。その名も夢の島熱帯植物館。夢の島って言うと、とってもファンタジーなネーミングだけど、昭和40年代以前に生まれた人にはお馴染みのゴミ処理場跡地。この下は高度成長期に出たゴミだ。きっとウチの実家で使ったママレモンのボトルも埋まっているはず。
夢の島には今もゴミ焼却場があって、この熱帯植物園はその廃熱でまかなわれているのだ。夢の島公園はとにかく広くて、24時間マラソンに出る芸能人が隠れ練習する場所でもある、というどうでもいいトリビアもある。
駐車所にジムニーを駐めて、2〜3分歩くと眼前にサイド3もびっくりのガラス張りの建造物が登場する。これが夢の島熱帯植物館だ。都立なので入園料は250円と安価。「250円は高いでしょー」と思う方、騙されたと思って入ってみてくださいよ。
入口はちょっとしょぼくて、何か高校生が作った自由研究発表みたいなコーナーがあるのだが、数メートル歩くと熱帯ドームに入る入口がある。この自動ドアを入った瞬間、いきなりウチナーン的な空気になる。取材時は外は気温14℃ほどだったが、数分いただけで汗ばんでくるくらい暑い。
中はちょっとしたパラダイスだ。熱帯植物が生い茂り、滝が流れ落ちている。これでインコでも飛んでいたら、マダガスカルにでも来たのかと思ってしまうはずだ。館内は迷路のような歩道が伸びていて、途中にはお約束のシュロの屋根の東屋がある。ここでしばし身体を休めれば、都会暮らしですさんだ気持ちも和らいでくる。僕はかなりここがお気に入りで、この中に仕事場を作りたいと思っているくらいだ。
バナナやらマンゴーやらヤシやら、いろいろな植物が植えられているのだが、詳細を知りたい方は受付でiPodを使ったビデオ案内端末を無料で貸し出してくれるので利用してみよう。
しばし癒やされたら、別棟の食虫植物や観葉植物などを観て、喫茶室に寄ってみたい。ここがまた緑に囲まれたいい場所で、窓際に座ればそこはリゾートホテルのラウンジ気分。用意されているメニューは街の喫茶店なみだが、座ってアイスコーヒーを飲むだけでリラックスできるスポットだ。
都会暮らしにちょっと疲れたら、時間を見つけてぜひ夢の島熱帯植物園を訪れて欲しい。ちなみにちょっと規模は小さいが、板橋区立熱帯環境博物館もおすすめだ。こちらは本格的なマレーシア料理が味わえる「喫茶室クレア」がユルユルスポット。
その2へつづく…
東京都千代田区日比谷公園