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ジムニーで行く林道旅
VOL.008
~群馬県・秋鹿大影林道~ 前編
~群馬県・秋鹿大影林道~ 前編

2013年を迎えたが、昨年走った林道ネタは全部紹介できていない。
そこで思い切り季節外れとなるが、夏に行った群馬県の林道を紹介しよう。
林道はもちろんのこと観光も楽しく、そして何より温泉が一番の目玉。
あぁ、思い出しただけでもまた行きたくなってきた〜

胃腸に効く温泉

「たくみの里」のメインストリート。日本家屋が建ち並び江戸時代にでもタイムスリップしたかのよう。

昔から友人に「ゴキブリ並の生命力だな!」と誉められている(?)筆者だが、実は胃腸が弱い…。一度林道ツーリングの最中にお腹の調子が悪くなり山奥で十数回の野●ソをしたほど、疲れが溜まると調子を落としてしまう。特に夏場は最悪。何故かって? ジープに乗っているからだ。

元々汗かきな体質だが、炎天下をジープで走ると汗が噴き出す→水分をとりまくる→胃液が薄まる。さらに、夏バテしないよう食を増やすから、ますます胃に負担がかかり、結果お腹を壊してしまうのだ。だから今回の旅は「胃腸に効く温泉」を絶対条件とした。すると…
Yカメ:「あっ、それならイイ温泉知ってるぞ」
筆者:「さすが温泉通! んで、どこ?」
Yカメ:「群馬の四万温泉。泊まったことはないけど、イイ温泉だよ」
筆者は四万温泉を訪れたことがない。そこで色々調べたら、万沢林道と秋鹿大影林道が近くにあるし、温泉も歴史があってかなり良さげ。迷うことなく決定である。
Yカメ:「やった! 念願の四万温泉に泊まれる!」
筆者:「そんなに行きたかったの?」
Yカメ:「いい宿があるんだよ」
筆者:「オレ様のおかげだな!」
Yカメ:「はぁ? 意味わかんね〜よ。あっ、旅費を全部出してくれるんか?」
筆者:「相変わらず冗談が通じね〜な」
Yカメ:「ハイハイ。すみませんね〜」
その後の調べで、万沢林道は工事中のため通り抜け不可能と判明。それでも秋鹿大影林道が約13kmあるので今回の目的地に確定した。

「たくみの里」にある蕎麦屋で食べた十割蕎麦。ソバの風味豊かで食感もGOOD!

関越道・月夜野ICを下りて秋鹿大影林道に向かっていたら、突然Yカメが「あっ! 途中にある『たくみの里』に寄ろう。結構面白い観光スポットだよ」ということで立ち寄ることに。

「たくみの里」は日本の伝統工芸を後世に残すことを目的として、その道の職人達が集まった観光スポット。といってもその規模は330ヘクタールと広大で、昔ながらの風情を残した町並みが印象的である。そして見学だけでなく、様々な体験(有料)ができるのが特徴だ。

予想以上に楽しく、気が付いたらすでに昼食時間となっていた。「この先に食べるとことなどないだろうし、ココで食べていくか!」と食堂探し。カレーやピザなどの看板を目にしたが、結局選んだのは「蕎麦屋」。このツーリングだと蕎麦ばかりだが、山の近くだと蕎麦屋が多いし、その道の職人が集う「たくみの里」だから美味いだろうと判断したのだ。結果、大正解。数店あるが、どこも混雑していたので評判なのだろう。いや、それにしても美味かった。

快適すぎない林道

沢沿いを走り、鮮やかな緑に覆われている秋鹿大影林道。全長13km超えの走り応えがあるミドルダートだ。

秋鹿大影林道の入り口は「たくみの里」から6kmほど西へ進んだ場所にある。県道53号から脇道に入るのだが非常に分かりやすく、全く迷うことなくアプローチできた。

沢沿いを走る道だから、渓谷美が期待できる。そして断続的に舗装されているがダートだけでも13kmもの距離があるし、なかなか楽しめそうなルートだ。万沢林道と並ぶメジャーな林道だから、快適なダートが延々と続いている…と思っていたらこれが大違いであった。

こぶし大の石がゴロゴロ転がっていたり、タイヤを落としたらスタック必至の大きな溝が掘られていたりでかなりワイルド。場所に寄っては凸凹がきつい所もあり、ビギナーだったら「引き返そうかな…」と感じてしまうかも。ラインを選び、スピードを落とせばノーマルでも走れると思う。それでもまったくの初心者だったら、かならず経験者と2台以上で走るのがイイだろう。

フラットダートは快適に走れるからJA11でも疲れ知らずだけど、やはりそれだけでは物足りないもの。「これは乗用車じゃ絶対に無理だな!」というような難所を超えて「やっぱ四駆だよね〜」と少しでもいいから感動したい。それが四駆に乗る大きな理由である。

キツい凸凹が多いから、フラット路面になると思わずアクセルを踏む足に力が入る。

しばらく強烈な凸凹が続いたらYカメの元気がなくなってきた。
筆者:「どうした?」
Yカメ:「ここんとこ忙しくてあまり寝てないから疲れててさ。だからかな、気持ち悪くなった…」
筆者:「少し休むか?」
Yカメ:「う〜ん…オレが運転するわ。気が紛れて楽になると思う」
筆者:「OK!」

しばらくすると路面がフラットになり視界が明るくなってきた。そして稜線に出ると景色が一変。剥き出しの山肌が現れ、荒涼とした雰囲気に包まれたのだ。

昼間でも暗いほど深い木々に囲まれた風景は好きだが、山肌が剥き出しのどことなく殺伐とした風景もイイ。まぁ、いずれにせよ、人工物のない自然のままの風景はやはり感動する。だから林道ツーリングはヤメられないのだ。

Yカメも美しい景色を見て復活したみたい。路面の凸凹が再びキツくなってもスピードをそれほど落とさない。やはり適度に荒れた路面は、林道好きなドライバーの心をくすぐるようだ。鼻歌を唄いながら気分良さそうにマイペースで攻めまくる。おいおい、もう少しスピードを落とさないと今度はオレが気分悪くなるぞ!

剥き出しの山肌が荒涼とした雰囲気を漂わしている。ありのままの自然の姿はやはり美しい。

その2へつづく...