都内では桜が散るなど、すっかり春めいている今日この頃。
本来ならば「春を先取り!」をテーマにした旅を紹介するところだが、それではあまりにフツー過ぎる。
ということで、今回は1月に行った「スノーアタックごっこ」をお届けしよう!
冬場は積雪などにより、多くの林道が閉鎖されてしまう…。雪を避けるとなると、候補地として真っ先に挙げられるのは静岡県か千葉県だ。都内からだと日帰りも可能だし、距離は短いが楽しめる林道は少なくない。
しかし、『ジムニー(四駆)に乗っているのに、雪を避けるのって変じゃね? ここは雪を楽しむべきだろう!』と自問自答。相棒のYカメにも相談してみた。
筆者:「雪が積もっていれば舗装された林道でも問題ないし、あえて雪にチャレンジしない?」
Yカメ:「それなら選択肢が増えるし、オレも賛成だな。いっそのこと『雪』をテーマにしてもいいんじゃないの?」
筆者:「おおっ! 雪が積もった林道を走って、雪見ができる温泉に浸かる…これだな! これしかないな!!」
Yカメ:「すげ〜イイ案だけど、問題は林道だな〜。1台でのスノーアタックは絶対に避けるべきだし…。さてどうする?」
APIO・河野社長を誘ってみたが、あいにくとスケジュールが合わず。他にも声を掛けてみたが、すべてスケジュールが合わなかった…。我々のスケジュールを変更するのが最善策なのだろうか? あれこれ考えていたら、ふっと名案が浮かんだ。『そうだ! 高峰温泉があるじゃないか!!』
高峰温泉は長野県の高峰高原にある温泉宿。全長約6km(ダートは約4km)の湯ノ丸高峰林道沿いに建っており、日帰り入浴も可能なため、多くのオフローダーから支持されている。筆者やYカメはこれまでに何度か訪れたことがあり、温泉や接客サービスなどは、マイベスト3に入っている。何より若旦那さんが四駆好きで、我々の気持ちを理解してくれるのが魅力だ。
筆者:「宿の近くの林道って走れます? 1台なので雪が深すぎても困るけど…」
若旦那:「車坂峠から北の群馬坂林道なら走れます。念のため雪壁を崩しておきますね」
筆者:「ありがとうございます! ちなみに積雪はどれくらいですか?」
若旦那:「40cmくらいですね。ジムニーなら何とか走れるでしょう。もしスタックしたら除雪車でレスキューしますから、思い切り楽しんでください」
若旦那さんの特別な配慮を有り難く受け入れて、今回のプランが成立した。存分に「雪」を楽しむぞ!
出発の前日になり、予想外のことが起こった。関東に記録的な大寒波が襲来し、当日の朝目覚めると白銀の世界が広がっていたのだ。除雪されていない一般道ではチェーンを巻いたバスがスタックするなど、都内は大パニック状態。関越自動車道・練馬インターまで通常だったら30〜40分で着くのだが、なんと2時間30分もかかってしまった…。さらに上信越自動車道でも速度規制&チェーン規制&除雪作業により大きくタイムロス。まぁそれを見越して早めに出発したのだが、早くも疲れた…。
小諸インターで降りて、そこからチェリーパークラインで標高2,000メートルまで一気に駆け上る。もちろん辺り一面は雪景色。こちらも昨晩に40cmほどの雪が降ったようで除雪車が活動しているが、路面は数cmの雪で覆われた状態だ。
筆者:「チェーン積んでるよな?」
Yカメ:「もちろん! オレが忘れるワケないだろ〜」
筆者:「あんっ? 七蔵寺林道の時に忘れたの誰だっけ?」
Yカメ:「んっ? うわ〜、いつまでも根に持つ男って嫌われるぞ!」
筆者:「何だそれ? 記憶力がイイと誉めて欲しいな。てか、あれは根に持っておかしくないことだぞ、おい!」
Yカメ:「はいはい。すみませんでしたね〜」
筆者:「だから『はい』は1回でいいって前から言ってんだろ!!」
Yカメ:「はいはいはい、すみませんね〜」
ふたりの辞書に『成長』という文字は載っていない…。
取りあえずチェーンを巻かずに行ける所まで走ろうとしたら、ノーチェーンで難なく目的地まで辿り着いたのだ。…。凍結していなかったこともあるが、ジオランダーA/T-Sのスノー性能はスゴイわ!
アサマ2000スキー場の前を通り過ぎたら、そこから先が目的地の群馬坂林道だ。前日に除雪してくれたが夜半の積雪により40cmの壁が出来ていた。このままアタックできるのか?