JIMNY LIFE ジムニーをとことん楽しむ僕らのライフスタイルマガジン JIMNY LIFE ジムニーをとことん楽しむ僕らのライフスタイルマガジン

CATEGORY MENU

ジムニーで行く林道旅
VOL.013
~福島県・二岐林道他~ 後編
~福島県・二岐林道他~ 後編

せせらぎを聞きながらの温泉は最高!
渓流沿いの露天風呂で心身ともにリフレッシュした3人。
2日目は2本の林道、合計約26kmのダートを走る予定だ。
しかし、下調べが甘くて、1本目のロングは通行止め...。
まぁ、おかげで思わぬ穴場を発見したから結果オーライだ!

渓流露天風呂はヤバイ、ヤバ過ぎる!

渓流のすぐ脇に備えられた露天風呂。手前の湯船がゆる湯で、奥が熱湯となっている。

二岐温泉は標高800m、ブナの原生林に囲まれた山峡にある温泉地。その歴史は古く、969年(安和2年)に開湯されたと伝わる。歴史ある温泉地と聞くと『歓楽街』を思い浮かべるだろうが、ここ二岐温泉にお土産屋や飲み屋などは一切ない。ひっそりとしているのが魅力なのだ。そして湯は二岐川の川底や河原から自然湧出しているという、まさに秘湯である。

そんな二岐温泉の中から選んだ宿は『大丸あすなろ館』。この温泉地で徳川時代から続く唯一の宿という歴史を誇る、非常に人気の高い宿だ。温泉は内風呂の他に『渓流露天風呂』と天然の河床をそのまま活かして造られた『自噴泉岩風呂』を備えている。もちろん24時間入浴可能だ。

この温泉が実に気持ち良いのだ。渓流露天風呂は渓流のすぐ脇にあり、熱湯とぬる湯、ふたつの湯船に分かれている。写真を見れば、どれだけ素晴らしいロケーションかは一目瞭然であろう。
河野さん:「この露天風呂は見事ですね!」
筆者:「思っていたよりも広くて渓流も近い!」
Yカメ:「でしょ! 湯加減もいい具合だし、出たくなくなるよ」
河野さん:「本当に気持ちイイですね」
筆者:「気持ち良すぎてヤバイな」

ちなみに『自噴泉岩風呂』の湯はかなり熱く、河野さんは足をつけただけで「あ〜、これは無理」と退散。筆者は熱湯好きだが、それでも3分が限界だった。

大窪林道の通行止めにより穴場を発見

毎朝オーナーが手打ちしているという大芦屋の蕎麦。専門店でもかなりの上位にくる味だ。

1日目の林道走行は3kmと短かったので、2日目は約26kmを予定している。約18kmの『大窪林道』とそれに繋がっている約8kmの『玉川林道』だ。玉川林道はVol.04で走ったから、メインは大窪林道である。

福島県は林道の整備に力を入れているから、メジャーな大窪林道は間違いなく走れるものだと勝手に決め込んでいた。甘かった…。国道400号からの脇道からアプローチするのだが、ゲートでシッカリと閉鎖されていたのだ。仕方ないので、反対側から入れるのなら行けるところまででUターン。あとは玉川林道を走って帰ることとした。

国道400号から401号に入り玉川林道を目指していると『ファーマーズカフェ大芦家』の看板が目に入った。「何か気になるな〜」と思っていたら以心伝心。前を走るバンビー号がファーマーズカフェ大芦家の駐車場に入っていったのだ。やはり気の合う仲間だね〜。

『素材にこだわったカフェ』というのは想像ついたが、メニューには意外なモノが載っていた。なんと『自家製蕎麦』を扱っていて、それが大人気だという。蕎麦好きな我々は、ためらうことなく注文した。

これが美味いのだ。辛み大根入りの高遠蕎麦を食したのだが、そこそこ人気の蕎麦専門店よりも美味い! 他にも自家製ケーキとコーヒーを注文したが、いずれもGood! 後で調べたら、やはり評判の高いカフェであった。オーナーの佐藤さんも気さくで、とても雰囲気が良い。ここはオススメである。

大窪林道の入り口は探さないの?

玉川林道の近くで見つけた造成中(?)の林道。途中で分岐していて、全長は3kmほどだった。

大窪林道は国道401号線からアプローチする。大きな看板が立っているからすぐに分かるだろう。途中にある、飲むと力がみなぎると伝わる『冷湖の霊泉(ひやっこのれいせん)』が観光スポットになっているためか、前方を走る乗用車を発見。さらに筆者の後に付いていた営業車も大窪林道に入ってきた。「休憩するのか? もしくはショートカットするのか?」とりあえず撮影のことを考慮してパスさせた。この連載を始めて1年経ったが、平日の林道で他のクルマに出会っことはほとんどない。それなのに、この林道では5、6台に遭遇。交通量が多いと閉鎖される心配はないし、路面が崩れてもすぐに手入れしてくれるハズ。このままずっと走れる林道であってほしい。わがままだが、舗装化されるのは困るけど…。

『冷湖の霊泉』は「苔生した山肌を流れる小さな沢」とでも言おうか、日本庭園の一部であるかのよう。自然が作り出した、とても美しい作品である。クルマとの絡みもいい絵が撮れるのでお試しいただきたい。

大窪林道の入り口は『冷湖の霊泉』を過ぎて少しの所にある。それを知っているはずなのに河野さんは元気よく走り出した。昨日の感動的な走りを思い出し、再びスイッチが入ったのだろうか? 「ここは凸凹があるから、オレは追わないぞ〜」と車内で叫び、さらに強烈な念を送るが、残念ながら届かず。しばらくすると視界から消えて行ってしまった…。「お〜い、大窪林道を忘れるなよ!」

途中で休憩していたから声を掛ける。

筆者:「大窪林道の入り口過ぎたよ」
Yカメ:「あっ! うっかりしてた〜」
河野さん:「つい会話に夢中で(笑)」
筆者:「やっぱりな(笑)」
河野さん「どうせ抜けられないし、開通したらまた来ましょうよ!」
Yカメ:「そうだね。短かったけど予定外の林道も走れたし、またの機会ということで…」

実は玉川林道の入り口手前1kmほどの所で地図に載っていない林道を発見し、チャレンジしていたのだ。1kmほど走ったら分岐しており、その2本ともアタック! いずれも2kmくらいで行き止まりだったが、造成中のためこれから距離が延びるかもしれない。今後に期待したい林道だ。

今回は(も?)、計画通りに行かなかったが、その分予定外の好事が体験できた。やはり旅には少しばかりのトラブルがあったほうが、より思い出深くなるものだ。次の旅はどんなトラブルを起こそうかな(笑)。←確信犯か!

玉川林道近くで見つけた新しい林道のもう一方の分岐路。こちらも全長3kmほど。

大丸あすなろ館の玄関口。駐車場から少し離れている。茅葺きの屋根が情緒深い。
天然の河床をそのまま活かして造られた『自噴泉岩風呂』。湯が熱いので長湯はできない?
渓流露天風呂に浸かった状態での視界。陽が差し込んでいる朝が気持ち良い。
料理はメニューが豊富で、ボリュームも十二分。人気宿だけに味は申し分なしだ。
松茸の土瓶蒸し。ふつうの土瓶蒸しだが、薄味で何杯でも飲みたくなるほど美味であった。
『日本秘湯を守る会限定』のオリジナルビール。深みのある味でビール好きにはたまらない。
じゅうねん(えごま)が入っているのが特徴のオリジナル・チョコケーキ。後味スッキリで美味い。
うるち米の餅にじゅうねんと味噌、砂糖のたれをつけた『ばんでぇもち』。素朴な味わいでこれも美味し!
木の温もりが感じられる造りの大芦屋。2010年の創業以来、確実にリピーターを増やしている。
オーナーの佐藤さんと記念撮影。佐藤さんは気さくな方で、とっても居心地が良い。
奥会津の豪族が伊達政宗軍と戦った時、この冷泉のおかげで奇跡の連勝を果たしたと言い伝わる『天狗の冷泉』。
新たに見つけた林道はご覧の状態…。抜けてもすぐ先で行き止まりだったので迷わず退散した。