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ジムニーで行く林道旅
VOL.014
~長野県・茂来林道他~ 前編
~長野県・茂来林道他~ 前編

筆者が四駆に乗り始めた20数年前、八ヶ岳周辺はまさに林道パラダイス!
フラットダートからまるで廃道のようなルートまで、数え切れないほどのダート路があった。
舗装化により四駆が楽しめる林道は少なくなったが、まだまだ走れる道は残っている。
そこで今回は代表的な『茂来林道』をチョイス。
二日間で35km超のダートランを楽しんできたのだ!

やられたらリベンジしないと気が済まん!

約1年半前に訪れた時は前日からの大雪により、わずか数kmで撤退…。タイヤはHTだし、仕方なかったのだ。

先に断っておくと、今回のネタは少し前のもの。実はスケジュールの関係で1か月に2回以上ツーリングすることも…。時期を遅らせすぎると新鮮みがなくなるので、たま〜に撮りだめを紹介するのだ。最新情報ではないが、お許し頂きたい。

さて、今回紹介する林道は長野県の『茂来(もらい)林道』だ。八ヶ岳の北東に位置する林道で、かつては36kmにも及ぶダート路であった。現在は中間部分の舗装化が進み、ダートは約10km、約12kmと分断された形で残されている。そして、その間に約4kmの支線『信濃沢林道』がダートなので、現在でも合計約26kmの未舗装路を楽しめる。とても魅力的な林道なのだが、ココを選んだ理由はもうひとつある。それは『リベンジ』だ!

何を隠そう! アソコを隠そう!! じゃなくて(ツマらない…)、筆者とYカメは1年半前に一度訪れたのだが、前日に大雪が降ったため、わずか数kmで撤退…。クルマが借り物で無茶できないということもあったが、悔しい思いをした。その雪辱戦というワケである。

筆者:「どこ行く?」
Yカメ:「茂来林道に再チャレンジはどうよ?」
筆者:「あっ、それだ! はい決定!!」

ふたりが未体験の温泉をチョイス

国道299号線からアプローチする側の茂来林道は沢沿いを走る道で清々しい気分に浸れる。

林道選びはものの数秒で決まった。悩んだのが温泉である。登山客のベース基地となっている『稲子湯』はいかにも山小屋っぽい感じで、温泉も風情があり多くのリピーターから愛されている。また『本沢温泉』も捨てがたい。標高2,150mという日本最高所の露天風呂「雲上の湯」が魅力。途中まで行ける「四駆限定の林道」も楽しみのひとつだし、林道のネタにもなる。さて困った…。
Yカメ:「以前から気になっていたんだけどさ、『灯明の湯』って知ってる?」
筆者:「聞いたことあるけど、行ったことはない」
Yカメ:「そっか〜。調べたら露天風呂で、イイ感じなんだよね〜」
筆者:「ほ〜、オレも調べてみるわ!」

『灯明の湯』は、地元の人々が利用する温泉センターだが、宿泊することも可能。露天風呂からは八ヶ岳が眺望できるとか。そして電話でいろいろと尋ねたのだが、その時のご主人の心温まる対応に惹かれた。思えば我々が選んでいる宿は高級路線が多いし、たまには庶民的な施設もイイだろうとの判断で『灯明の湯』に泊まることとした。

松茸に行く手を阻まれる

茂来林道の路面は全般的にフラットダートで走りやすい。距離も10kmあるから、ビギナーなら大満足!

アプローチのしやすさから、北から南(正確には南東)に向かうことにした。前回と同じルートなので迷うことなく茂来林道へアプローチ。1〜2kmほど走ると分岐となっていた。というのも茂来林道は「コ」の字を描いており、その途中から入ったから。左は終点まで2kmほどの距離なので、まずはそちらにステアリングを切った。

しばらくの間は小さな沢沿いを走る。広葉樹が作り出す明るい緑のトンネル、そこから差し込む木漏れ日、そして小さな清流…。聞こえるのは木々のせせらぎと川の流れる音だけ。とても素晴らしいロケーションに心が癒やされていくのが実感できる。「はぁ〜、いいわ〜。心が洗われていくのが分かる」。と気分良く走っていたら、黄色と黒に塗り分けられた棒が行き先を阻んでいた。

筆者:「ここで通行止めかよ! なんで?」
Yカメ:「地図だとあともう少しあるんだけどな?」

クルマから降りて、立てられていた看板を読むと、そこには「この先は松茸山のため一般人の進入を禁止します」と書かれていた。まだ時期ではないし、盗むつもりなど毛頭ないが、マナー違反となるため引き返すことに。まぁ、通れたにしろどうせ1kmもしない内に行き止まりになるから精神的ダメージは皆無。Uターンしようとしたら、Yカメが見当たらない。んっ、立ちションか? 周りを見回したら森の中に入り込んで、何かを撮影していた。山野草の撮影にハマったようで、しばらくの間夢中で撮りまくっていた。

Yカメ:「腹減ってない?」
筆者:「ボチボチ。なんで?」
Yカメ:「これ、食えるかな? 試してみない?」
撮影した画像を見たら、そこにはするからにヤバそうなキノコがたくさん…。
筆者:「どう見ても、これはヤバイだろ!」
Yカメ:「いや、雑食のウッチーならイケるかもしれんぞ(笑)」
筆者:「新種のキノコを発見して一攫千金か! ってなるか、ボケ!」

二度あることは三度…やっぱりあったか!

信濃沢林道のギャップでクロカンごっこ。凸凹を見るとついつい、こうしたくなるのは四駆乗りの性!?

茂来林道は路面の整備が行き届いており、リーフリジッドのJA11でも快適に走れる。また豊かな自然に囲まれているので、とにかく気持ちが良い。そんな時は時間の流れも早く感じられ、気が付いたら舗装路に変わってしまった…。舗装は数kmほど続き、そのまま途中から繋がっている信濃沢林道にアプローチした。

茂来林道は乗用車でも走れるほどフラットなダートばかりだったが、信濃沢林道は違った。看板の通りに進んだら、いきなり路面の凸凹が大きくなり、斜度もきつくなったのだ。ずっと2駆で走ってきたのでそのままアタックしたら…すっ、進まね〜。ミッションがMTなら何とかなるだろうが、3速AT仕様のJA11に重いカメラ機材と80kg級と75kg級のメタボ中年ふたりが乗っていては無理。フリーハブをロックしてトランスファーも4Hに切り替える。

筆者:「太っちょカメラマンさんは降りて撮影に専念してくれたまえ!」
Yカメ:「ああ、仕事だから撮影はする。しかしひと言云わせろ…おめ〜の方がデブだろが!」
筆者:「5kgしか変わらんだろが!(怒) それにオレの方が身長は2〜3cm低いぞ! …あれっ? やっちまった? 墓穴掘った?」
Yカメ:「もういいから、早く前に進んで(笑)」

走り甲斐のある道だったが、1kmも進まない内に林業作業のためUターン。そのまま先に続いている茂来林道を目指した。

「またフラットダートかな?」と思っていたら、予想に反して凸凹がきつい。信濃沢林道と同じようになかなかワイルドな道だ。「これが11kmも続くのか! 楽しいじゃないか!!」
と喜んでいたのもつかの間、ゲート閉鎖で本日3度目の通行止めとなったのだ…。

このままでは不完全燃焼…ということで途中にあった支線をアタックしてみたら、これがBINGO! 途中からワダチがなくったので「ヤバいかな?」と思ったけど、通行止めではないから前に進む。するとその先には、ジャングルのような緑一色の風景が広がっていたのだ。予想外の展開に加え、非常に珍しいロケーションに大感激! 野球なら『代打逆転満塁サヨナラホームラン』クラスの感動である。三度の通行止めによる悔しさはすべて吹き飛び、大満足で宿へ向かった。

支線に入り込んで見つけたジャングルのようなロケーション。緑一色でとても綺麗だった。