暑い、暑すぎる...。こんな暑さじゃ仕事などしていられんわ!
ということでコンクリートに熱せられた東京から逃亡すべく林道ツーリングへ。
避暑地と言えば海や川、湖、そして高原が上げられる。
林道を考えると高原がベストだろう! と調べたところ、
走り甲斐のある林道に標高1,500mの露天風呂という素晴らしいプランが立ったのだ!
気が付けば、この『ジムニーで行く林道旅』も今回で15回目を迎えた。
林道と温泉宿、それも露天風呂にこだわっているのだが、スケジュールの関係でどうしても東京から1泊2日がメインとなってしまう…。となると、そろそろネタ切れか? と思ってしまうが、まだまだ走っていない林道はたくさん残っている。そして幾度となく候補に上がるが、季節などの関係で足を運んでいない林道もいくつかある。その内の1本が今回のメニューとなった『管の沢林道』だ。
管の沢林道は、菅平高原の南西に位置し、南北を走っている約8kmのダート路。情報によると『沢沿いを走る林道で、沢から離れるとかなり荒れた路面となる』とのこと。『かなり荒れた路面』…う〜ん、林道ツーリング好きにとってはなんとも魅力的な言葉だ。
まぁ、正直言って1台なので何かあったら不安だ。しかし、少しくらいスリルを感じた方が面白いのは事実。そして普段から『軟弱』を謳っている(良く言えばオトナね!)ツーリングだから、無理と思ったら素直に引き返せばよいだけのこと。
上信越自動車道の上田菅平ICで降りて北へ進む。管の沢林道の入り口までは8kmほどと短いが、あと3〜4kmの地点で「そういえば、ここらに有名な蕎麦屋があったような…」とスマホで検索。すると『そばの花』という『十割そば』と『そば羊羹』で人気の蕎麦屋がヒットした。
「これだ!」と思ったものの、詳しく調べると開店まで1時間もある…。「また今度の機会だな〜」残念な気持ちで前を進むと『北信濃最大級の広さをもつ庭園風露天風呂』と書かれた看板を発見。「これだ!!」。
ルートはややズレるが、温泉に浸かって戻ってくれば、そば屋が開店する。理想的な展開じゃないか! 林道を走る前に温泉なんて、軟弱な我々にはお似合いじゃないか!(笑)。迷うことなく『温泉→そば→林道』の順に予定を変更した。
『北信濃最大級の広さ』を謳っているのは『地蔵温泉 十福の湯』。湯船はさすがに広く、またぬるめの湯なのでのんびりと浸かれる。内湯とサウナも備え、さらに館内は休憩室や仮眠所、食事処、喫茶・スィーツ、ベーカリーなど施設がとても充実。近くに来たら是非とも立ち寄りたい温泉である。さて、サッパリしたところで、次は蕎麦だ!
『そばの花』は県道35号線から少し外れた場所にある、十割そばにこだわったお店だ。気になるその味だが、細麺だが歯ごたえが良く、十割そばながらつるんといた喉ごしが特徴。風味、食感共に満足である。お店のすすめで人気という『そば羊羹』を頼んだら、これまた美味。蕎麦の風味がたっぷりで、さっぱりとした甘み。ツルンとした食感も楽しめる、オトナのスィーツだ。甘いモノ好きなYカメは「あと5個は食えるな!」と大絶賛していた。
温泉と蕎麦で充電完了! 次はいよいよ、かなり荒れた路面と噂の管の沢林道だ!
迷うことなく管の沢林道の入り口に到着! しばらくは沢沿いを走り、沢から離れたら『かなり荒れた路面』となるとの情報だったが、舗装路からダートになるや凸凹がキツくなった。そこで必要以上に路面を荒らさないため、フリーハブをロックして四駆にシフト。斜度のきつい登坂路を確実なグリップ走行で前に進む。乗用車だと勢いに任せて走らなければ無理だろう。また凸凹が大きいから下回りのヒットは避けられないはず。「やっぱ四駆だよな〜」と優越感に浸りながらどんどんと高度を上げていく。
前日まで雨が降っていたため水溜まりが多く、それも深さがある。勢いよく飛び込んだら想像以上に派手な水しぶきを上げ、またステアリングを不意に取られて焦るだろう。四駆に乗り始めの頃は、わざと水溜まりに飛び込んでいったものだが、さすがに20数年経ってオトナになった(?)今はやらない。道とクルマにローインパクトを心がけながら、のんびりとしたペースでジムニーを走らせる。小鳥のさえずりや木々のざわめき、沢の音が最高のBGMだ。
沢の源流を越えると、今度は下調べ通り路面や林道の状況が一変。熊笹や雑草が道幅を狭め、路面もワダチの付いていない所は雑草が生長して廃道のような雰囲気となった。とは言え、路面は思っていたよりも荒れていないような…?
「これはヤバイかも?」と思うような荒れ具合を期待していただけに、やや肩すかしを喰らった気分だ。まぁそれでも荒涼としたシチュエーションは、ビギナーだったら怖じ気づくかもしれない。このちょっとしたスリルがイイのだ!
管の沢林道は約8kmの長さだが表情が豊かで、またゆっくりと走ったこともあり数値以上の距離を感じた。とても走り甲斐のある林道だ。それでも時間はまだたっぷり残っているので、近くを通る『洗馬林道』へ向かうことに。
とあるHPに載っていた『管の沢林道と周辺の林道MAP』を印刷してきたので、『洗馬林道』には迷わずに行けるハズだったのだが…甘かった。簡略化されているのは分かる。しかし、その簡略は我々の想像を遥かに超えていたのだ。「この地図だと全然分かんね〜よ〜」。
現場はスキー場となる地域で、冬以外は畑として農作物を育てている。そのために道が無数に走っていて、どれが通じているのか見当が付かず。そこでスマホやカーナビを駆使して何とか正しいルートを発見したのだが…。畑仕事をしている人のクルマが停められていて抜けられない。持ち主だと思われる人は遠くの方で仕事しているから、声をかけるのも失礼なので諦めることにした。
少し早いけど宿にチェックインしようかな〜思ったら山岡カメラマンが「ケーキを食べたい!」。
筆者:「またかよ! あ〜、今日はまだ食べていないもんな」
Yカメ:「十福の湯のスィーツに惹かれたけど、蕎麦の前だから我慢した」
筆者:「オトナになったな(笑)」
Yカメ:「うっさい!」
筆者:「んで、どこに行く? 菅平だからたくさんあるだろ? 悩むんじゃね?」
するとYカメは宿泊予定の『あずまや高原ホテル』に電話して、おすすめの店を聞き出したのだ。甘いモノに関しては常に全力なYカメ。その姿勢を仕…っと、怒られるのでやめておこう!
何軒かの候補からYカメが選んだのは、『カフェ ダイヤモンドダスト』。どうやら自家製ケーキという言葉に惹かれたようだ。そして店内に入ったら、「何だコレは! すげ〜!!」と思わず声を上げるほどの、とあるメニューの写真が飾られていた。それは長さ45cm(320g)のジャンボフランクフルトを32cmのフランスパンで挟んだ『メガドッグ』だ。
チャレンジしようと思ったが、さすがにこれを食べると宿の夕食がお腹に入らなくなるのでパス。翌日の昼食とすることにして、ケーキとコーヒーでブレイクタイムすることに。オーナーは我々と同世代の夫婦で、長年ランクル プラドに乗っていたなど、クルマとバイク好き。とても居心地が良い店だ。ちなみに「APIOのホームページを観た!」と言えばコーヒーを1杯サービスしてくれるとか! 近くまで行ったら是非とも立ち寄っていただきたい。
林道の他に、行き当たりばったりで選んだ温泉とそば、そしてカフェがいずれも大当たり! あとは標高1,500mの露天風呂に浸かるだけだ!