9月のとある日、筆者とYカメの元にAPIO・河野さんから「アウトドア雑誌"Fielder"とのコラボで温泉・林道ツーリングへ行きましょう!」という『超』朗報が届いた。
しかも、「ジムニーで行く林道旅」初となる女性が参加してのツーリングだ。
そこで「混浴温泉ツーリングwith美女!」として2泊3日の旅を計画。
今回はその前編をお届けしよう!
ご存じの方は多いと思うが、ここ1、2年、APIOはホビー雑誌『アームズマガジン』やアウトドア雑誌『Fielder』などクルマ雑誌以外の媒体に登場する機会が多くなっている。これは様々なジャンルで遊び心を持ったオトナ達が『ジムニーは楽しいクルマ』と気が付いたから。その中でも特に人気なのが『APIOコンプリートカー』だ。
秀逸なデザインのオリジナルパーツをまとった格好良さと、ジムニーの機動性をさらに高めた走りで高い評価を得ている。それを証拠にクルマ雑誌ではなくて前述した他ジャンルの雑誌読者がコンプリートカーを購入することが多くなったという。今回の旅もそのようなバックボーンから実現したのだ。
河野さん:アウトドア雑誌『Fielder』の編集長・川崎さんから、この『ジムニーで行く林道旅』のオファーがありました。どうします?
筆者:マジっすか? どうするも何も、絶対に行きますよ!
Yカメ:もちろん行きますよ! いつも以上にイイ写真を撮るよ〜。
筆者:ん? やっぱり普段は手を抜いていたんだな(笑)
Yカメ:冗談が分からんヤツだな(怒)
河野さん:まぁ、まぁ、喧嘩せずに(笑)。計画は全てお任せだそうです。どうします? ボクは法師温泉をリクエストします!
Yカメ:さすが、河野さん! いい選択ですね〜。ボクはあそこの大ファンです。
筆者:「彼のオートバイ・彼女の島」だね!
河野さん:その通り! 編集長の川崎さんが同行するんですけど、もしかしたら女性も参加するかも知れません。
筆者&Yカメ:なにぃぃぃ〜。混浴だ! 混浴だぁ〜!!
河野さん:まだ参加するか分かりませんよ?
舞い上がってすでに混浴シーンを妄想している筆者とYカメに、河野さんの声は聞こえなかった(笑)。
法師温泉は道、それも温泉に行くために開通された(?)道の行き止まりにある。高速道路や林道走行との兼ね合いを考えると1泊2日では少しハードだし、(女性も参加するのだから)前後にもう1泊したい。それを川崎さんに伝えたら「全然OKです!」と快諾。そこで1日目は湯沢林道を走って、露天風呂が素晴らしい万座温泉「日進館」に宿泊。2日目は秋鹿大影林道を走って法師温泉「長壽館」に泊まることとした。秋鹿大影林道はVol.08で紹介したが、我々は『素晴らしい林道は何度でも走りたい!』という性格なのでご了承頂きたい。
長壽館の温泉は約100年の歴史を持つ建物に備わる内湯、一方の万座温泉・日進館は目の前に荘厳な風景が広がる露天風呂が魅力。趣が全く異なるふたつの温泉を楽しもうという、なんとも贅沢な旅である。
2泊3日のゆとりある計画、誰もが憧れる2か所の名湯、そして女性の参加。計画を立てている最中から河野さんとYカメ、そして筆者は浮かれ気味で、当日になるのを指折り数えながら楽しみに待ったのであった。
当日は関越自動車道・高坂SAに集合した。川崎さんが誘った女性は、米海軍特殊部隊SEALsや警察特殊部隊SWATなど数々の特殊時計を手がけているルミノックスの広報部に務める青島さん。広報(しかも部長!)だけに言葉使いや応対が素晴らしく、おまけ美人!! 河野さん、Yカメ、筆者は完全に浮かれポンチ(死語?)となりつつも、絶対に良い旅となることを確信した。川崎さん、ありがとう!
最初に目指したのは小布施町。湯沢林道へのアクセスルートは他にもあるが、走り前に『美味い蕎麦』を食べようと計画。そこで色々と調べた結果、小布施を選んだのだ。
当初は蕎麦を食べるだけの予定だったが、現地に到着してビックリ! 驚くほど観光客が多く、甘味処やお土産屋など興味をそそられる店がたくさんあるのだ。
実は小布施町は葛飾北斎が晩年に住んでいた町。そこで北斎に関する美術館や博物館が12件も建てられ、今や一大観光地となっているのだ。年間に約70万人もの観光客が訪れるというから驚きである。
蕎麦は当初予定していた店があいにくと定休日だったため、例によって蕎麦好きな河野さんを勘を頼りに選んだところ…さすがです! 10割蕎麦がメインで、『天ぷら』や『おろし』などメニューが豊富。そして味、ボリューム、価格のバランスが最高! あとで調べたら、やはり大人気の蕎麦屋であった。店の名は「富蔵屋」。ここオススメです。
「甘味もよろしくね!」というYカメのリクエストで街中を歩いていたら、行列をなしている店を発見。何かと覗いてみたら、焼き栗を売っていたのだ。「ボク、栗大好きなんですよ!」と河野さんが飛びつく。「コレは美味い!」と感動する河野さんから貰って食べたら…バカ旨! 専用の焼き器を使っているからなのか、ホクホクとした食感で甘く、香りも良い。行列ができるのも納得である。
その後も気になる甘味処や観光を楽しみながら何気に時間を確認すると…ヤバい、予定時間を大幅に過ぎているではないか! 急いで湯沢林道へ向かうことに。それにしても小布施町は予想以上に見所があった。ここで1泊しても楽しかったかな?
湯沢林道は約12kmのダートが続くメジャーなルート。林道好きならば、誰もが一度は走ったことがあるだろう。筆者とYカメは過去に数回訪れていて、共に「走りやすいフラットダート」と認識していた。ところが…。
先頭はドライバー・河野さん&ナビ・Yカメ、2台目は川崎さん&青島さん、そして3台目が筆者という編隊を組んだ。川崎さんは林道初体験だが、湯沢林道はフラットダートで乗用車でも走れるから…と気にしていなかった。
しかし、筆者とYカメの記憶が間違っていたのか、はたまたここ数年で荒れたのか、凸凹がかなりキツイ。そして路面が濡れている上りだと4駆にシフトしないと走れないのだ。「ヤバイな〜。川崎さん達大丈夫かな? 青島さん車酔いしていないかな?」河野さんとYカメ、筆者の3人は心配になった。
撮影ポイントでふたりに確認したら「全然大丈夫ですよ〜。すごく楽しい!」とこぼれんばかりの笑顔で答えた。それを聞いて我々3人はひと安心。何より林道走行を好きになってくれて嬉しかった。
あと2kmくらいで終点だ! と思っていたら、落石と倒木が行く手を阻んだ。「まぁ人力でなんとか行けるでしょ!」と20分ほどかけて土木作業。なんとか切り抜けて「万座の露天風呂だ!」と喜んだ矢先、今度は人力では絶対に無理な倒木が出現…。仕方なく来た道を戻って万座温泉へ向かったのであった。
次号へ続く!