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12.11.09

ROADWIN RE50レポート

ROADWIN RE50レポート

10月23日 モビリーティーパークにて
新製品のショックアブソーバー「RE50」
のプレス発表会が開催されました。

レッツゴー4WD誌、ランドクルーザーマガジン誌などで
おなじみのライター高坂さんに実際に試乗をして頂き「RE50」のレポートを
高坂さんらしい視点でズバリ記事にして頂きました!

概要

アピオ看板の前で記念撮影。右からKYB営業部穴井さん、KYB株式会社技術部の安井さん、アピオ社長河野、アピオ会長尾上。

アピオ看板の前で記念撮影。右からKYB営業部穴井さん、KYB株式会社技術部の安井さん、アピオ社長河野、アピオ会長尾上。

 ジムニーパーツ・サプライヤーの大御所「APIO」から、ジムニーJB23W用の、また新しいショックアブソーバーがリリースされた。
開発するにあたってのコンセプト、概要などは、このAPIOホームページに詳しく紹介されているとおり。要約すると、「より乗り心地のいいショックアブソーバーが完成しました」ということらしい。製品名は『ROADWINショックアブソーバーRE50』。

 従来よりAPIOはJB23W用としてオリジナルのショックアブソーバーを減衰力可変式、同固定式、それにビルシュタインとのコラボモデルなど、計4タイプをリリースしているが、つまりこのRE50で、オリジナルショックは実に5つめ。ただ、どのショックもキャラクターがはっきりしているので、選ぶ際も迷いはないだろう。

 今回の「RE50」のポジショニングも明確だ。スペックとしては従来の「ROADWIN8段レッドショックアブソーバー」と似通っていて、実際、減衰力8段可変式であることをはじめ、ストローク長やピストン径、内部オイル量などは、まったく変更されていないそう。異なるのは減衰力の設定のみ、ということになる。

 しかし、その減衰力設定にあたってはJB23Wのバネ下……ホーシングやアーム類、タイヤ&ホイールなどなど……をバラバラにし、重量を計測。さらにジムニーという“オフロード車”の走りのフィールドを考慮し、その上でオリフィス、バルブ、ポートといった複筒低圧ガス式ショックアブソーバーの内部機構を徹底吟味、より良い乗り心地と操縦性のバランスを取っていったのだという。試作を重ねたのは4回ほど……これまでのAPIOでは考えられない「多さ」だったという。

 結果として得られた減衰力数値は、企業秘密? として公表されていないが、基本的には初期の入力を軟らかめに、ピストンスピードが高まったところで引き締まったように感じられる設定とのこと。また、全体にフロント用のほうがリア用より高め、とも。従来、可変式ショックというとフロント、リヤとも近い減衰力設定のものが多く、その装着車に乗る場合、個人的にはフロントの番数をリヤよりやや高めにするのが好みだったのだが、RE50の場合、どうやらフロント、リヤを同じ番数で乗るのがよさそうだ。

 ともあれ、難しいことは考えず、とにかくこの新しいRE50装着車、さっそく試乗させていただこう!

オンロード

まずはすべてのJB23Wオーナーが乗るシチュエーションであろう、オンロードを試してみる。試乗車には、APIOのオリジナルサスペンション「A2000Ti つよし君 RE50コンプリートキット」として装着。約60㎜アップのコイルスプリング、解除可能式スタビライザー“悟空”などが同時装着されている。ちなみに今回のRE50に組み合わせるスプリングは、このA2000Tiが専用となっている。またタイヤは、ジオランダーM/T+185/85R16。エア圧は1.5kg/m2に設定したが、オンロードではもう少し高く、LT規格サイズでもあるので、2.0kg/m2くらいでもいいかもしれない。

 RE50の番数は、まず開発者であるAPIO尾上茂会長がオンロード通常走行で推奨している、フロント/リヤ各6番で試してみる。

 印象的なのは、やはり乗り心地の良さ。路面の継ぎ目や舗装の荒れたところはオンロードといえど不快な突き上げが気になるところだが、RE50はまったくそれを感じない。タイヤの低めのエア圧を差し引いても、ショックアブソーバーの初期の“当たり”が想像以上にしなやかで、なるほど、これが従来の8段レッドと大きく変わったところか、と思わせる。