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ナローシエラで林道探訪
VOL.042
ナローシエラで林道探訪Vol.42

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ナローシエラで林道探訪Vol.42

雑誌『ジムニー・スーパースージー』に連載中の『林道パラダイス』との連動企画。

2025年の10月中旬、4日間で新潟県・福島県・山形県の林道を巡った旅の後編は喜多方市の「朝ラー」から始まる

Photo & Text : 赤ぞう
1968年神奈川県生まれ。成城大学卒。日本ジムニークラブ神奈川支部所属。ブログがきっかけとなり2011年からジムニー・スーパースージーに林道ツーリング記の掲載が始まる。著書は「ジムニー林道アドベンチャー」(SSC出版)。千葉県房総半島の林道沿いの家に暮らしながら、日本中の林道を旅することを楽しみとしている。愛車はナローシエラ。
<YouTube赤ぞうチャンネル>

三ノ倉山エリア(福島県喜多方市)

三ノ倉スキー場から下って行くナローシエラ。砂利道からは会津盆地を見渡すことができた。

喜多方市では朝から営業しているラーメン屋が多いと聞きつけて、人生初の「朝ラー」に行くことにした。会津若松市内の宿を早目にチェックアウトし、7時少し前には有名な「坂内食堂」に着いたが既に長蛇の列。物凄い人気店だ。他にないかと探しまわって行き着いたのは「ウリナム食堂」。1組待ちで入店できた。店員に薦められるままに「ノムノムこってり醤油らーめん」をいただく。ネーミングほどはこってりしてないスープで自分好み。麺の茹で加減も絶妙でとても旨かった。 最初に向かうのは三ノ倉スキー場から始まる林道だ。国道121号から左折して登って行ったがスキー場のロッジの先で通行止だった。大平沼まで通じているはずの砂利道は通れない。仕方なく西方向への舗装路に入る。下って行くと砂利道となり会津盆地を見渡すことができた。続いては円ノ花山へ登る砂利道。登るにつれて路面は草に覆われていく。前夜に降った雨で濡れた草はグリップ感に乏しくブレーキを踏むとABSが作動するほど滑る。道幅は狭く谷に滑り落ちたら一巻の終わり。一段と道幅が狭くなる手前でUターンすることにした。 次なるは林道二ノ倉山線。二ノ倉山の西側をかすめて山深く伸びている林道だ。一部ススキが生い茂っている区間もあったが、そこさえ我慢すれば枝葉に邪魔されることなく進めた。途中ではウリ坊が3匹出現。可愛らしさを振り撒きながら茂みの中へ消え去った。奥へ進むにつれて車両が走っている形跡は少なくなり東側の谷へと下り始めた。GPSで位置を確認すると地形図上の道は終わっている。路面に砕石はなく土。前夜の雨で水分をたっぷり含んだ土で滑りやすいコンディションだ。下り切ったとしても通り抜けられるとは思えない。戻るときは登り坂。リスクを考えて引き返すことにした。 続いて向かうは林道五枚沢線。山形県飯豊町へ抜ける飯豊山地を越える林道だ。人の気配がない五枚沢の集落を過ぎると砂利道となり、猿の群れが林道を横切った。30匹はいるようだ。これでは畑をやっても食い荒らされてしまうだろう。しばらく進むとトラロープが張ってあって通行止。残念ながら山形県へは別ルートで行くしかない。

飯豊エリア(福島県喜多方市・山形県飯豊町)

1998年に竣工した飯豊トンネルの山形県飯豊町側。林道らしからぬとてもとても立派なトンネルである。

飯豊山地を越えるため、林道五枚沢線よりも西に位置する飯豊トンネルに向かうことにした。まずは県道383号沿いの「いいでのゆ」に立ち寄る。少し茶色く濁った湯でいかにも効能がありそう。しかも500円とリーズナブル。JAF会員の入浴特典で温泉玉子券を貰ってしまったので、レストランに入りソースカツ丼を注文。ソースの掛け具合もちょうどよく、美味しくいただき腹も満たされた。 いつまでものんびりしてはいられないので山形県へ向けて出発。まずは林道川入線に入る。西へ続く脇道へも行ってみたが野営場で行き止まり。戻って林道一の木線で本格的に登り始める。林道とは思えないほど立派な小白布沢大橋を渡り、これまた立派な飯豊トンネルを抜けて山形県飯豊町に入った。トンネルの先に林道五枚沢線から繋がっているはずの林道葡萄沢線があるので覗いてみるとこちらも通行止。数十年前に訪ねたときは林道五枚沢線と林道葡萄沢線が通れて、飯豊トンネルの方が通行止だったのに時代は変わったものだ。どこかが崩れてしまったのかなあ。そのまま下って県道378号へ通り抜けることができた。

遅谷川エリア(山形県飯豊町)

くねくねと登って標高630mほどの尾根を越えると大規模な伐採地帯が見えてきた。

県道378号の高造路地区から東方向へ入るとすぐに砂利道。くねくねと登って標高630mほどの尾根を越えると大規模な伐採現場が見えてくる。遅谷川まで下ると北方向へ分岐する道もあったが、真っすぐに進み次の尾根を越える。崩れた路肩をコンクリートで補修したばかりの箇所を過ぎると枝葉が繁茂。引っかき傷を厭わずに掻き分けながら下って行くと舗装路に突き当たった。この道を南へ走れば谷地峠を越えて福島県へ抜けられる。つまり林道葡萄沢線に通じている道なのだ。「多分通れないだろうが行けるところまで行ってみよう」と進んだものの、神社を過ぎると雑草が繁茂。ここから先は歩いて行くことすら躊躇するほど草が繁っていて諦めるしかない。さあそろそろ今夜の宿がある小国町へ移動しよう。

五味沢エリア(山形県小国町)

町道針生平五味沢線は荒川に突き当たって行き止まり。ここから先は大朝日岳への登山道となる。

小国町では「白い森交流センターりふれ」に宿泊。白い森とは冬の雪と白い木肌のブナの森を意味しているそうだ。温泉ではないが大浴場があって体は温まり蓄積した疲労は回復。ビジネスプランで泊まったのに、夕飯にはすき焼きが出てきた。さすが山形県である。旨い牛肉をリーズナブルに調達できるのだろう。翌朝は宿の前を流れる荒川の上流部を探索。町道針生平五味沢線は途中から砂利道となり荒川の流れが見えるようになる。荒川を渡ってしばらく行くと数台停められるスペースがあって行き止まり。その先は大朝日岳への登山道となる。大石吊橋を渡ろうとしたが単管パイプに足場板が置いてあるだけの簡易な構造。ゆらゆらと大きく揺れて臆病者の自分は渡れなかった。 続いては林道足駄山線。砂利道を東へ進むと正面から朝陽を浴びて眩しい。目を細めながら進んだが、ほどなくして通行止。その先は国有林の専用林道とのこと。残念。次は林道三面線。蕨峠を越えて新潟県まで通じている林道で、数十年前に一度踏破しているが今はどうなっているだろうか。県道261号からの分岐には新潟県の三面ダムの案内標識があり通り抜けられるのではと期待が膨らむ。ところが4kmほど進んだ先で通行止。残念だが仕方がない。

朴木峠エリア(山形県小国町)

飯豊連峰展望台からの眺め。山々の向こうに飯豊連峰を望むことができた。

新潟県へ抜けるのは諦めて向かったのが林道朴木線。国道113号から入り良く整備された舗装路を登って行くと朴木峠に到達し飯豊連峰を望めた。峠を過ぎて山側に分岐する砂利道に入って行く。美しいブナ林の中を進むと二手に分かれたのでまずは左折。行き止まりには朝日連峰展望台の標示板があり小国の街並みの向こうに朝日連峰を望むことができた。戻って右の方向へ進むと飯豊連峰展望台に突き当たった。朴木峠よりも標高が高い分だけよく見える。国道からの道筋には展望台の案内はなく偶然辿り着くことができた。人知れず存在する展望台のようだが小国町に来たらぜひ立ち寄るべき場所だと思う。 続いて向かったのは江戸時代に3600枚もの石を敷き詰めて造られたという黒沢峠敷石道。ところが、狭い舗装路を登って行った先にはトラックが停まっていた。林道脇に積まれた丸太を積み込む作業の真っ最中。道は狭くて行き交う場所はない。待っている間に地形図を見ると別ルートでも行けそうなことが分かりUターン。黒沢集落まで戻って北側を通る道で登り直した。集落を過ぎると砂利道となり沢筋に沿うように進んだが広場に出た途端にススキが繁茂。どこが道か分からないほどに繁っていて進むことはできなかった。

明沢川エリア(山形県小国町)

草木を掻き分けて行くと土砂が崩落。大きな木も倒れていて通ることは絶対的に不可能な状況だ。

最後に訪ねたのは林道明沢線。地形図によると明沢川沿いに三体山の懐深く標高740mまで登って行けそうな林道だ。国道113号の明沢橋を北方向へ入って行くと、ほどなくして砂利道に変わる。ところどころで崩れていたが補修されている箇所もあり走りやすい。危険箇所にはピンクテープが張られていて注意喚起も万全だ。眼下に見える明沢川は美しく素晴らしい。ところが欄干が壊れた橋を渡った先から草木が繁り始めた。草を掻き分けて進んで行ったが土砂が崩落。大きな木も倒れていて通ることは絶対的に不可能な感じだ。道はまだまだ奥へと続いているはずだが諦めるしかない。 今回は足掛け四日間で初めて走る林道を幾つも訪ねることができて大満足。とても楽しめた。さて次はどこら辺りへ行こうかなあ。

円ノ花山へ登る砂利道は道幅が狭く谷に滑り落ちたら一巻の終わり。ほどほどのところで引き返すことにした。
林道川入線。一ノ戸川に沿って北上し山形県飯豊町を目指す。
正面から朝陽を浴びて林道沿いの草が輝いて美しい林道足駄山線。残念ながらこの先で通行止だった。