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ジムニーを話そう
VOL.008
東京モーターショー雑感。(アピログより再編集)
東京モーターショー雑感。(アピログより再編集)

 今年の東京モーターショーは久しぶりにその名の通り東京へ戻ってきた。
 あいかわらずエコカーオンパレードだが、そんな中にもハイブリッドだのEVだのがもう標準的になってしまったせいもあってか各社からスポーツカー的なモデルが登場でなかなか好ましい傾向。
 残念ながらジムニーに関する情報はなかったが、そんな中にあってスズキが今回のモーターショー2011で世界初出展するコンセプトカーが『REGINA(レジーナ)』

 あースズキもEVね?あるいはハイブリッド?という雰囲気だが残念ながら、というよりもうれしい事に違った。
このレジーナは軽量化と空力性能の追求により、低燃費・低排出ガスを実現した、 ガソリン車でもここまでいけるぜ!という提案カー。
 32km/リットルの低燃費とCO2排出量70g/km 以下を実現したFF CVTのガソリンエンジン車。800ccターボチャージャー付き直噴ガソリンエンジン車との事。
 デザイナーの結城さん曰く、特にエクステリアのスタイリングに於いては、一般的に想像しがちな流線型で描きそうなありがちなカタチではなく、あえてそこからの脱却をはかったとか。

 確かに最近のプリウスに代表されるようなクルマはフロントウィンドウがかなり傾斜しているが、このクルマはあえて直立傾向。後部もスパンときれつ つもきれいなカタチでまとまっている。個人的にはフランス車のエスプリも感じる。空力とはプリウスみたいなカタチばかりでは ないんだよとこのクルマは教えてくれます。
 また最近のクルマはとかく無表情もしくは怒っているようなフェイスばかりだが、このクルマはかつてのクルマが持っていたはずの人格や愛嬌のようなもの持ちキャラクターを感じる。すでにケロヨン軍曹?とか続々とあだ名もついているとか?
 それにしてもこの軽量化といい、800ccのターボチャージャー付き直噴ガソリンエンジンといい、次期ジムニーには是非取り組んでほしいスペックだ。いっそのこと結城さんに全面的にジムニーを提案してほしい。そしてオープンモデルも。

 さてコンセプトカーは私の中ではこのレジーナが一押しだが、展示車両で一番迫力とインパクトがあり、たとえば小学生に人気投票をとると優賞候補間違いなし!と思うクルマはやはりこの闘うクルマ。ダカールラリーに挑戦する HINO Team sugawaraのラリーマシン。日野レンジャーだ。
 戦ったクルマの迫力と存在感は飛び抜けて高く、子供達は本能的にこのクルマの魅力を感じとるはず。
 車輌の奥には日野レンジャーダカールラリー挑戦の歴史が展示されていて鯉のぼりは来年のダカールラリーを応援するメッセージを書き込めるようになっていた。
 継続は力なりというが、まさにパリダカ連続出場で、世界ギネスを保有するその記録は、日野はもちろんのこと日本の自動車メーカー全体が目にみえない恩恵を得ているはず。
 売上げ数値という短期決算の数字だけに一喜一憂している間に、数字のトリックを作りあげるのがウマイ上層部からは予算削減とばかりに、いつしか長年積み上げてきたモータースポーツで挑戦していたはずの日本の自動車企業は軒並み挑戦することをやめて、振り返るとすでに大切なモノを失い続けて今日に至るこの世界に於いて特にパリダカに関しては本気で挑戦するHINO Team sugawaraには情熱や挑戦といったことは数字には置き換えられなくとも、多くの心に大切な事が伝わる展示だった。

 今回のモーターショーではオープンカーのスポーツカーも目立っていた。
マツダのブースでは市販車のロードスターが展示してあった。おもえばこのマツダ、当時はユーノスロードスターという車ほど日本の自動車文化という側面で貢献した車はないのではないか。そして継続して作り続けているところも凄い。まさに、日本の良心カーとも呼べる。
 かつてジムニーにも幌車が存在したが、やれ全体の売上げに対して比率が少ないと言うそんなことはわかりきった話を元に気が付くとなくなっていた。
 そもそもオープンカーは非日常的なクルマだ。例えていえば、晴れた日の休日。とっておきの日にオープンテラスなカフェに行く行為。それとスーパーで買うインスタントコーヒーと比べるようなものだ。比べることそのものがナンセンスでしかない。

 12月1日の日経新聞に「Beingの消費」主役に人生の充実を支援する店をつくる。というタイトルで小阪祐司さんの記事があった。
この記事の中で、2012年は「生活必需品を便利に提供する店」なのか、「人生の充実を支援する店」なのか明確化しなければならない。という意味の事が書かれていた。また後半には消費者は限られた時間や財布の中身を、「生活必需」と「Being」にどのように配分するか一層シビアになるので中途半端な店は選ばれないだろう。そうならないために、自店のスタンスを明確にしていく必要がある。ともある。この記事の店をクルマに置き換えてみると、わかりやすい。国民の6割が今後「Being」の消費、精神的な充足のための消費を求めているとすればより一層、クルマもそのスタンスを明確にしていく必要がある。アピオもジムニーも、今までもそしてこれからもそのスタンスは、当然この後者になる。

 余談だが、何年か前に、この小阪さんのセミナーで楽しい食事をしながらビジネスの話を聞くという楽しいイベントが六本木であった。その際に、いかにデー トでドライブするか?という準備段階で、あらかじめ自分で編集したテープを用意しておき、この海岸線のカーブでこの音楽が流れるように準備するという話で 意気投合した記憶がある。スポーツカーやオープンカーはなにもレースや峠を駆け巡るだけが目的ではない。
 ドイツ車や日本車に比べてイタリア車に色気を感じるのはそこに座ってどんなレストランに行こうか?あそこの蕎麦屋もドライブをかねて行ってみたいという日常の中に彩りを加える一瞬のためにあると言ってもいいすぎではないはずだ。

スズキのスイフト、ラパン、セルボなどを手掛けた鬼才デザイナー結城康和氏
今回のショーモデル「レジーナ」は、自動車ジャーナリストからの評価も高くその一人ジャーナリスト川口まなぶさんは大絶賛。私も同感です。コンセプトモデルとして特にカーデザイナーがやるべき仕事として日本を代表する3本の指に入ると言われる所以がよくわかる気がします。

レジーナには表情がある
コンパクトかつ優雅
迫力のカミオン日野レンジャ-
世界を相手に挑戦を続けるサムライ親子。菅原義正(右)と菅原照仁(左)
ダカールラリーの軌跡
ホンダのオープンスポーツカー
トヨタの86
スバルのBRZ