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ジムニーで行く林道旅
VOL.012
~長野県・橋戸林道他~ 前編
~長野県・橋戸林道他~ 前編

昨シーズンは大雪に見舞われたため、まだまだ残雪が多い。
それでも冬季閉鎖が解除されて、春の到来と共に走れる林道が増えてきた。
そこで手始めに信州の林道を目指すことに...というのは表向けの理由。
白骨温泉の「泡の湯」に行きたいからやや強引な計画を練ったのだ!

ふたりの楽しげな会話に嫉妬する

温泉好きなら誰もが憧れる白骨温泉「泡の湯」。このロケーションは言うことなし!

3月のとある日、Yカメとともに別件の仕事でAPIOを訪れた。取材を終えて河野社長(以下・河野さん)といつも通りの雑談が始まると、当然のごとく林道ツーリングの話題に突入。そしてYカメと河野さんは以前一緒に行った白骨温泉の話題で盛り上がる。

河野さん:「それにしても泡の湯は良かったですね〜」
Yカメ:「白骨温泉の中でもトップクラスの優良宿ですからね」
河野さん「温泉は広くて気持ちイイし、宿も情緒があって落ち着くし、料理も美味い。そして若女将さんがキレイだったなぁ〜」
Yカメ:「確かにあの若女将は品があって、いかにも有名老舗旅館の若女将って感じですよね」
筆者:「何それ? オレは知らんぞ!」
河野さん:「あれっ? ウッチー(筆者の愛称)あの時一緒じゃなかったっけ?」
Yカメ:「一緒に行って…ないな! あれっ? なんでだろ?」
筆者:「知るか! あんたらが誘わなかったからだろが!」
Yカメ:「まぁ拗ねんなって」
筆者:「これが拗ねられずにいられるか! 決めた! 次の林道ツーリングは泡の湯に泊まる。誰が何と言ってもこれは譲れない!! 文句あっか?」
Yカメ:「別に文句はね〜よ。オレももう一度行きたいしな〜」
河野さん:「えっ? 本当に泡の湯ですか? ならボクも同行します!」

ということで昨年の10月以来、河野さんと一緒に3人旅となった。

林道は以前取りこぼした奈良井宿近辺の3本に決定!

林道アタックの前に奈良井宿に寄ってみた。お土産屋の開店前だったので観光客の姿はなかった。

河野さん:「ところで林道はどこを走ります?」
Yカメ:「言い出しっぺに決めさせましょう」
河野さん:「そうですね。ではウッチーお願いします!」
筆者:「月夜沢林道でいいよね。まだ峠付近は工事中だと思うけど、そこそこの距離は走れるだろ?」
Yカメ:「月夜沢は両方の入り口付近でゲート閉鎖されているよ。つい最近の情報だから多分無理だろうな」

あれれっ…。さてどうしよう? ふと思いついたのが奈良井宿近辺の林道だ。奈良井宿の近くには4本の林道が通っている。前回(Vol.09で紹介)訪れた時は、積雪や時間の関係で走ったのは鳥井峠林道のみ。今回残りの3本を走れば取りこぼしはなくなるから都合が良い。宿までは高速道路を使えば1時間ほどで着く。ほぼ完璧な予定が立ったのだ。

3本の林道は「橋戸林道」と「贄川橋戸林道」、「森崎林道」。橋戸林道と贄川橋戸林道はピストン林道で全長は8〜9kmあるのだが、調べたところそれぞれ4.3kmと2.2kmでゲート閉鎖されていた。「距離がもの足りないけど、まぁ走れるからイイや」と安心して森崎林道は調べなかった。2本が走れること、それと国道19号と県道254号を結ぶ道だから、間違いなく通り抜けられると思い込んだのだ。その時はこれが予定を狂わすとは全く想像していなかった…。

ロケーションは文句なし! ゲート閉鎖がなければイイのに…

贄川橋戸林道は走れる距離こそ2.2kmと短いが、人工物がなく自然を満喫できる。

長野自動車道・塩尻インターから国道19号線に入り南下する。3本の林道はいずれも国道19号線から簡単にアプローチできる。上から攻めるか下からにするか悩むところだが、帰路も同じなので下から攻めることに。そこでまずは奈良井宿へ行き、ルートの確認がてら休憩をとった。

前回、河野さんが同行した時はJB23とJB43で、非常に快適な旅となった。しかし、今回はJB23(もちろんAPIOコンプリートカー)といつものJA11(Yカメ号)である。フツーであればオーナーのYカメはJA11に乗るべきなのだが、「ヨロシク〜」の声を残してJB23の助手席に、さも当然! といった感じで乗り込んだ。

筆者:「おいおい、そっちに乗るんかい!」
Yカメ:「ゲストの河野さんをひとりにして寂しい思いさせたら失礼だもんな」
筆者:「まぁ確かにそうだけどさ…」

もちろんYカメの言い訳である。JB23の方が断然乗り心地が良い上にシートはレカロを装着している。オレだってそっちを運転したいさ…。

どことなくカナダや北米を感じさせるロケーション。沢沿いの道は自然と気持ちが高まる。

さて1本目の橋戸林道だが、沢沿い、それも沢との高低差がないので、とても清々しい気分で走れる。ガードレールもほとんど設置されていないから、自然を堪能するにはもってこい! しかし「気持ちイイ道だな〜」と気分良く走っていたら、情報通り4.3km地点でゲート閉鎖…。ゆっくりと流していたのだが、あまりに早く着きすぎた感じである。ハッキリ言って物足りない。「でも、まぁあと2本あるから!」と気を取り直してUターンすることに。

河野さん:「山岡さん、途中でいい撮影ポイントがあったから、そこでカッコイイの撮ってください」
Yカメ:「はいはい〜」
河野さん:「あっ、『はい』は1回でいいです!」
Yカメ:「えっ?」
筆者:爆笑
河野さん:「やったぁ〜! 1回言ってみたかったんですよ。確かに山岡さん『はい』を2回言いますね」
Yカメ:「昔からの口癖なんですよ…」
筆者:「いや〜そう来るとは思わなかったわ〜。さすが河野さん、ナイス! って、もしかして狙ってた?」
河野さん:「うん、ちょっと狙ってた!」

やはり旅は気心知れた仲間が多いほど楽しさが増えるもんだな〜と強く実感したのであった。

2本目の贄川橋戸林道も沢沿いを走るが、雰囲気は橋戸林道の方が勝る感じ。しかもこれまた情報通り2.2kmでゲート閉鎖されていた。フラットダートで走りやすいこともあり「あっ! という間」に終了した感じ。う〜、もっと走りて〜。「まぁ次は6kmくらい走れるから先を急ごう!」とUターン。それにしても、わずか5kmほどの距離で3本の林道にアプローチできるのは嬉しい。ゲート閉鎖までの距離がもう少し長ければ文句なしなのだが…。

わずか数十メートルで撤退…七蔵寺林道を目指す!

橋戸林道、贄川橋戸林道ともに路面はフラットで走りやすい。終点まで走れれば良いのだが…。

国道から脇道に入り、短い橋を渡ると未舗装路に変わった。どうやら森崎林道の入り口はすぐ先のようだ。橋戸林道と贄川橋戸林道の路面は固く締まったダートだったが、森崎林道は柔らかい土。「念のため早めにハブロックしておくかな〜」と思っていたら、左コーナーを曲がったところで先を走るJB23が停まった。JB23はハブロック関係ないよな? 「どうした?」とJA11から降りて先を見たら唖然。「あれっ? 道がない? 間違えた?」。5メートル先に数本の太い倒木があり、さらにその先は一見すると雑草が生い茂った廃道状態なのだ。ワダチなど何処にも見当たらない。

筆者:「道間違えた?」
河野さん:「だと思ったんですけど、ナビで確認したら間違いないみたい。どうします?」
Yカメ:「2台だからスタックは怖くないけど、河野さんはデモカーだから無理しない方がイイですよ」
筆者:「だね〜。その気になれば行けるかもだけど、無理をする旅じゃないから」
河野さん:「お気遣いありがとうございます! でもこのままじゃ走り足りないですよね〜」
Yカメ:「確かに!」
筆者:「同じく!」

時間は11時を過ぎたばかりだから、かなり余裕がある、というか思い切り持て余してしまう。そこで20km近く戻ることになるが、七蔵寺林道を走ることに決めた。

橋戸林道は数カ所で崖崩れにより道幅が狭まれていたが余裕で通過。やっぱりジムニーだね!