見事な青空が広がる中、合計30km超のダート林道を目指す。
立ち並ぶ山々は標高500〜700mほどの低山ばかりだがスケールが大きい。
そして走るダートの距離は、3本の林道を合計すると30kmオーバー!
その距離を聞いただけでも十分に満足できるツーリングになること請け合いだ!!
本日走る予定の林道は『沼井林道』と『宇土沼林道』、『桧沢林道』の3本。10.7km、10.2km、9.7kmと、いずれもミドルクラスのダートだ。『宇土沼林道』と『桧沢林道』は並行しており、その間を通る道も約5.2kmのダートが残っている県道(262号線)。さらに、『沼井林道』と『桧沢林道』から約3kmの距離に17.1kmの『宝森箕ノ輪林道』が通っているなど、地図を見たら思わずにやけてくるほど林道の宝庫である。しかも鳴子温泉から『沼井林道』のアプローチ地点まで3kmほどの距離。鳴子温泉は林道好きにとって聖地のような温泉と言えよう。
入り口が分かりづらいこと林道は少なくないが、鳴子温泉から『沼井林道』までは道が1本しかないので迷うことなく到着。沢沿いの林道で、一般道からそれるといきなりダート路面へと切り替わった。さぁ、30km超のダートランの始まりだ!
路面はフラットダートで、整備が行き届いているのだろう、凸凹は少なくて非常に走りやすい。針葉樹が立ち並ぶ薄暗い中を走っていたかと思うと青空が広がる稜線に出たり、今度は広葉樹の森に変わったり。そして急にヤブが濃くなり、ジムニーでもスクラッチ確実の廃道チックなロケーションになったり、遠くの景色は望めないが、様々な表情を楽しめるのがGOOD!
森の中やコーナーではのんびりと走るが、稜線に出て見通しの良い直線ではついついアクセルを踏み込んでしまう。2駆でも走れるフラットダートだが、路面へのインパクトを考慮して4駆にシフトしている。だから勾配がきつくても4つのタイヤが確実にグリップしながらグイグイと進む。たまにギャップに出くわすが『スーパーつよし君銀八安心サスペンション』のお陰で、我々乗員に大きな衝撃を与えることなく走り抜ける。
Yカメ:「やっぱり、このサスペンションはイイわ〜」
筆者:「確かに! 高速道路や荒れていないダートを走るという、この林道旅のスタイルにはピッタリだな」
Yカメ:「個人的にはコレが一番好きだな。オレ好みの乗り心地だよ。これでシートがレカロなら言うことなし! さすがに昨日のロングドライブは辛かった…」
筆者:「あ〜、シートは交換したいね〜。オレも愛車のJB23-7型はノーマルシートだから、慣れているとは言え、やはり長距離はツライもんな〜。ダートを走ると余計にシートを交換したくなる!」
学校が夏休みに入ったこともあり、高速道路は交通量が多く、鳴子温泉も賑わっていた。しかし、そこから3kmほどしか離れていない『沼井林道』は我々ふたり以外に人気はない。「都会の喧噪を忘れたい…」と思っているなら林道に繰り出そうではないか! 例え雨が降ったとしても体が濡れることはないし、展望は望めなくても旅情は味わえる。雨が降る森の中を走るのも、なかなかおつなモノですぞ〜。
林道を走る度に痛感することがある。それは「やっぱりトランスミッションはマニュアルだ!」ということ。
渋滞の多い街中だと、確かにATは便利。『クラッチを踏む』という動作がひとつなくなるだけなのに、とても楽になる。しかしトルコンのスリップが大きく思うような加速をしないことと、エンジンブレーキが効かないのが大きなマイナスポイント。
林道の上り下りは、一般道だとありえない斜度が少なくない。10度を超える斜度だって珍しくなく、ATで上れなかったことも…。特にエンジンブレーキが頼りないATの下りはフットブレーキを多用するしで非常に疲れる。林道はMTの方が数段快適かつ楽しくドライブできるのだ。
今回のJB23はMT車だったので走りに問題なし。ふたりの体重と手荷物、カメラ機材を合計すると200kgを優に超えているのだが、ヨシムラ・アピオマフラーによるパワーアップも手伝い、何ら不満を感じることはなかった。30km超ものダートにアタックしたのだが、キビキビとスポーティかつ快適に走ったため、あっと言う間に終わってしまった感じ。
『宝森箕ノ輪林道』にも行きたかったのでが、明るい内に『河原毛大滝湯』へ行くにはそろそろ向かわなくてはいけない時間。17.1kmものロングダートだから、またの楽しみに残しておこう!
なお『河原毛大滝湯』へのルートだが、一般道だとかなりの遠回りになるため、『沼井林道』を戻ることにした。これで1日のダート走行距離が40kmオーバー! 多分この林道旅の新記録達成だ〜!!