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12.12.25

【Vol.7-2】日本再発見ジムニー探検隊>>大人が楽しい乗り物系博物館ツアー

大人も楽しめる乗り物系博物館をドライブしている今回のジムニー探検隊。
前半は正統派な博物館をご紹介したが、後半はちょっと変わり種に行ってみたい。
マニアックなことを知ると、日本の魅力がもっと見えてくるのだ!

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最新鋭戦車も展示されている陸自の博物館

陸上自衛隊広報センターのメイン展示室。ホンモノを間近に見ることができる。

今度は趣旨をガラリと変えて「陸上自衛隊広報センター」をご紹介しよう。朝霞駐屯地の敷地内にある同館は、税金を支払っている国民に陸上自衛隊の活動や装備の一端を知ってもらおう…というような目的で開設された。

陸上自衛隊と聞くとアレルギーを持つ人もいるかもしれないが、ミリタリーファンでないかぎり日本の軍備がどんなものか知らないというケースが多いと思う。自衛隊の実態を知るには、実にいい施設なのだ。

朝霞駐屯地専門脇からセンターに入ると、サマワ派遣でメジャーになった「軽装甲機動車(LAV)」が出迎えてくれる。入場料はもちろん無料。エレベーターで2階に上がると、展示がスタート。2階には大したものはないが、眼下に広がるメイン展示室には圧倒される。

天井からは空挺隊員が落下傘降下しており、さらに90式戦車、AH-1S対戦車攻撃ヘリが並ぶ。さらに89式自動小銃や5.56㎜機関銃、自衛隊員個人装備など、普段は縁遠い陸上自衛隊のことが分かる仕組みとなっている。

総合火力演習や駐屯地祭など、自衛隊の実態を垣間見る機会はあるものの、車両や装備に触れる機会はそうそうない。同館では90式戦車をはじめ、車両やヘリコプターに触ったり頬ずりしたりしても、誰にも怒られないのだ。ミリタリーファンにはちょっとした天国だ。

(上)90式戦車の試作1号。(下)個人装備を体験で付けることができる。

2010年に制式採用になったばかりの「10式戦車」の模型があり、しげしげと見ていると近くにいた隊員が「実物が外にありますよ」と言う。昨年の総合火力演習で実物を見たが、周囲にロープが張られていて触ることはできなかった。屋外展示場に飛び出してみると、一番端に最新鋭戦車が! だが、ここでも周囲に鎖が…。

ちょっとガッカリだが、時間を気にすることなく10式戦車を観察できる機会はそうそうない。他にも74式戦車や89式装甲戦車などがずらり。どれも僕の少ない税金で作られたのだからマイカーのようなものだと思い、せいぜいベタベタと撫でてきた。

館内にはAH-1S“コブラ”のシミュレーターがあるのだが、これは機内から撮った画像に合わせてカプセルが動くだけで自分で操縦体験ができるわけではない。子ども騙しぽくってつまらないのだが、ここにはそれを越えるものが用意されている。

それがヘリコプターと高機動車の体験乗車だ。年に1〜2回行われるもので、ハガキか同館で直接申し込むと、抽選で搭乗できるのだ。かなり確率が低いとも言われているが、申し込みは無料だから損はない。ちなみに僕はここ3年間ハズれているが。

陸上自衛隊広報センターは前述の通り、朝霞駐屯地内にある。そのため、運が良ければ訓練中の戦車を見ることもできる。震災の活躍では持ち上げられ、憲法では問題視される自衛隊だが、自分の国の軍隊がどのようなものか一度は見てみるのもいいと思う。

ちなみに自衛隊関係の博物館でおすすめなのは、まずスズキのお膝元・浜松にある航空自衛隊の「エアーパーク」。こちらは主要な自衛隊機が展示されている他、様々な装備や戦闘機のメカニズムを観ることができる。ブルーインパルス仕様のT-4のコクピットに座れるのは、かなり貴重な体験と言える。

海上自衛隊では、海軍の街・呉にある「てつのくじら館」だ。その名前から何となく想像がつくと思うが、ゆうしお型潜水艦「あきしお」がそのまま展示されているのだ。発令所のある甲板を見学することができるので、観艦式の抽選が外れた人はここへ行ってみよう。

日本の最新の技術が理解できる

潜水調査船やロケットなど、かなりレアな乗り物の展示が多数ある。

今回最後にご紹介するのは横浜みなとみらいにある「三菱みなとみらい技術館」。横浜みなとみらい自体が三菱の王国のようなものだが、その中心であるランドマークタワーの横に同館はある。

三菱重工業が開発した様々なジャンルの技術が展示されている。今や日本のお家芸のひとつになったHⅡ-Aロケットや潜水調査船「しんかい6500」など、トップテクノロジーは大抵、三菱重工業が携わっているのだ。つまり三菱重工業を知ることで日本の技術を知ることができるわけだ。

入場料は300円と、民間の博物館としてはそれほど高くない。入口でお姉さんにチケットを渡すと、ロボットが出迎えてくれる。斜陽の日本だが、その技術はまだまだ世界から注目されている。ロボットもそのカテゴリーのひとつだ。このロボットは相互コミュニケーション型で、こちらが話しかけるといろいろ答えてくれるのでおもしろい。そのうち、この入口にガンダムのような人間が操縦するロボットが展示される日も遠くないかもしれない。

入るとまず目に入るのが、新都市交通のシミュレーターだ。電車はすでに東武博物館でお腹いっぱいなので軽くスルーする。第1の展示室は「航空宇宙」。展示室に入ると、いきなりMRJの頭がドドーンとある。MRJとは「三菱リージョナルジェット」のことで、YS-11以来実用化される予定の国産旅客機だ。2013年についにテスト飛行が開始される。MRJの内部はシミュレーターになっており、747と現代の飛行機の操作系がどれほど違うのかがよく分かる。

この展示室にはHⅡ-Aロケットのエンジン&ノズルや、国際宇宙ステーションの日本実見棟「きぼう」のレプリカなどがある。ロケットのエンジンやノズルなどは、なかなか間近で見られるものではないから、メカ好きにはかなり興味深いと思う。

(上)三菱重工が製造してきた歴代の航空機。(下)航空機をCAD設計するというアトラクション。

第2の展示室は「海洋」。宇宙と共に人類最後のフロンティアが深海だ。その深海を調査するために製造された「しんかい6500」のカットモデルが展示されている。意外と知られていないのだが、しんかい6500は世界で一番深く潜れる潜水調査船だ。

海洋先進国家はフランスとアメリカだが、その潜水調査船である「ノティル」や「シークリフ」よりも性能がいい。これは日本が地震国家だからであり、太平洋のプレートを観測するために6500mの潜水性能を持っている。これひとつを取っても、やはり日本はすごいと思う。他にも無人探査機の「うらしま」の実物大展示も行われており、つくづく三菱重工が何でも造っているのに驚かされる。

2階は「環境・エネルギー」のコーナー。いきなり登場するのが、原子力発電。何かと話題になる原発だけに、その仕組みがどうなっているのか興味深い。「原子力発電は安全でクリーンなエネルギー…」というナレーションには苦笑するしかないが、すべての技術が人間を幸せにするわけではないので仕方がない。

エネルギーのコーナーでは次世代の自動車を支える「燃料電池」の仕組みなどが子どもでも分かるように説明されているので、メカ好きはぜひチェックしたいコーナーだ。同館にはヘリコプターの操縦体験ができるシミュレーターや船や航空機を設計・操縦するアトラクションなど、大人も子どもも楽しめる展示が盛りだくさんだ。

今回は4つの乗り物系博物館をご紹介した。2012年も何となく元気のなかった日本だが、人の英知を集めてできた乗り物を見ていると何となく勇気づけられ、日本もまだまだいけるという気になってくる。

さて2012年は多くの皆様にご愛読いただき、心より感謝いたします。2013年もよりおもしろい日本をご紹介できるよう探検隊は頑張ってまいります。来年も宜しくお願いいたします!

<文&写真:山崎友貴>

乗り物系博物館探検ギャラリー

埼玉県「自衛隊広報センター」

自衛隊広報センター
所在地:〒351-0012 埼玉県朝霞市栄町4-6

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