東京モーターショーは国産自動車メーカーで組織する日本自動車工業会が開催しているイベント。エンターテイメント的な演出がなされているため“遊びのショー”だと思っている人が多いようだが、実はれっきとした見本市だったりする。第1回のショーが開催されたのは、昭和29年のこと。日本もようやく敗戦から立ち直り始めた頃で、いよいよ高度成長期へと向かう曙の時代だ。
当初は「全日本自動車ショウ」という名称で、会場はなんと日比谷公園だった。267台の自動車が出展されたらしいが、その内乗用車は何と17台というから驚きだ。当時、国産車のメインと言えばトラックなどの商用目的のモデルで、庶民がクルマを買うなんて現実離れした話だったのである。この後から「モータリゼイション」という言葉が生まれ、徐々にご家庭にクルマが広がっていくわけだ。
この全日本自動車ショウが“東京モーターショー”と名称を変えたのは、昭和39年に開催された第11回から。昭和40年4月から乗用車の輸入自由化が予定されており、それに合わせてインターナショナルショーにしようという主催側の狙いがあった。会場は第6回より東京・晴海にあった東京国際見本市会場に変更されており、出展車も乗用車が多くなっていた。
ちなみに第11回の出展車の目玉は「スバル360」や「ダットサンS211」だった。東京オリンピックの直後ということもあり、さぞ盛り上がったに違いない。