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ジムニーで行く林道旅
VOL.011
~群馬県・群馬坂林道~ 後編
~群馬県・群馬坂林道~ 後編

いざとなれば除雪車でのレスキューが約束されているのでジムニー1台・ふたりだけのスノーアタックも怖くはない。
スタックしても路面を無駄に掘らなければ、リカバリーは簡単にできるもの。
一度に進めるのは数メートルだけで、除雪やジムニーを押したりの土木作業が忙しい。
一見すると苦行のようだが、これがスノーアタックの楽しみのひとつ。
3時間で百数十メートルしか進めなかったが大満足!

気温は間違いなく氷点下だが肉体労働で汗をかく!

ワダチのついていない雪面を走る快感は、一度味わったらヤメられない!

『こりゃ〜無理かも…』40cmの雪壁を前にして一瞬『スノーアタック断念』の言葉が脳裏をよぎった。しかしパウダースノーなので抵抗が少なそう。勢いを付けて突入したらあっけなく突破できた。さらに10m近く走れたので何とかなりそうだ! そこでいよいよチェーンを巻くとこにした。
Yカメ:「あ〜〜〜」
筆者:「どうした? チェーン積んできたんだろ?」
Yカメ:「おっ、おお…。チェーンは積んできたけど、スコップを忘れたわ〜。ワリーね」
筆者:「何してんだよ〜。初めてのお使いごっこしてんじゃねーぞ!
Yカメ:「家からクルマで出る時にスコップで除雪して、そのまま置き忘れた。まぁ、パウダースノーだから手でかけるし、路面を派手に掘らなきゃ押してリカバリーできるだろ? そんな気にすんなって!」
筆者:「気にすんな? それは被害者側、つまりオレの言うセリフ! このバカチンが!! バツとしてチェーンはひとりで巻け。オレはやらん!」
子供のケンカが終わり、チェーンが巻けたら、いよいよスノーアタック開始だ!

いい写真を撮ろうとして深みにハマりもがくYカメ。マジで苦しむ表情に注目!

Yカメ:「写真を撮るから、あそこで右にハンドルを切ってくれ」
筆者:「はいよ〜」
路面に傾斜がついているのか、左に寄ってしまった。

Yカメ:「左じゃなくて右だよ、右!」
筆者:「分かってるよ。左に取られるんだよ」
再度チャレンジするも同じ結果に。
Yカメ:「何してんだよ! 下手くそ!! オレに代われ」
筆者:「…」
運転を代わっても結果は同じであった。

筆者:「下手くそ!」
Yカメ:「ステアリングが左に取られるんだよ」
筆者:「だから言っただろ!」
Yカメ:「難しいけど、楽しいな! しばらくオレに運転させてくれ」
筆者:「いいよ。スタックしたら交代な!」

それからスタックする度に運転を交代して雪と戯れるふたり。雪が軽いからスコップなしでも手や足で簡単に払えるし、ひとりが押せばリカバリー可能。とは言え、進むに連れて道幅が細くなり、左右の雪壁に前進を阻まれる。一度に進めるのは2〜3mほどのため、土木作業が忙しい。

何度アタック&レスキューを繰り返しただろうか? さすがに疲れたので時計を見ると3時間ほど経っていた。距離にしたら百数十メートルしか進んでいないが、もう十分! 宿に連絡して迎えに来てもらうことにした。

雲上にある野天風呂からの眺望は感動もの!

送迎用の雪上車。他にトラックやワンボックスなどもある。スタック知らずの走りを見せる。

雪のない季節であれば湯ノ丸高峰林道で宿まで行けるが、11月中旬から4月末までは積雪による通行止めのため、アサマ2000スキー場の駐車場から雪上車での送迎となる。雪上車に乗れる機会なんて、そうそうあるものではないから、それだけでも楽しい。

高峰温泉は、標高2,000メートルの場所に建てられ、「雲上の温泉」、「ランプの宿」として広く知れ渡っている温泉宿だ。登山やハイキング、バードウォッチングなどのベース基地としても人気が高く、希望すればガイドで案内してくれるのでビギナーでも訪れやすい。

そして部屋の造りや料理などは「山奥のこぢんまりとした温泉宿」を感じさせ、とても心が安らぐ。何より温まるのは、若旦那さんを筆頭にしたスタッフ全員の接客態度だ。その居心地の良さに一年中多くのリピーターが訪れる。特に女性からの評判が高いというが、そのサービスを受ければ納得できるだろう。

右から二人目が高峰温泉の若旦那さん。四駆乗りなので我々の気持ちを理解してくれるのだ。

温泉は源泉がぬるめのため、のんびりと浸かっていられる。内風呂はふたつあり、どちらも素晴らしい景色が望めるのが特徴だ。温泉は内風呂だけではない。2010年9月に完成した野天風呂が、なんとも素晴らしいロケーションなのだ。

野天風呂は宿から40mほど離れた場所で、脱衣場にも屋根がないワイルドな造り。定員が4人のこぢんまりとした湯船だが、眼下に雲や下界が見渡せる景色には誰もが感動するだろう。

氷点下だったので、さすがに裸になるのはツライ。湯船で温まっても水気をすぐに拭き取らないと強烈な寒さを感じる。なんせ、濡れたタオルが1分もしない内にカチカチに凍るのだから…。しかし、服を着たらすぐにポカポカ状態で、着込むと汗をかくほどである。温泉好きなら是非とも一度は浸かりたい温泉だ。

女性や子供が喜ぶチーズ工房へGO!

アトリエ・ド・フロマージュのフルーツタルト。季節によってメニューが異なるという。

スノーアタックと雪見温泉で、『雪』を存分に堪能。そのまま帰宅しても後悔のない旅となったが、甘いモノ好きのYカメが黙っていなかった。

Yカメ:「甘いモノが食べたい! それも普通じゃなくて、感動するほど美味いのが食べたい!!」
筆者:「難しいんじゃね? 不味い店で今の満足感を損ねるのはイヤだよ!」
Yカメ:「そうだけど、甘いのが食べたいんだよ〜」

そこでスマホで色々調べると「アトリエ・ド・フロマージュ」というチーズ工房を発見。30年前に開業し、今や南青山や軽井沢にも店舗を構えている人気店で、チーズの他、ピザやケーキ、ヨーグルトを製造し、店内で食すことが可能とか。これは期待できそうだ! と訪れたところ…BINGO!! スポンジなどの生地、クリームともに三つ星クラスの美味さ。近くまで行ったら、是非とも足を運んで頂きたいお店だ(ここを目的に行く価値もあり!)。

そばや七良右ヱ門の石臼びき&純手打ち蕎麦。太い麺は「まさに蕎麦を噛んでいる」という食感を楽しめる。

どうせなら食事もついでに…と食事処もスマホで検索。近場情報で検索すると『小諸蕎麦』が多かったので、その中で評判の店を選んだ。

筆者:「小諸蕎麦って何?」
Yカメ:「普通の蕎麦よりも麺が太いみたいだね」
信州なら味は間違いないだろうと期待が高まる。

我々が訪れた蕎麦屋は「そばや七良右ヱ門」。浅間山麓産の玄そばのみを使用して、石臼びき&純手打ちで提供する、こだわりの蕎麦屋だ。調べたとおり普通の麺よりも太くて噛み応えがあるのが特徴。江戸っ子の食べ方ではなく、しっかりと噛んで風味や食感を味わいたい蕎麦だ。さらに再度メニューの牛すじも絶品だったことをお伝えしよう。

今回は高峰温泉の特別配慮により1台でも実現できたツーリングだが、仲間と数台で行けばもっと楽しめるだろう。来年は誰かを誘って来ようと企画中!

野天風呂からはご覧のような絶景が堪能できる。ぬるめの温泉だから長風呂が可能だ。

ジムニーでも通れない幅なので雪壁に突進! 雪が軽いから簡単に崩れるのだ。
さらさらのパウダースノーなので、雪壁に突進してもボディが傷つくことはない。
新デザインのアルミホイール? いやいや、雪が詰まっただけです。
前日の降雪でスノーアタックに最適な積雪となった。これ以上だと全く走れなくなる。
湯ノ丸高峰林道沿いに建っている高峰温泉。一年中賑わっている人気の温泉宿だ。
内風呂からの景色も申し分なし! ランプだけの明かりが情緒を盛り上げる。
冷静野菜の煮物。素朴な料理だが、素材の味を最大限に活かした味付けで非常に美味!
信州またぎ鍋。これも上品な味付けで、とても美味しかった。全体的に女性が好む味付けだ。
高峰温泉の周辺には多くの野生動物が生息している。この動物は「テン」だ。
テンの後はキツネも現れた。宿にあるお休み処から、ほぼ毎日観ることができるという。
野天風呂は宿から40mほど離れた場所にある。脱衣所はないが、冬でも多くの人が浸かる。
自然が作り出した芸術「雪紋」。水分が多い雪だと見られない自然現象だ。