TEAM APIOドライバー 尾上 茂(アピオ会長)のRALLY MONGOLIA 2012レポート!
スズキ・ジムニーで走るモンゴルラリーに最適なタイヤとは・・・?
俺は6回もモンゴルラリーを走った、毎回「どんなタイヤがベストか?」で悩むことになる。
初めてモンゴルに行った時、ダンロップ195-16MTで行った。この時ジムニーJB23にはちょっと重すぎる、と感じ翌年はヨコハマ185-16MTに変えた。その年同じジムニーで参戦の菅原さんともちろん競った、当時モンゴルラリーで最も多い路面は乾燥した比較的フラットなダートであった。
その菅原さんは前年と同じダンロップ195-16MT、俺は195のMTではパワーロスが大きいのでは、と横浜185-16MTに変えた。車の性能は互角であったが、平行ピストを両者アクセル全開で走ると徐々に菅原号が後方に消え、ついに視界から消えた。勿論川渡りやマッデイーな場所では流石に負けるがアクセル全開でぶっ飛ばせば難なくこなせた。
その後、昨年まで両者ともヨコハマジオランダー18516MTタイヤを装着となった。
サイズ的にもベストマッチングと思う・・?
こうなるとどちらかがミスらないとほぼ互角の走りになるのは目に見えている。
そこで本年、俺は作戦を変えた。ジムニーJB23は軽自動車であるため車幅が狭い、そして車高は意外と高い。ハイスピードの特にコーナーではそれなりにワイドボデーのジムニー1300シエラにはかなわない・・!そこで今年はJB23のワイド&ローモデルに変更。
APIOの1300cc用15インチホイールとヨコハマ・ジオランダー215-15ATに変更。
(タイヤホイールのワイド化により軽自動車サイズを少しオーバーしてしまいオーバーフェンダーを装着し黄色から白ナンバーに変更、ただしその他は全て軽自動車JB23である)
タイヤはATになったが、過去のモンゴルではひどいマッドには遭遇しなかった、そしてこのタイヤでエヤー圧を0.7kg/平方センチくらいに落とすと砂のデユーンもガンガン走れる・・・? 昨年は大きなデユーンで難儀した思いもかさなった。
とにかく車高が低く、ワイドトレッドなら砂漠を超えるにはきっと有利に働くだろう・・、との計算であった。
ところが今年は地球全体が温暖化の影響かモンゴルも60年ぶりの大雨と化した。
そこでいつもはドライレークであるところが見事な湿地帯と化したのだ。
この湿地帯までは菅原vs尾上はほぼ互角で来た、だがこの湿地帯で番狂わせとなった。
215-15ATタイヤの俺はついに湿地帯に負けた、対する菅原号は185-16MTタイヤ、俺のスタックしている隣の轍は菅原号の轍跡。轍を確認するとMTタイヤはしっかりと土をグリップし後方にかき出している、反面俺のタイヤ跡を見ると殆どタイヤが土をグリップしていない、ただほとんどスリップしながらひょろひょろとのた打ち回っている感じ・・。
そんな時硬いブッシュの根っこに乗ってグリップさせようと思ったがそれも不可能な状態と至った。
約12時間を要して翌朝何とか脱出はしたものの大きくタイムの差を付けられ決定的となった。
結果論だが、昨年と同様な路面であれば215-15ATタイヤとワイド化で有利な高速で勝てたと思うのだが、その賭けに負けた。
帰国後いろいろデーターをもとに試行錯誤した・・・、結果なにが起こるか分からないモンゴル等の長距離ラリーにおいて全てのコースでエヤー圧を上手に管理すればしっかり走るジオランダー185-16MTタイヤがJB23にはベストであると実感・・!
だが次回はもしかしてドライコンデションかもしれない・・・もしその賭けに勝てたなら215-15ATも行けるかな~っと思っている俺です。
さ~次回はどう作戦を立てようか・・・?