一ノ瀬戸四ツ屋林道は黒沢林道から約10kmほどの距離。
それもほとんど一本道なので、これまた迷うことなくアプローチ。
稜線近くを走るので、良い景色が望めそう!
距離も15kmと十分だから、かなり楽しめるに違いない!!
黒沢林道を抜けると県道325号線となり、そのまま北上する。1/12万という大雑把な地図でも迷わないほど、一ノ瀬戸四ツ屋林道も簡単にアプローチできた。注意書きの立て看板を過ぎると、そこから先はダートの世界だ。
渓流沿いを走る黒沢林道では、ほとんど眺望できなかった。唯一期待した安藤峠も草木が元気すぎて×…。一ノ瀬戸四ツ屋林道は稜線近くを走るから、かなりの景色が期待できるだろう。
「なんだかいい写真が撮れる予感!」とYカメも気合いが入っている。期待しているぞ、Yカメよ!
最初こそ森の中を走っていたが高度を上げるにつれ視界が明るくなってきた。
「おおっ! 来るか? 来るのか?」、Yカメとふたりで期待が高まる。
「多分、このコーナーを抜けたら、どか〜んと来るよ!」→コーナー終盤→「ほ〜ら!?」→コーナー抜ける→「あれっ? 来ね〜(泣)」を繰り返すこと十数回。ダメだ〜。
思わず息を飲むほどの絶景を期待していたのだが、望めるのは近隣の山々のみ…。まぁ、景色を見られたのは確かだが、勝手に期待しすぎてしまったようだ。
しかし! 走る楽しみは黒沢林道よりも上。ジムニーでもボディのスクラッチが気になるほど草木が生い茂った場所、凸凹が激しい場所が数カ所あり、全体的に黒沢林道より荒廃した雰囲気が強い。ビギナーだったら、いい感じの冒険心を味わえるだろう。
また、この林道のポイントは、峠に東屋が建っていること。さらに、その先にはそれまでの路面や周囲の景色から想像できないほど立派なトンネルが建設されていることだ。なんだか江戸時代から現代にタイムスリップしたかのような気分に浸れるだろう。特徴ある林道だ。さぁ、下界に下りれば、待ちに待った「棚田式の露天風呂」だ!
芦ノ牧温泉は、約1200年前、旅の老僧「行基上人」によって開湯されたと伝わる(弘法大師という異説もある)歴史ある温泉。永らくは近隣の人のみが利用する幻の温泉であったが、明治35年に道路が開通したことにより温泉地として発展したという。
そして今回の旅のお目当てである「棚田式の露天風呂」を備えているのが「大川荘」。昭和28年に創業した歴史ある宿で、部屋からは大川(阿賀川)の渓谷美が望めるのだ。
さて棚田式の露天風呂だが、泉質、雰囲気、景色、その全てがGood! 傾斜に設けられた三段式の湯船から、その名称が付けられているのだ。昼と夜では雰囲気ががらりと変わるので、それぞれの時間帯で入浴するのがオススメ。もちろん筆者とYカメは、夕方、夜、早朝と3回入った(笑)。
1日で約30kmのダートを走り、豪華料理をたらふく食べ、温泉に2回浸かったから、布団に入るや数秒で爆睡。翌朝の目覚めはバッチリであった。天気予報だと2日目は大雨だったが、どうやら高気圧の勝ち! 眩しいばかりの青空が広がっているではないか!
筆者「このまま帰るのもったいなくね?」
Yカメ「だよね〜」
筆者「もう1本いく〜?」
Yカメ「おう! 行こう、行こう!」
少し足を伸ばせば、西部林道や甲子林道、田代山林道、小塩塩ノ岐林道などがある。しかし、今後のネタになるから長い林道はパス(笑)。そこで目をつけたのが、会津高原の北を南北に走る玉川林道だ。約8kmのダートで、いつか走る候補となっている大窪林道と繋がっているから、様子見として最適。何より「なんか面白そう!」と第六感が働いたのである。
アプローチ付近には人気の蕎麦屋があるので、そこで早めの昼食をとればOK。これ以上ないほど、完璧なスケジュールが立った! 天気を味方にした我々の運はつきまくっている。今日もイイ1日になるだろう! と思ったのもつかの間であった…。人気の蕎麦屋は定休日で、林道は走りやすいダートだったが、それだけにちょっと物足りなかったのだ。まぁ、贅沢と言えば、それまで。点数を付ければ、今回も100点だろう。