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ジムニーで行く林道旅
VOL.023
~静岡県・林道丸火線他~ 前編
~静岡県・林道丸火線他~ 前編

首都圏に降った二週続きの記録的な大雪のため、2月は林道に行けずじまい。
3月になったら行くぞ! と意気込んではみたものの、予定していた林道は全て閉鎖されたまま。
さてどうしよう?富士山の南西にある林道群が気になるが、情報が全くない。
まぁ、いつもの行き当たりばったり精神でチャレンジすること決定!

泊まる宿がない !?

街を見下ろす眺望は期待できないが、ご覧のように所々で富士山が顔を覗かす。

筆者:「どこ行こうか?」
Yカメ:「富士山の北東にある林道群はどうよ?」
筆者:「以前に行こうとした林道か! いいかも!!」

調べてみたら1本は雪で未だに通行止め、他に2本あるのだがいずれも途中で通行止めになっているようだ。やはり記録的な大雪の影響は大きく、走れる林道はほとんどない状態だ、さてどうしよう?

Yカメ:「前回の伊豆で残した林道にする?」
筆者:「それは最後の手段にとっておこう。連続でほぼ同じ場所はイマイチ乗る気がない」
Yカメ:「だよな〜。ならば富士山の南西部はどう?」
筆者:「富士山の南西に林道なんてあったっけ?」
Yカメ:「須津川渓谷近辺に数本あるんだよ。1本1本は長くはないけど、繋げばそこそこの距離になる」
筆者:「ほ〜、それにするか! 雪は大丈夫か?」
Yカメ:「富士山麓でも南西だから大丈夫じゃね?」

雪が残っていないことは分かったのだが、林道に関する情報は全く収集できない。須津川渓谷は観光スポットになっているみたいなので、通行止めはないだろう。もし走れなかったら…その時はその時だ!

行き先は決まったが、想定外の問題に見舞われた。なんと、泊まれる宿がないのだ! 第一候補だった温泉宿は満室。部屋数が少ないし、人気の温泉宿だから、まぁ仕方なし。しかし第二候補の温泉宿、さらには第三候補の大きなホテルも満室なのだ。これは焦った。第三候補だったホテルの人に尋ねたら『毎年この時期は春休みの観光と、企業による団体予約でほとんどの宿泊所が一杯になるんです』とのこと。日程をずらそうにも、筆者とYカメのスケジュールを調整すると予定通りに行くしかない。さてどうしよう?

筆者:「仕方ないからビジネスホテルでいいか?」
Yカメ:「そうだな。食事は沼津港とかに行けばイイし、温泉も日帰りでOKだろ!」
筆者:「そういえば、沼津港にイイ店があるとか言ってたよな? そこ行こう!」
Yカメ:「あそこはオススメ。他にも評判の寿司屋があるらしいし、食事を選べる方が楽しいもんな」

ビジネスホテルはなんとか予約できたので、予定通りのスケジュールで林道ツーリング決行!

Yカメさん、JA11はどうした?

ここ最近Yカメが乗り回している、APIOタクラマカン号。実は筆者も密かにJB43の購入を検討中! 誰かオレのJ57を買って〜。

東名高速や中央自動車道を使う場合は、Yカメが筆者を迎えに来ることになっている。「着いたよ!」と携帯に連絡が来たので外に出ると、そこにいたのはAPIOのJB43・タクラマカン号である。前回の伊豆ツーリングもこのJB43だった。

筆者:「また借りたんだ? まぁ、助手席に座ることを考えるとやっぱJBがイイもんな〜」
Yカメ:「あっ、これずっと借りたまま。愛車のように乗り回している(笑)」
筆者:「JA11はどうした?」
Yカメ:「オイルの減りが早かったじゃん。他にも致命傷ではないが、いろいろとくたびれている箇所が多くてさ〜。どの程度まで直すかをAPIOで相談中なんだよ」
筆者:「もしかして、JA11を直すつもりなくて、このJB43狙ってる?」
Yカメ:「実は安く譲ってくれないかな〜と少し期待してる(笑)」
筆者:「それいいな! そしたらオレがさらに安く買ってやるぞ!」
Yカメ:「いや、市場情勢価格で売るよ(笑)」

Yカメ号がATということもあるが、5MT使用のAPIO号はストレスのない走りをみせる。そして高速道路ではJB43の方が圧倒的にパワフルで余裕がある。オフロードでの乗り心地の差は言わずもがな。JA11ではないことを知って喜ぶ自分に歳を感じた(笑)。

JB43(シエラ)用のインテークチャンバー&サクションパイプセット。装着すれば誰もがパワー&トルクアップを体感できるハズ!

話は変わるが、APIOにはJB43のデモカーが3台ある。ほとんど同じ仕様なのだが、タクラマカン号ではない2台を乗った時「あれっ? タクラマカン号よりも全然パワーがある!」と強く感じた。特に勾配のきつい上りや中間速度域からの加速力に大きな差があるのだ。「両方ともマフラーはオリジナルだし…。タクラマカン号はシルクロードを4,000km走ったというから、さすがに少しヤレたのか?」。

そのことをYカメが河野さんに話したところ、他の2台には『インテークチャンバー&サクションパイプセット』が装着されていたという。それをタクラマカン号に取り付けたら、パワー&トルクともに見違えるほど向上したのだ。JB43はもちろんのこと、JB23でも大きく体感できるだろう。『インテークチャンバー&サクションパイプセット』はマジでオススメですぞ!

何だ! 楽しい林道じゃないか !!

面白そうな支線を発見! しかし道幅が狭く、凸凹が大きいので、まずは歩いて偵察することに。

筆者とYカメが愛用している地図は「ツーリングマップルR」。路面状態(舗装・未舗装路)や林道名など細かな情報が載っているので非常に重宝している。今回走る林道も当然のごとく掲載されているのだが、名称は記載されていない。

南は須津川渓谷付近から始まり、そのまま北西に延びて他の林道と交わっている。先を進むと途中で通行止めと書かれているが、全てを繋げば8kmほどは走れるだろう。

南から上がっていくのが理想的だが、もしそこでゲート閉鎖されていたら次のアプローチ地点までかなり走ることになる。そこで林道の途中からアプローチできるルートを選択。片方がダメでも、もう一方なら行けるかも? というわずかな可能性にかけたのだ。

支線の道幅は狭くてオーバーフェンダーをヒットさせそう…。とにかく慎重に走らせる。

Yカメがスマホにダウンロードした山岳用地図を頼りに集落の中を進むと目的地付近で『丸火線』の標識を発見。どう考えても林道に間違いないはず。その道を走ると、間もなく未舗装路が出現した。ゲートや柵もないので堂々と走れるぞ!

想像していた通り、路面は整備が行き届いたフラットダート。杉の高木に囲まれていて眺望は期待できないが、ガードレールなどの人工物がないので自然美が豊か。天気に恵まれ、所々に射し込む太陽光と樹木の陰のコントラストが強烈で目が疲れる。まぁこれも自然の中を走る醍醐味のひとつだろう。少し走ると左側に支線を発見。道幅が狭くて、路面も凸凹が大きい。面白そうだが、Uターンできるか不安なのでまずは歩いて偵察することに。結果『何とかなるだろう!』とアタックを決めた。

富士山の麓なので、所々にでかい岩が埋まっている。ノーマルサスだと無理そうだが、タクラマカン号はAPIOのサスペンションフルキットが組まれているので心配はない。しかしうっかりしていた。細い林道は『軽』なら余裕だが、タクラマカン号にはオーバーフェンダーが装着されている。数㎝のライン違いでボディを擦る場所が多くて気が抜けないのだ。

デフを岩にヒットさせないラインで走ると車体が大きく傾く。横転の心配はないが、オーバーフェンダーが土壁に接触しそうになる。慎重なステアリング操作で何とかクリアするも、今度はホイールを削りそうなほど岩が左右から飛び出しているではないか! Yカメに降りてもらい誘導をお願いし、ここも慎重にクリア。

ボディをヒットさせたとしても河野さんは「別にいいですよ!」と笑って許してくれるだろうが、やはり人様のクルマを傷付けるのは心が退ける。行ける所まで走りたかったが、ヒットを避けられない場所が出現したので引き返すことにした。いつかは愛車でチャレンジしてみたい。それにしても汗をかいた〜。あまり期待していなかったが、何とも楽しい林道じゃないか!

本線は全面フラットダート。針葉樹に覆われていて、いかにも日本の林道といった風情。