月日が経つのは早いもので、この連載も気が付けば24回目を迎えた。
とりあえず区切りが良いので、今回は『思い出旅行』として一番のお気に入りコースへ再訪することに決定!
三人の意見から名誉ある一位に輝いたのは『白骨温泉・泡の湯ツアー』だ。
「打ち上げだ〜」と楽しみにしていたのだが、スケジュールの都合で筆者は不参加...ううっ(涙)。
まぁ取りあえず、色んな角度から特に思い出に残ったことを振り返ってみよう!
この『ジムニーで行く林道旅』は、『未舗装路の林道』と『温泉』をテーマとした、ジムニービギナー向けのツーリングである。だからこれまでに行った中で順位をつけるとなると、当然のことながら『林道』、『温泉』、『宿の雰囲気やサービス』そして近場の『観光スポット』など総合的に検討する。
23回も行ったし、何より全てが楽しかったから大いに悩んだ。別に順位をつける必要はないが、取りあえず『一番思い出に残った旅を再び!』と決めたので、河野さん、Yカメ、筆者の3人で語り合った。その結果見事1位に輝いたのが『白骨温泉・泡の湯ツアー』だ。
河野さん:「悩んだけど、ボクは泡ノ湯が一番のお気に入りですね」
Yカメ:「オレもそうだな〜。あの露天風呂はとにかく絵になる。広くて温度も好みだし、宿の雰囲気やサービスも良いしね」
河野さん:「スタッフ皆さんの対応が、とにかく素晴らしい。若女将の雰囲気も素敵だし…」
筆者:「河野さん、何か目的が違ってない?(笑)」
宿の情緒やサービスだと下呂温泉・湯之島館や法師温泉・長壽館も負けず劣らずだが、決め手となったのは温泉。いずれの温泉も素晴らしいのだが、湯船の規模、山峡というロケーション、温泉感の強い『乳白色の湯』、そして何より『露天』であること。これが泡ノ湯が一番となった理由だ。
林道からはやや離れているが、七蔵寺林道や奈良井宿近辺にある橋戸林道を始めとする数本のダート、さらに足を伸ばせば岐阜県白川村の牛首林道なども走れる。蕎麦も美味しい店が多いし、飛騨高山などの観光スポットも手軽にアクセス可能。都内からの1泊2日でも非常に中身の濃いプランが立てられる。文句の付けようのない、林道旅にピッタリのコースと言えよう。
行き先はすんなりと『泡ノ湯』に決まったが、3人のスケジュール調整は難航した。
Yカメ:「オレと河野さんは○○日から××日の間しか合わないけど?」
筆者:「うわ〜、オレはダメだ」
Yカメ:「あ〜締め切りか?」
筆者:「いや、締め切りいつもより早いから大丈夫だけど、△△日と○○日はすでに予定が入ってる」
Yカメ:「それが無理だとゴールデンウィークに突入するな〜。今なら何とか部屋は取れるかもだが、料金が高くなるしな…」
筆者:「だよな〜。仕方ない、今回パスするわ」
Yカメ:「えっ? 行かないの?」
筆者:「どうしても外せない用事だし、二人で楽しんできてくれ!」
Yカメ:「まぁ、他の仕事じゃ仕方ないな」
筆者:「いや、仕事じゃない。毎年恒例のアウトドアパーティ! 温泉に豪華バーベキュー、大宴会ありの遊びだからさ。ツーリングに行ったつもりで楽しんでくるよ(笑)。ホントは泡ノ湯に行きたいけど、こっちが先に決まったし、1年に1回しか会えない仲間が集まるから断れない」
Yカメ:「そっか、なら遠慮なく河野さんと楽しんでくるわ!」
ということで、今回は記念すべき『思い出旅行』なのだが、執筆者が参加しないという前代未聞のツーリングとなったのだ。
今回二人が走った林道は『七蔵寺林道』。本コーナーでもVol.08とVol.12と2回走っているルートだ。林道ツーリング未体験の人だと「同じ道を走って飽きないの?」と思うハズ。ハッキリ言おうこれが「飽きない!」のだ。
季節が違えば景色が大きく異なるし、天気が違うだけでも感じ方は変わってくるもの。また走る度に「こんな所あったっけ?」と思おうことも多々。さらにスタート&ゴールを変えるだけでも感じ方は異なるし、雨や雪の多い地域では路面状況も大きく変わる。自然だから全てが同じ状況など二度とない。これが林道ツーリングの醍醐味のひとつなのだ。
また本コーナーの人気情報のひとつ『蕎麦』とYカメ必須の『甘味処』は新たな店舗にチャレンジしたが、観光スポットの『奈良井宿』と前回発見した食事処『タイガー食堂』は再訪している。日本各地に『お気に入り』を見つけ、数年おきにそこを訪れるのも旅の楽しみ方。
そう言えば河野さんは前回訪れた時に持ち帰った、タイガー食堂のオリジナル『山下清デザインのマッチ』を紛失して悲しんでいたっけ。再び手に入れて嬉しかっただろうな。
では独断と偏見&自分勝手な回顧録に移ろう。タイガー食堂が出たので、まずは温泉旅館の食事から。
宿を決める際に食事も重視しているので、全ての料理が美味しかった。これは偽りのない話で、「不味い…」、「これは食えない…」と感じた料理は一品もない。そんな中で最も思い出深いのは、Vol.03『湯谷温泉・はづ木』の『漢方薬膳会席料理』だ。
見た目は和食や中華ぽい感じで、その味をひと言で説明するなら『不思議』。「あ〜確かに漢方だ!」と感じながらも、これまで経験したことのない味。あっさりしているようで、非常に奥深く様々な風味が交わっているのだ。もう一度しっかりと味わってみないと上手く表現できない。いや、食べても良い表現が出てこないかもしれない。説明が下手で申し訳ないが、これが美味い! とにかく美味いのだ!!
そして一品一品の量は控えめなのだが点数は多い。また紹興酒との愛称がバツグンに良くて杯が進む進む。アルコール抜きにしても男性のお腹を十二分に満たすボリュームがある。彼女や奥さんを連れて行ったら喜ばれるだろう。
もうひとつは静岡県雲見温泉・『彩雲 俺の家』の海鮮料理だ。『ハズレ無し!』と言われる西伊豆の民宿で、新鮮な刺身を存分に味わえる。海の幸が好きな人にはタマらない民宿だ。通常のコースに伊勢エビの刺身(一人一匹)を追加しただけなのだが、そのボリュームは満点突破! 刺身大好き&大食らいな筆者とYカメだが、全てを食べることはできなかった。しかもお米に全く手を付けずにである。
23回の内に全てを食べきれなかったのは2、3回あったが、米を一粒も食べずに料理を残したのは初めて。申し訳ない気持ちでイッパイなので、是非ともまたチャレンジしてみたい。
連載当初は行き先で他に食事処が見当たらず、仕方なしに『蕎麦』を紹介していたのだが、「人気が高い」と河野さんに言われ定番となったのが各地の『蕎麦屋紹介』である。まぁ『河野さん自身が好きだから新たな情報を知りたいんじゃね?』と筆者は思っているが(笑)。それはさておき、これもMY BEST4を紹介しよう。なぜBEST4なのか? 3つに絞れなかったからである。
1位はVol.02で紹介した『月待の滝・もみじ苑』。日本全国の有名蕎麦店を食べ歩いて勉強したオーナーが打つ蕎麦は、筆者が一番好きな『山梨・翁』の味を彷彿とさせるもの。見た目も翁テイストで、「ここでこの蕎麦が食べられるとは!」と感激。その喜びを加味しての1位である。
他の3店舗は、Vol.07『富山県・くちいわ』とVol.17『開田高原・手打そば 高原食堂』、Vol.20『福島県・いしむしろ 猪苗代店』である。いずれも河野さんが同行した時、河野さんが選んだ店。さすが大の蕎麦好きだけに、バツグンの選球眼だ。今回行った『長野県・ほのか』も美味かったとか! 他にも下調べせに店構えだけで選んだことが数回あるが、ハズレは1回もなし。100%当てているのだからさすがである。
これとは逆に評判を聞きつけて入ったけど、正直イマイチという店もあった。また確かに美味いけど「えっ?」と驚くほどの値段だったり…。そもそも蕎麦は庶民的な食べ物なのだから、いくら美味しくても高価なのは低評価。だから味とボリューム、それに対しての価格を踏まえた上で選んだのが上記の3店舗だ。