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ジムニーで行く林道旅
VOL.026
~長野県・丸山林道他~ 後編
~長野県・丸山林道他~ 後編

2日目も朝から旅館の露天風呂に、2件の外湯で温泉を満喫!
金倉林道、さらには湯沢林道も走るぞ〜
気合い十分なふたりだったが、JA11のトラブル処理を忘れていた...

渋温泉といえば外湯巡りでしょ!

『さかえや』の露天風呂。湯は温めなのでのんびりと浸かっていられる。日没時にはご覧のように美しい夕空が望める。

さて今回宿泊する渋温泉だが、温泉好きならずとも知っている人は多いことだろう。一応簡単に説明すると…開湯は1,300年前。行基が発見したと言い伝わり、戦国時代には武田信玄の隠し湯のひとつとして使われ、かの川中島の戦いでは傷ついた兵士を療養させた場所でもある。

夜間瀬川支流の横湯川沿い、石畳の道に木造建築の旅館が並ぶ。昔ながらの情緒を残す温泉街である。温泉王国といわれる長野県の中でも豊富な湯量と泉質を誇り、
街中の全ての旅館と外湯は100%源泉掛け流しとなっている。有名なのは外湯巡りで、一番湯・初湯、二番湯・笹の湯、三番湯・綿の湯、四番湯・竹の湯、五番湯・松の湯、六番湯・目洗い湯、七番湯・七操の湯、八番湯・神明滝の湯、九番湯・大湯、合計9つの共同浴場がある。それぞれ泉質と効能が異なるという、温泉好きには堪えられない場所なのだ。

そんな渋温泉で選んだ宿は、評判の高い旅行会社の予約サイトで、5年連続して渋・湯田中温泉エリアの人気NO.1に輝いているという『ホテルさかえや』。温泉は内風呂(浴槽はふたつ)と露天風呂を完備する。チェックイン14時、チェックアウト11時で、滞在中はいつでも入浴可能なのが嬉しい。

掘りごたつの高床式畳を備えた『畳座(たたみざ)』。ベランダには坪庭が設けられているなど、和テイストで心が癒やされる。

料理は地元産の食材を活かした懐石で、ひとひねり加えた味付けが特長。我々は「美味い!」の連発で、もちろん残すことなどなかった。部屋は今年の4月に改装したばかりで、非常に落ち着ける空間となっている。また女性スタッフが多いこともあり、館内全体の雰囲気が温かくて柔らかい。5年連続人気NO.1は、思い切り納得できる。

外湯巡りだが、ホテルのスタッフに聞いたところ、訪れるお客さんの9割以上が利用しているとのこと。さらに最低2か所は入るという。1日目は夕食前後に入り、満腹状態で気が付いたら夢の中へ…。そこで2日目に外湯を巡った。

本来なら全て制覇したいところだが、そんなことしたら帰る気が失せてしまう。そこで六番湯・目洗い湯と九番湯・大湯をチョイス。ともにタイミング良く独占状態だったので、のんびりと浸かることができた。今度来たら完全制覇だ!

2時間のタイムロス&濃霧で断念

9つの外湯巡りの記念として販売されている『巡浴祈願』のタオル。宿泊した宿や、街中にある総合案内所で購入可能。

朝から温泉に浸かり、気分は上々! 金倉温泉を目指したが、走り出して思い出した「あっ! JA11を点検するの忘れてた〜」。さらに日差しが強いのでエアコンをかけたら「あれっ? 冷たくない…」。パワステとエアコンが効かないということは…ベルトが外れたのか? 温泉街の通りで修理するわけにいかないので、金倉林道に向かいながら大きな駐車場を探すことに。

エンジンルームを覗き込むや、思っていた通りベルトが外れていた。林道の振動で外れたのだろう。エアコン用コンプレッサーを動かせば装着できるので、早速作業に取りかかる。これでエアコンもパワステも大丈夫だ! と安心したのもつかの間でった。

滋賀草津道路の途中にあったスペースでコーヒータイム。素晴らしい景色を望めるが、霧に覆われる可能性大。

エアコン用コンプレッサーのステーが歪んでプーリーの位置が揃わないのだ。ほぼ一列になったので「これでイイんじゃない?」とエンジンをかけたら、わずか数秒で外れてしまった。やはり完全に揃えないとダメか、でもステーが曲がっているから難しい…。

何とか修理はできたものの、約2時間のロス。そしてこの状態で林道を走ったら、間違いなく外れるので、金倉林道はパスすることにした。「仕方ない、毛無峠か白根山の荒涼とした風景を眺めながらコーヒータイムといくか!」。温泉街や途中までは晴れていたのだが、東に進むと霧が濃くなってきた。しかも先を見ると真っ白! 「これは何も見えないな…」と諦めかけたが、すぐ先に運良く眺めの良いスペースがあったのでコーヒータイム! でもクルマを停めてお湯を沸かしていたら、ここも霧に覆われてしまった。「おいおい、せめてコーヒーを飲む間だけ晴れてくれよ!」

何とか景色を眺めながらのコーヒータイムは実現したが、思っていたとおり、毛無峠も白根山も真っ白状態。視界10メートルにも満たない濃霧の中、林道を走るよりも遅いスピードで山道を下ることにした。

我々の旅らしく(?)、スケジュール通りにはいかなかったが、全く気にしていない。何故なら、またここに来る理由ができたから。今度は金倉林道と、渋温泉の残り7つの外湯を巡るぞ!

林道ツーリングをさらに快適にするアイテム・その1

YカメのJA11に装着されている『やわら八段安心キット』¥159,000(税抜)。驚くほどしなやかに、それでいてコシのある走りを実現する。リーフ単体や他のキットも設定あり。

我々が紹介している林道は、ジムニーならばノーマル車でも走れるルートを選んでいる。しかしそれは路面状況が良い場合であって、雨で路面がツルツルまたはヌタヌタになった時、溝が掘られて凸凹が大きくなった時などは、ノーマル車だと厳しい。また単独行は極力避けたいものだが、ひとりで行きたい人もいるはず。そんな時は、万が一のスタックに備えてレスキュー&スタック脱出用アイテムを常備しておきたいもの。快適かつ安心に林道を走るなら、カスタム&チューニング、装備の充実を図りたい。とは言え、ビギナーだと何をすればいいのか分からないだろう。そこで、今回から林道ツーリングをさらに楽しむためのアイテムを紹介していく。1回目は『サスペンション』だ。

本来であれば『タイヤ』なのだが、タイヤを換えた後にサスペンションをリフトアップ仕様に交換したら、再びタイヤを換えたくなる。と言うも、サスがノーマルなら、タイヤはノーマルサイズがベスト。大きなサイズを履かせると、フルステアした時にタイヤがホイールハウスに干渉するからだ。

リフトアップサスペンションを先に交換した時のマイナスポイントは、純正タイヤだとホイールハウスの空間が大きくなり、見た目が頼りないこと。しかし、ボディがかさ上げされるから、凸凹が大きくてもヒットしにくくなる。

リアサスはほぼフルストローク状態。段差をスムーズに越えようとしているが、ノーマルではほぼ不可能。乗り比べれば、やわらちゃんの優れた悪路走破性に誰もが驚くハズ。

走りに関しても『APIOやわらちゃん』はオンロードでのゴツゴツした突き上げを低減。乗り換えれば誰もがすぐに気が付くほどマイルドな乗り心地になるのだ。車高は約50mm高くなるが、コーナリング時は粘るので、グラグラするようなことはない。このロールに関してもノーマルより快適になる。

オフロードにおいて、約50mmアップの効果は想像以上に大きい。それはノーマルから乗り換えれば強く実感できるはず。ノーマルサスだと体が前後左右に大きく揺さぶられるダートを走れば、感動すること請け合い。リーフリジッドらしからぬマイルドな乗り心地を実現しているのだ。

この林道ツーリングで使用しているYカメのJA11も当初はフルノーマルだった。しかし、とある林道で『ここを越えればイイ写真が撮れる!』というステアケース(大きな段差)を乗り越えられずに、『やわらちゃん』への交換を決意した(Vol.02参照)。林道をより快適により安全に、そしてより楽しく走りたいと思っている人、JA11なら『やわらちゃん』、JB系なら『つよし君』をチェックすべし!

雑魚川林道は丸山林道との分岐後、わずかな距離でゲート閉鎖。かなり以前から閉鎖されているが、理由は分からない。
雑魚川林道、丸山林道ともに眺望は期待できない。しかし鮮やかな緑の中を走るので、気分は爽快!
手持ちの地図には『丸山林道の一部は凸凹が大きい』と記されていたが整備されたみたい。全面フラットダートだった。
『さかえや』の玄関。間口はさほど大きくないが、館内に入ると奥行きの深さに驚かされる。温泉、食事、部屋、サービス、その全てに大満足!
長野県奥信濃の暮らしを現代風に再現したら…というコンセプトでデザインされた『モダン』。ベッドが備え付けなので、部屋に入ってすぐに寝転がれるのがイイ!
洋間を和風化した新しいコンセプトの『都季の蔵(ときのくら)』。寝具など、こだわりの家具が使われている。
食事処となっている和モダンな雰囲気の個室料亭『迂助』。落ち着いた雰囲気で食事が楽しめる。椅子席と畳席の2タイプあり。
朴葉でくるまれた野菜の蒸し物。味噌とチーズで作ったというソースが絶品!
信州牛と地場野菜のしゃぶしゃぶ。個人的には「しゃぶしゃぶ」ではなく「しゃ」程度の湯くぐりが一番美味しかった。
これを目的に来るお客がいるという、さかえや名物の『丸茄子の煎りだし』。絶妙に煎られた茄子とカツオ出汁のマッチングが、口中を幸せにしてくれる。
見事な霜振りの信州産・牛サーロインステーキ。ソースは信州味噌ソースと珍しいが、これまた超美味!
九番湯・大湯の入り口。9つ全ての浴場はオートロック式で、宿泊した宿から鍵を借りて入浴する。
子宝、リュウマチ、神経痛に効能があるという大湯。ご覧のように緑がかった温泉で、いかにも効きそう!
宿泊した『さかえや』から最も遠かった(と言っても数百メートル)六番湯・目洗い湯。おかげでいい運動になった。
湯の花が混じった透明の湯。温度は高めだが、この日はなぜか温めの設定。熱い湯が苦手なYカメも普通に入浴できた。
一度上がった後に『目を洗い忘れた!』とYカメ。気分的なこともあるだろうが、確かにさっぱりしたような…。
石畳の街中を浴衣&下駄で歩くのが渋温泉を楽しむ基本スタイル。カラン、カランと響く下駄の音だが、不思議と心地よいミュージックに聞こえてくる。
温泉街の甘味といえば普通は温泉饅頭だが、ここではお土産店・若葉屋の『ジェラート』が人気。温泉で温まった身体を冷ますに最適!
外れたファンベルトを取り付けるYカメ。取付ステーが歪んでいるため、かなり苦戦した。でも手軽に直せるアナログな作りはJA11の魅力のひとつ。
帰路は2パターンあるのだが、いずれも濃霧でほとんど前が見えない状態。晴れていれば荒涼とした風景を楽しめたのだが…。残念!