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13.12.25

【vol.19-2】日本再発見ジムニー探検隊>>北関東満喫ツーリング

後半は食う・寝るの探検隊オススメスポットをご紹介しよう。
都心とはまるで違う文化が息づき、それがおもしろさに繋がっている。

画像をクリックすると拡大&情報が見られます(スマホ、タブレット一部機種を除く)。

栃木ということを忘れる雄大なパノラマ

御亭山頂上は夕日の名所として知られる。関東平野が一望。

蕎麦屋を出たところで、すでに時間は3時を回っていた。情報を収集したところでは、今回のメインコースだった旧久慈川林道と大森林道は現在工事中で通行止めになっているという。この林道は八溝山の尾根を登るダイナミックな林道ということだったので、楽しみにしていたのだが。

落胆している僕に山岡Cが「ここからちょっと行った所に夕日の名所があるらしいけど行ってみる?」というので、すぐにのった。県道28号から159号、205号、13号とめまぐるしくルートを渡り、小一時間で御亭山(こてやさん)の山頂に辿り着いた。

TS4の運転席から降りると、そこには大興奮のパノラマが広がっていた。目の前に広がる関東平野の景観は、ここが北海道と言っても差し支えないくらいにダイナミックだ。とても栃木県とは思えない。

那須の山々に冬の夕陽が落ちていく様をしばし楽しんだが、せっかくなので今宵の宿の露天風呂でもこの夕陽を楽しまなければと考えた。隊長と山岡CをTS4に乗せてそそくさと出発することに。

南平台溫泉ホテルの露天風呂は泉質も最高だが、景観も最高だ。

今晩泊まるのは、馬頭温泉郷。ここはvol14でご紹介した馬頭広重美術館があるところだ。お世話になったのは「南平台観光ホテル」。馬頭溫泉でも老舗の溫泉ホテルで、ノスタルジックな香りがする宿だ。

部屋を案内してもらってから早々に、タオルを掴んで屋上へと走る3人。浴室でキューティハニーばりの早ワザで素っ裸になり、浴場へのドアを開ける。「おお〜!」ここも、思わず声が出る絶景だ。那珂川沿いに広がる平野を観ながらの入浴は最高に贅沢だ。

馬頭溫泉で湧き出る湯は44℃の単純アルカリ泉。あまりにpH値が高いため、わざわざ加水しているくらいなんだとか。入ると分かるが、とにかくお湯がゼラチンを入れたみたいにトロトロで、肌がすぐにしっとり、ツルツルになっていく。山岡Cが溫泉エキスパートに勧められたというだけあって、最高のお湯だ。

南平台溫泉ホテルは食事も絶品。創作和食で、美味さに思わず頬が緩む。

南平台溫泉ホテルにはこの露天風呂の他に、内風呂、日帰り入浴施設の内風呂・露天風呂と3箇所の浴場がある。宿泊すれば日帰り風呂も使用できるが、逆に宿泊しないという人は日帰り風呂で馬頭溫泉のお湯をぜひ体験してほしい。他では体験できない溫泉だ。

かつて溫泉の食事と言えば紋切り型のものが多かったが、最近はお湯だけでなく食事も顧客満足度を左右する大きなポイントだ。同ホテルの食事はお世辞に抜きに満足度が高い。洋食の要素を取り入れた創作和食は、作り手の意識の高さが窺える味だ。隊長も山岡Cもいろいろな宿に泊まる機会が多いが、「ここの食事はレベルが高い」と絶賛だった。

昭和レトロな雰囲気も何とも懐かしい南平台溫泉ホテル。いろいろ行き届いていて、非常に気持ちよく泊まれる宿だ。

那須界隈にある古今名店

足利銀行黒羽支店は黒漆喰塗りの重厚な作り。

翌日、探検隊は馬頭温泉郷から県道27号を北上した。県道27号はかつて、東山道と言われた街道であった(途中から国道294号線に合流)。東山道は律令時代に通った古い道だが、整備したのは江戸幕府だ。奈良から青森まで続く長い街道で、幕末には官軍がこの街道を通って東征に赴いた。

現在はさらに整備された綺麗な道路になっているが、黒羽や芦野などには昔の宿場の名残が今も残っている。特に黒羽の町には古い建築が多い。写真は足利銀行黒羽支店なのだが、1905年に建てられた建物だ。国の文化財に指定されているのだが、この中で普通に営業していてATMもあるのは面白い。

東山道を北上し、国道294号線をさらに上がっていくと、vol.14でご紹介した石の美術館がある芦野宿に入る。ここも交通の要衝としてかつては随分栄えていた所らしい。得てして旧宿場町というのは現代の幹線道路に外れた場所なので、今となっては寂しい雰囲気だったりする。芦野宿も多分に漏れず、昼間はほとんど人通りのない町だ。

焼き方は江戸方式だが、とても上品なタレの味が特徴だ。[栃木県那須町芦野2746]

この芦野に、絶品の鰻を出す名店がある。それが丁字屋だ。丁字屋は元々、この芦野宿で旅籠だった店で、創業300年を迎える老舗中の老舗。ただ泊まる宿ではなく、割烹旅館のようなものだったらしい。鰻を出すようになったのは戦後だと言うが、ここの鰻をわざわざ遠くから食べに来るファンも多い。

丁字屋の鰻は関東で一般的な蒸して焼くタイプで、外はかりっと中はフワフワの絶品鰻。特徴的なのはそのタレの味で、見た目は濃そうなのだが、口に含んでみると実にあっさりとした上品な味だ。舌にべたっと残らず、鰻の脂も適度。ちょっとクセになりそうな味だ。

古いアパートを改装した「1988カフェSHOZO」。今のカフェブームを牽引した。

鰻を食べたら、濃い珈琲が飲みたくなってきた。すると隊長が「僕が昔馴染みだったカフェが黒磯にあるので行きましょう」というので、ちょっと寄り道していくことに。黒磯駅近くにある「1988カフェSHOZO」は、その店名通り1988年に開店した。元々オーナーが所有していた古いアパートを改装したものだが、現在巷に多くある古民家カフェの先駆けとなった店だ。

木造アパートの入り組んだ構造をうまく利用しながら、店内はモダンなインテリアに変えてある。店のスタッフもお洒落で繊細そうな雰囲気を醸し出しており、何となくゴツい探検隊メンバーには不似合いな感じだが、こう見えても隊長も僕もこういう店が好みだったりする。

珈琲も名物のスコーンも絶品で、1人で読書などしながら時間を過ごせば最高だろう。隊長がおすすめな理由がよく分かる。この界隈には、カフェSHOZOの系列の洋服屋や家具屋などもあり、ちょっとした町を形成している。地方でも、優れたプランナーがいれば地域の雰囲気を活かした洒落た街になるといういいお手本だ。

今回の旅はここが終点。拙筆でなかなか北関東の魅力が伝えきれないのが歯がゆいが、諸兄も走っていただければ必ずその懐かしさに胸を打たれるはず。こうなったら波状攻撃で北関東の魅力を…ということで、次回は昭和にタイムスリップできる桐生の町をご紹介したい。ここも良き日本がたくさん残っている魅力ある場所だ。

2013年も多くの方にご愛読いただきありがとうございました。2014年も引き続きご愛読よろしくお願い致します。それでは皆様、どうぞ良い年をお迎え下さい。

<文/山崎友貴、写真/山岡和正>

北関東探検ギャラリー

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