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ジムニーで行く林道旅
VOL.008
~群馬県・秋鹿大影林道~ 後編
~群馬県・秋鹿大影林道~ 後編

永延3年(989年)に発見されたという説もある四万温泉。
ほとんどの宿が自前の源泉を所有するなど、とにかく湯量が豊富。
寸志で入浴可能な4軒の共同浴場&露天風呂と3つの飲泉所が備わっているから日帰りも十分に楽しめるのだ。

Yカメが本領発揮!?

固く締まっている路面でもこぶし大の石が多く、スピードを出すとJA11だとツラい…。

変化に富んだ路面に加えて、ロケーションの良さも秋鹿大影林道の魅力となっている。距離がそこそこある林道でも、木々に覆われて眺望なし、景色の変化なしだといまひとつ盛り上がりに欠けるもの。まぁドライバーは楽しいだろうが、助手席に座ったままだと感動は少ないだろう。その点、秋鹿大影林道は助手席の人も色々な景色を楽しむことができる。風景写真が好きなカメラマンだと撮りまくるハズ。御多分に漏れず、Yカメも忙しかった。
Yカメ:「あっ、ストップ!」
筆者:「はいよ〜」
Yカメ:「向きを変えて、あのコーナーまで行って」
筆者:「はいよ〜」
撮影が終わり走り出すと、またすぐに
Yカメ:「あっ、ストップ!」
筆者:「はいよ〜」
Yカメ:「ライトを点けて、あの陽が差している場所までバックして」
筆者:「はいよ〜」
そんなことの繰り返しで出口にたどり着いたら、宿へ向かうちょうど良い時間となっていた。さて、のんびりと温泉に浸かって今日の疲れと、胃腸の調子を取り戻すとするか!

8つの湯船に浸かれる!

貸し切り露天風呂「山里の湯」。宿から3分ほどの山肌に設けられている。ロケーションは最高!

四万温泉は永延3年(989年)に発見されたという説がある、歴史ある温泉だ。温泉街は5つの地区に分かれるなど、その規模は大きい。そして驚かされるのはその豊富な湯量。他の温泉街は源泉を共同で使っているのが一般的だが、ここ四万温泉ではほとんどの宿が自前の源泉を所有しているのだ。そして寸志で入浴可能な4軒の共同浴場&露天風呂と3つの飲泉所が備わっているなど、とにかく規模が大きい。

そんな四万温泉の中で我々が選んだ宿は「鍾寿館(しょうじゅかん)」。信頼おける旅情報サイトで非常に高い評価を得ている宿だ。歴史ある四万温泉に相応しい、日本伝統の木造建築という建物もポイントが高い。そして「お客様がゆったりと過ごせるように…」と団体や宴会目的の予約を請けず、落ち着いた質の高いサービスを提供するのが特徴だ。とにかくスタッフの心温まる接客は特筆ものである。夕食は創作料理で、味、ボリュームともに大・大満足。さすが人気の宿である。
さらに注目すべきは温泉施設。宿から3分の場所には「山里乃湯」という露天風呂(貸し切り)があるのだが、それだけで3つ。母屋にはこれまた貸し切りの「古式風呂」が3つ、混浴の大露天風呂(正確には半露天)「源乃湯」、そして男女別の大浴場「花乃湯」と「大乃湯」が備わっているのだ。もちろん全てに入ることが可能。我々もチャレンジしようとしたが、すぐに諦めた。温泉が適温だから1カ所でどうしても長湯してしまうのだ。

また来る口実ができた!

四万温泉のメインストリート(?)は歩いて散策したい。ちなみに、この道幅で対面通行となっている。

近年、「四万温泉」の名を世に広めた映画をご存じだろうか? 宮崎駿監督が手がけた「千と千尋の神隠し」である。「積善館本館」は現存する日本最古の湯宿であり、その前に架かっている赤い慶雲橋が「千と千尋の神隠し」に出てくる建物のイメージモデルとなっているのだ。

また江戸時代の旅人達が行き来したという、かつての(現在も?)四万温泉のメインストリートも見所のひとつ。とにかく情緒たっぷりなロケーションで、思わず昭和時代にタイムスリップしたかのような気分に浸れる。お土産屋もあるので、散歩がてら探索すると楽しいだろう。ちなみに我々は宿泊した「鍾寿館」近くにある「香茶房おきなや」で無料の足湯に浸かった。

「千と千尋の神隠し」に出てくる建物のイメージモデルとなっている、「積善館本館」の赤い慶雲橋。

この足湯に浸かりながら名物の「豆乳サンデー」を味わうのが人気というので、それに乗ってみた。ここの温泉の気持ちよさは、すでに知っている。初チャレンジとなる「豆乳サンデー」だが、これが美味い。豆乳の臭みがなくて、上品な甘さがある、いわゆるオトナの味。甘いモノ好きなYカメは撮影が終わるやすぐに注文し、子供のような無邪気な笑顔で食べていた。

温泉街をひと通り巡ったが、まだまだ時間に余裕がある。
筆者:「とりあえず万沢林道に行ってみるか?」
Yカメ:「だな。行ける所まで行って引き返そう」
ということで万沢林道に向かったが、入り口でシャットアウト!
筆者:「おいおい、走る気満々だったのに」
Yカメ:「オレもだ」
筆者:「調べてないけど、高田山林道に行ってみるか?」
Yカメ:「OK!」

四万温泉から最も近くにある高田山林道は、わらび峠までのピストン林道だ。約3.4kmのダートで、木々に覆われた中を走る。走りやすい一般的な林道で、前日の秋鹿大影林道が楽しかったこともあり、感動はイマイチ…。Yカメの心を揺さぶるようなシチュエーションもなく、あっさりと往復してしまった。う〜ん、不完全燃焼だ…。温泉街を観光してそのまま帰れば良かったかな? と反省。でもトータルで考えれば100点満点以上の旅であった。いや〜、ホントに四万温泉は良かった。万沢林道が復旧したら再び来よう!

片道約3.5kmのピストン林道となっている高田山林道。走りやすい緑豊かなロケーションだ。

<文:内田 靖 写真:山岡和正>

「たくみの里」のメインストリートにあった水車。残念ながら稼働はしていない。
野仏巡りにチャレンジしたが、広範囲にありすぎて時間オーバーだった…。
路地にはご覧のような標識が立てられている。クルマで移動するのがオススメだ。
露天風呂風の大風呂「源乃湯」。女性専用タイムを設けているが、それ以外は混浴だ。
貸し切り風呂の石風呂。大人2〜3人がゆったりと浸かれる大きさだ。
総檜造りの古式風呂。貸し切りなのでゆったりと寛げる。
「鍾寿館」には飲泉所が設けられている。ほぼ無味で普通に飲めた。
料理のメニューは季節によって異なる。これは人気のパイ包みスープ。
絶品のローストビーフ。あと3皿くらい食べられそう。
旬の食材を活かした前菜。思わずお酒がすすんでしまう。
8つの温泉を備えている「鍾寿館」。サービス、料理、温泉、全てが三つ星クラス。
「鍾寿館」の周辺は古い日本家屋が多く、バス停もご覧のようにレトロだ。
寸志で入れる露天風呂。川沿いにあり景色は最高(その代わり周辺から見られる)。
無料の足湯を備えている「香茶房 おきなや」。豆乳サンデーを食べながら浸かるのが人気。
「香茶房 おきなや」のもうひとつの名物「温泉あげまん」。なんとも不思議な食感だった。
万沢林道は入り口で閉鎖されていた…。今年の春には走れるだろう。