
8月11~18日の8日間、モンゴルで開催されたラリー・モンゴリア2013。国際ラリーらしく、日本、韓国、モンゴル、スウェーデン各国から出場者が集まり、二輪40台、四輪21台(ジムニー5台)の合計61台が出場。総走行距離3579・63㎞。二輪23台、四輪13台の36台が完走を果たした。
Profile————
カーライフジャーナリスト 緒方昌子
自動車雑誌、単行本編集者を経て、フリーランスライター&編集者、そしてカーライフジャーナリストとして活躍中。
ウランバートルから南へスタート
8月11日午前8時、ウランバートルのスンジングランドホテルに設営されたスタートゲートを、二輪、四輪の順に、1台ずつ1分間隔でスタートした。初日は、ウランバートルからバヤンゴビに向かうルートで、南へと進んでいく。
マシンがスタートの列に並ぶと、緊張感からか何かいつもとは違う身体のこわばりを感じながら、チームアピオのJB23・4台とマットサービスファクトリーのJB43・1台、5台のジムニーを撮影して回った。チームアピオそれぞれのゼッケンは、先陣を切ってスタートする菅原義正/高橋貢組が#100、尾上茂/石原孝仁組が#101、そして私たち、橋本武志/緒方昌子組が#105、単独で挑戦する堀井義春選手が#106。マットサービスファクトリーの蔦田賢士/蔦田歩惟親子組が#107。
ゼッケン順にスタートしていくので、菅原組、尾上組、先行車2台のスタート風景を撮影し、自分のマシンにあわてて戻り、シートベルトを締めヘルメットをかぶると、自分たちのスタートカウントが始まった。GPS、OK、コマ図を片手に笑顔でスタート。と、トリップメーターがONされていないことに気付き、慌ててスイッチを入れた。あちゃ~、やっぱりどこか抜けている私。選手とプレスを同時にやるには、要領が悪い。選手をやりながら取材をこなしてきた諸先輩方は、やはりスゴイ人たちなのだ。
我がドライバーの橋本さんは「大丈夫。大丈夫」と、笑顔でスタート。交通量の多いウランバートル市内から南へ向かって走る。信号もあるので、途中までは先行車の姿を追いかけることができた。次第に郊外へ向かって行くと、見えていた#104のカミオン、菅原照仁/杉浦博之組の姿も見えなくなった。
そして、舗装路からオフロードへ変わる頃、いくつものなだらかな青い丘に山羊、羊、そして蒙古馬の群れが表れた。コマ図を追いかけながら進む道の前に、幻想的な雲が浮かぶ空が広がっていた。「大地の神様に挨拶をしてくださいね」と、若林葉子さんがエールを送ってくれたことが頭をよぎり、「神様、どうぞよろしくお願いします」と、胸の中でつぶやくと、「橋本さん! 連れてきてくれてありがとう」と、インカムがつながっているのに橋本さんの方を向いて大声で叫んでいた。次の分岐まで数キロ道なりになると、しばらく2人して風景写真を撮りまくっていたのは、言うまでもない。