東京の湾岸地帯の代名詞ともなっているのが、お台場だ。30年ほど前のお台場と言えば、まだ干潟が多く残る風光明媚な場所で、夏の夜はハゼ釣りなどを楽しんだものである。そんなお台場も開発が進み、いまやビジネス街と観光地となってしまった。だがこの辺りは公園整備が進んでおり、晩夏の夕方に行くと実に気持ちがいい風が吹いている。
お台場の公園と言えばお台場海浜公園や潮風公園がメジャーだが、僕がおすすめしたいのは「青海南ふ頭公園」。東京湾岸署のちょうど裏あたりの海沿いにあるのだが、青々とした芝生が広がる気持ちのいい公園だ。目の前は東京湾で、柵沿いに釣りを楽しんでいる人を多く見かける。対岸は品川埠頭あたりだが、巨大な艦船が往き来しており、なかなか楽しい。運が良ければ、護衛艦を目の当たりにすることもある。
さてなぜこの公園がおすすめなのかというと、すぐ横に青海のコンテナ埠頭があり、船に荷物を積み降ろしする木馬のような形のクレーンを見ることができるのだ。最近知ったのだが、このクレーンのことを「ガントリークレーン」というらしい。埠頭の中に入ることはできないが、公園の南端でガントリークレーンが光に照らされる景観は、なかなかファンタスティックだ。
さて東京湾にはもうひとつ注目すべき「木馬」がある。それは東京湾の玄関「東京ゲートブリッジ」。青海南ふ埠公園から南に走り羽田方面に抜けるトンネルをくぐれば、左手に東京ゲートブリッジが見えてくる。2012年に開通した橋で、中央防波堤外側埋め立て地と江東区若洲を結んでいる。全長はなんと2618mもあり、最上部の高さは87.8mというビッグな橋だ。