国道1号はやがて湯坂道へとなり、元箱根へと向かう。パート1でご紹介した通り、この道は頼朝が箱根神社を参詣してから整備された道だ。その時代の名残が、国道1号沿いに見ることができる。
そのひとつが、元箱根磨崖仏だ。「二十五菩薩」と呼ばれる石仏群は、道のすぐ脇にある。ジムニーを駐められるスペースがあるので、そこから2分ほど歩いていこう。
トンネルをくぐると、目の前にある大きな岩にいくつもの仏が彫られていた。地蔵菩薩が24体、供養菩薩が1体、そして阿弥陀如来が1体と、実際には26の仏像が彫られている。本来、二十五菩薩とは阿弥陀如来の来迎に付きそう菩薩が25人いるということで、地蔵菩薩はそれに入っていないんだという。きっと数が近いことから、そう呼ばれるようになったのであろう。
石仏は1293年の奉納と彫られているようだが、最初の一体が造られてから、順次彫られていったと見られている。箱根神社の参詣道になぜ仏、と思われる向きもいると思うが、この時代は神仏習合が基本的な宗教の考え方。万人の平和を願って、こうした石仏が彫られたのであろう。道に反対にも少しだが、磨崖仏があった。