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ジムニーで行く林道旅
VOL.027
~山形県・朝日スーパー林道~ 後編
~山形県・朝日スーパー林道~ 後編

今回の宿は800年の歴史を誇る『飯豊温泉(いいでおんせん)』の『梅花皮荘(かいらぎそう)』。
いつもの情緒的な宿とは対極にある国民宿舎だが、大自然に囲まれたロケーションのためなのか、非常に寛ぐことができた。
林道は1日目に十分堪能したので、2日目は小国町を散策してみることに...。

JB43だから疲労が少ない

帰路は走ることだけに専念。2インチアップのサスチューンにより、攻めた走りが楽しめた。

昼食を終えたところで、帰路につくことに。新潟に抜けるか(すでに新潟に入っているわけだが)、来た道を戻るかを選択することになった。

筆者:「新潟から回ると、時間としてどれくらい差があるの?」
Oちゃん:「ん〜、1時間くらいかな?」
Yカメ:「結構違うね」
Oちゃん:「まぁ山を回るからね」
筆者:「宿の時間を考えると来た道を戻るほうがイイな」
Yカメ:「そうだね。まぁ楽しい道だから、同じルートでも構わないよ」
Oちゃん:「一般道を長く走るよりも林道の方が楽しいもんね」

ということでUターン。撮影はほとんど終わったから、帰りは走りに専念できる。来る時よりもスピードアップしたが、JB43の快適性&安定性は、いつものJA11・Yカメ号とは段違い。サスチューンの影響も大きいが、かなり攻めた走りが楽しめる。

そして何より、疲れが少ないのがイイ! 疲れに関しては、特に助手席に座るYカメが恩恵を受けている。なんせYカメ号の助手席はヘタりにヘタった純正シートだから、オンロードでも100km乗ればお尻や背中が痛くなる。今回のようにダートを50kmも走ったら、体中がボロボロになるだろう。Yカメさん、JA11を直すのも良いけど、JB23かJB43に買い換えないかな? って、オレが買い換えれば良いのか?

町に下りてきてコンビニでひと休み。ダートを50km走ったから心地よい疲労感が襲ってきた。道案内してくれたOちゃんと別れて、宿へ向かう。到着まで40分くらい掛かるかな? 早く温泉に浸かりたいぜ!

ここの食事を侮るな!

梅花皮荘の内湯。晴れていれば飯豊連峰の雄姿が眺望できる。とても身体が温まる温泉だ。

今回の宿は、名峰『飯豊山』の麓にある『飯豊温泉』の『梅花皮荘』。リーズナブルな値段で泊まれる国民宿舎だ。館内にある温泉は内風呂だけで、露天風呂は隣に建つ別館『川入荘』に備わっている。いずれも晴れていれば飯豊連峰を眺望できるのが魅力だ。

この『梅花皮荘』は『かいらぎそう』と読むのだが、なぜそんな名前が付けられたのか簡単に説明しておこう。

『梅花皮』はインド洋などに生息するエイの皮にうるしを塗って研いだモノ。古くから刀剣類の装飾に使われている。皮の表面のでっぱった部分は白く、へこんだ部分は黒くなっていて、まるで梅の花が咲いたように見えることから付けられたという。飯豊連峰にある山の『石転び沢』の雪渓が、その『梅花皮』に似ていることから『梅花皮岳』と名付けられ、その名称を使ったのである。

飯豊温泉は約800年の歴史を誇る温泉。茶褐色のナトリウム・カルシウム・塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩温泉で、温度は温めだがとにかく身体の芯から温まるのが特徴。とても気持ちの良い温泉である。

純粋に温泉を楽しむ人やハイキングに訪れた人達に人気の宿で、我々が宿泊した日は満員御礼。質の良い温泉とリーズナブルな値段もそうだが、人気の理由は料理にもある。メニューは川魚をメインとした、山奥の温泉宿の一般的なモノなのだが、味付けがとても良いのだ。正直「食事は国民宿舎だから…」と思っていたので、これは嬉しい誤算。日帰り入浴が可能なので、その際は是非とも食事を!

オススメの名店を発見!

丸武の人気メニュー『天もりそば』。小国町に昔から伝わる伝統の『金目そば』を継承する、こだわりの手打そば。

朝食後に別館・川入荘の露天風呂でひとっ風呂浴びて小国町へと繰り出す。林道は昨日存分に走ったから、2日目は小国町の観光スポット散策だ。まぁ散策といっても、気になる情報はOちゃんから仕入れているので、それのチェックである。まずはオススメスポット・その1の『手打そば処 丸武』で昼食をとることに。

この蕎麦屋は、国道113号線から少し入った住宅街の中に店舗を構えている。駅から徒歩12、13分くらいの距離だろうか? 駅近くではないのに、平日でも満員、それも県外からのお客さんが大半を占めるという人気店だ。

平成15年にオープンた家族経営の蕎麦屋で、蕎麦を打って茹でるのはご主人、天ぷらを揚げるのは息子さん、そして奥さんは接客を担当。蕎麦と天ぷら、それぞれの味、心温まる接客、その全てで好評を得ているのだ。ホームページで大々的に宣伝することなく、口コミだけで広まり、ゴールデンウィークや夏休みともなれば行列も当たり前になるほどの人気振りだという。実際に食べればその人気が理解できるはず。そしてリピーターになることだろう。

木村屋菓子店の生シュークリームと塩キャラメルロールカット。お世辞抜きに、とっても美味! 他の菓子もオススメだ!!

次なるオススメは『木村屋菓子店』。国道113号線沿いにあるのだが、外に目立つ看板がないので、気に掛けていても見過ごしてしまうかも。だから知らない人が「何か気になる!」と立ち寄る可能性はかなり低いだろう。それでもさすがに地元では知られた名店で、ひっきりなしにお客さんが訪れる。人気の理由は多種多様な自家製菓子、そしてもちろん美味しさにある。

『和』、『洋』にこだわることなく『美味しさ』を追求しており、店頭に並ぶお菓子のほとんどは毎日手作りしているモノ。第24回全国菓子大博覧会全菓博栄誉大賞を受賞した『へき地田楽』をはじめとする懐かしい故郷の味から、生ロールケーキやプリンなど、甘い物好きが大喜びする菓子を豊富にラインナップ。ちなみに甘味大好きなYカメは、『へき地田楽』に『小国めんご』、『シュークリーム』、『プリン』、『ソフトクリーム』を注文し、「美味い!」を連発しながら満面の笑みを浮かべて食べていた。なおつい最近になり通販を始めたので、興味のある人は是非とも試して頂きたい。
http://oguni-kimuraya.jp/


我々がよく通う信州の林道とはひと味違った、規模の大きさが魅力的な『朝日スーパー林道』。まだまだ走っていないルートがあるので、来年再びチャレンジするつもりだ!

林道ツーリングをさらに快適にするアイテム・その2

テスト段階で、あの尾上氏が「こんなに変わるのか!」と驚いたという『ぐぐっとくん スリム』。ドレスアップ効果も期待できる、効果的なチューニングアイテム。

ジムニーに限らず、他の四駆、パッセンジャー系のカスタムメニューでも定番となっているのが『ペダルカバー』の装着だ。アクセル、ブレーキ、クラッチ、各ペダルの操作をより確実に行うためのアイテムである。またインテリアのドレスアップパーツとしての人気も高い。リーズナブルな価格で装着できるのも人気の要因だろう。

アフターマーケットには様々なメーカーやショップからオリジナルがリリースされているし、汎用タイプも数多く出回っている。『どれも大差ないでしょ?』と思っている人はいるだろうが、それは正解ではない。ジムニー専用、それも機能性をしっかりと追求してデザインされたAPIO『ぐぐっとくん スリム』では大きな差があるのだ。

『ぐぐっとくん スリム』は穴開け不要で装着可能なお手頃チューニングアイテム。ひとつ目のポイントは、純正ゴムを取り外し、専用設計のプレートを使って取り付けること。感覚がリジッドで伝わるため、より確実な操作が可能。また操作がダイレクトに伝わるので、ブレーキは強化したかのような効きが体感できるのだ。

ふたつ目のポイントは、アクセルペダルに『バーリング加工』を施していないこと。これは、表面の穴の周囲にある凹加工のことで、滑り止めを目的としているのだが、微妙なアクセルワークを必要とする時は返って邪魔になることが少なくない。そこであえて採用していないのだ。

運転を楽しむ人には欠かせないアイテムで、操作に気を配る人なら誰もがその効果を明確に体感できるだろう。カラーは、クリア/レッド/ブルー/オレンジ/ブラック/ガンメタ/イエローの全7色。MT用:¥8,800(+税)、AT用:¥7,600(+税)

朝日スーパー林道は全体的に鬱蒼とした木々の中を走る。舗装部分が多いけど、それでも約20kmのダートが楽しめるのが何とも嬉しい。

小国町から繋がっている朝日スーパー林道の支線。関東ではほとんど目にしないブナの原生林が広がっている。
素掘りトンネルはジムニーでもすれ違いは難しい。凸凹の壁面を見ると、如何に大変な作業だったかが伝わってくる。
鈴ケ滝の遊歩道を進むと現れる『小滝』。これを見て『大滝(鈴ケ滝)』を期待したが、下からの景色は…。
梅花皮荘の夕食。小国町名物の『芋煮』をはじめ、キノコや野菜を使った小鉢がたくさん。
エビとアスパラ、マイタケの天ぷら。意外にも(失礼!)揚げ立てで、美味しかった。
牛(米沢牛?)の陶板焼き。肉はもちろんのこと、キノコがとっても美味。
なんとも珍しい、岩魚の刺身。新鮮でなければ食べられないメニューだ。コリコリとした食感が楽しめる。
部屋は浴室やトイレを備えていない質素な造り。それでも何故だか落ち着くのは、大自然の中というロケーションだから?
隣に建つ別館の川入荘の露天風呂(宿泊客は無料で入浴できる)。日帰り入浴可能なのが嬉しい。※冬期は閉鎖。
観光客に人気の梅花皮荘。右の黒い建物が内風呂で、川入荘は写真の右側に建っている(徒歩1分)。
飯豊温泉へ向かう途中で見かけた『そば畑』。これほどの規模はなかなかお目にかかれない。
区画整理された新興住宅地に建つ『手打そば処 丸武』。県外から多くのリピーターが訪れる人気店だ。山形県西置賜郡小国町あけぼの2-1-1 TEL.0238-62-2457
第24回全国菓子大博覧会全菓博栄誉大賞を受賞した、木村屋菓子店の『へき地田楽』。老若男女問わず人気の看板商品。
こだわりのタマゴから作られた、とっても濃厚なプリン。今まで食べたプリンの中で、間違いなくトップ3に入る。
木村屋菓子店を支えるスタッフ。左から山口さん、社長夫人、二代目社長・佐藤さん。少人数故に規模は小さいが、その味は間違いなく全国区レベルにある!
店舗はご覧のようにシンプルな外観で、一見さんだとお菓子屋とは分からない。まさに知る人ぞ知る名店なのだ。