JIMNY LIFE ジムニーをとことん楽しむ僕らのライフスタイルマガジン JIMNY LIFE ジムニーをとことん楽しむ僕らのライフスタイルマガジン

CATEGORY MENU

ジムニーで行く林道旅
VOL.030
~群馬県・林道潜下線他~ 後編
~群馬県・林道潜下線他~ 後編

期待していなかったスノーアタックを十分に堪能し、お腹が減ったところで町に向かった。
町に下りたら雪は止むだろう...と思っていたら、本降りモードに突入。
これは温泉からの雪景色も楽しめるじゃないか!
と、その前にお腹が減ったので、評判が高い『蕎麦』を食べることに。

個人的ランキングBEST 3に輝く

『桑風庵 なかや本店』のざる蕎麦。見た目にも瑞々しくツヤツヤしている。これで3人前(七合)の量だ。

赤城山の麓は『蕎麦』を育てるのに適した環境なようで、9月ともなると蕎麦の花がいたるところで満開となるという。そして赤城山の南裾を東西に横断する『あかぎ風ライン』は別名『蕎麦街道』とも言われるほど、多くの蕎麦屋が店を連ねている蕎麦どころだ。

確かにスマホで『蕎麦』を検索すると多くの店がヒット。選ぶのに頭を悩ますが、今回は出発前から決めていた店がある。それは『桑風庵 なかや本店』だ。実はYカメが調べてくれたのだが、自家生産栽培による地産地消(生産が間に合わない時期は北海道産)にこだわった幻の『赤城山麓そば』を提供するという。評判もかなり高いので、味は間違いないだろう。しかも『幻』とまで言うのなら、食べてみなくては!

季節物であるタラの芽の天ぷらを注文。香りが強く、ホクホクとした歯ごたえで美味しかった〜。

気になる味だが、ハッキリ言ってバカウマ! 15cmほどだろうか、食べやすい長さに切りそろえられているのが特徴。殻の粒が目立つ挽きぐるみだが、とても瑞々しきツヤツヤしている。それを甘みを抑えたカツオの香りが強い漬け汁に付けて口にいれると…。

十割ではなく、また新蕎麦でもないので、蕎麦自体の香りは期待ほどではなかったが、素晴らしいのはその食感。つなぎに布海苔をしていることもあり、見た目通りにとても瑞々しくツルツルなのだ。『弾力』と『コシ』、『歯ごたえ』がしっかりしていて、食べるという行為も楽しめる。味だけだともっと美味しい蕎麦はある。しかし、この食感と喉ごしの良さは筆者の心に大きく響いた。個人的にはBEST3にランクインする美味さであった。

期待以上のロケーション!

目の前に『神沢川の渓流』、すぐ右脇に『玉簾の滝』が流れている『瀬音露天風呂』。雪景色もプラスされて最高の景色を楽しめたのだ。

林道、蕎麦ともに期待以上で幸せイッパイ。お約束の甘味を食した後、雪が降りしきる中宿へ向かった。『赤城温泉』は県道16号線と繋がっている道の行き止まりにある。5件の宿からなる小さな温泉郷で、開湯伝承は諸説あるが、赤城温泉(以前は湯之澤温泉)の守護仏『薬師尊石像』には、応仁元年(1467)の作と記載されている。また伝わる書物には、「元禄二年(1689)前橋藩主・酒井雅楽頭が『諸人人助けのため』として湯小屋を作らせた」と記載されているという。さらに、新田義貞が入湯したとも伝えられている歴史ある温泉である。

古くから『上州の薬湯』として伝わり、奈良時代の書物にも『赤城山に霊泉あり、傷病の禽獣集まる』とその効能が紹介されている。その湯は『カルシウムとナトリウムを含んだマグネシウム炭酸水素塩温泉で、茶褐色をしている。見るからに効きそうな温泉で、炭酸水素により体の芯まで温まり、湯上がり後も長い時間ポカポカ状態が続くのだ。

夕食メニューの一部。厳選された素材に女将さん独自の味付けが絶妙なハーモニーを奏でている。

そんな『赤城温泉』の中から選んだ宿は『湯之沢館』。女将さんの人柄と露天風呂のロケーションと料理が選んだ決め手である。まず温泉だが、すぐ隣に『玉簾の滝』、目の前には『神沢川の渓流』が望める『瀬音露天風呂』と、内風呂の『赤城名月風呂』を備えている。どちらも情緒豊かで、のんびりと寛げること請け負い。湯船から出た後しばらくの間は服が着られないほど、体の芯からポカポカに温まった。

料理は四季の恵みを取りそろえ 、季節の花をあしらった見た目にも風雅な会席料理。『女将手作りの豆腐』や『長芋の蒸し物』など独自のメニューを取り入れているのが特徴で、ボリューム満点&味も満点! 人気の宿だが休日後の平日と言うこともあり、宿泊客は我々ふたりのみ。部屋も和室とベッドルームを備えるなど広々していて、とても快適に過ごせた。

昨日の林道にたどり着けず

除雪車が早朝から出動していて、県道16号線は走りやすい状態になっていた。それでもノーチェーンだから慎重に!

雪は夜半まで降り続いた後雨に変わり、明け方近くに止んだ。我々が起きた頃(7時)には綺麗な青空が広がっていた。さて今日の予定はどうしようか?
帰路のルートや撮影内容を考慮して、赤城山の火口湖『大沼』に行き、そこから昨日走った林道を逆から攻めて帰宅することにしたのだが…。

雪は予想以上に積もっている。宿の駐車場は完全にアイスバーン状態で、県道16号に続いている道は真っ白。日陰だと間違いなくアイスバーンになっているだろう。下りが続くからやや不安だが、MTがどこまで圧雪路やアイスバーンを走れるかを体験したいこともあり、取りあえずヤバイ!と感じるまではノーチェーンで行くことにした。ハイレンジの1速だとギアが低すぎるので、ローの2速で慎重に下山。一度も冷や汗を掻くことなく16号線に出たので、そのまま『大沼』を目指した。ここからは登りが続くので、やや気が楽になった。

下の白い部分は大沼。完全に氷結して、湖面上にはワカサギ釣りのテントが建てられていた。

路面は完全に圧雪路となっていたが、ノーチェーンのままでも力強く登坂し続けて『大沼』に無事到着。湖は大完全に氷結した状態で、十数人がテントを張ってワカサギ釣りに興じていた。普段は釣りをしないふたりであったが『面白ろそう! 来シーズンは釣りをメニューに加えてまた来るか !!』。

なお昨日走った林道までの道は雪により完全に塞がれていたので、来た道をそのまま引き返すこととなった。あれだけ雪が降ったのだから、閉ざされていて当たり前。よく考えれば分かることなのに…(笑)。

天候に恵まれたと言うか、天気が味方してくれたお陰で、激しいスノーアタック&気持ちの良いスノードライブが楽しめた。

林道潜下線は高度を稼ぐほどに積雪量は増えてきた。この程度であればノーチェーンで十分走れる。
雪面にはカモシカなどの足跡が無数に付けられていた。残念ながら遭遇することはなかった。
デフの高さすれすれの積雪量なので、アクセルを踏み込むとグイグイと進んでいく。雪を蹴散らせて走るのがスノーアタックの醍醐味だ!
時間が経つに連れて降雪量も増えてきた。先の路面状態に注目! 分かりにくいかもしれないが、かなりの凸凹なので慎重に走ることに。
立派な門をくぐった先に建っている『桑風庵 なかや本店』。情緒溢れる、昔ながらの日本家屋だ。群馬県前橋市富士見町 1195
麺が食べやすい長さに切られているのが特徴。味、風味、歯ごたえ、コシ、喉ごしの良さのトータルポイントは非常に高い。
蕎麦を食べて駐車場に戻ると、タイヤの髭についた水滴が凍っていた。雪が降っているのだから、当然のごとく気温はマイナスである。
ベッドルームと和室を備えた『湯之沢館』のスタンダードな部屋。窓の外には雄大な自然が広がっている。
内風呂の『赤城名月風呂』。その名の通り、晴れた夜には綺麗な月が眺められる。
何とも懐かしい指針タイプの体重計。メカニカルな造りに魅せられたYカメが思わずパシャリ!
夕食メニューのうどんと天ぷらと茶碗蒸し代わりの蒸し物。山芋を擦って蒸したモノで、味、食感共に気に入った!
朝食もメニューが豊富で、量も十分! この料理が多くのリピーターから支持されている要素のひとつ。
湯之沢館は駐車場から細い道&階段を下りた場所にある。詳しくはHPにて。http://www.hananoyado.com/
平日はほとんどひとりで切り盛りしている女将さん。穏やかな人柄で、多くのリピーターを抱えている。
看板が目に入り、気になってチャレンジしてみた『山菜まんじゅう』。信州の『おやき』かと思っていたら、生地は肉まんに近い。あっさりしていて、おやつに最適!
『山菜まんじゅう』を販売している『山菜まんじゅう本舗 武本』。群馬県前橋市富士見町赤城山 1743-11