自慢ではないが、この仕事を四半世紀やってきて、ロケで雨に大雨に降られたのはたったの2回しかない。私生活ではクジが一度も当たらないほど運に見放されている僕だが、仕事の天気運だけはすこぶるいい。
そんな僕でも、お上が梅雨入り宣言をしたとあっては太刀打ちができぬ。出発日は曇天だったが、どう見ても、今回の目的地付近の天気はまずい状況にあることは予想できた。
今回の目的地は、群馬県と長野県の県境にある「毛無峠」。有名な万座温泉から、クルマで30分くらいの場所にある。都内からだと関越自動車道で渋川伊香保ICまで行き、そこから国道145号を西に進み、万座鹿沢口から万座ハイウェイを北上するというルートだ。
今回の旅のお伴はTS7の横濱帆布バージョン。アピオがコラボレーションしたバッグをリリースしているのだが、そのイメージを再現したカラーリングが施されている。車両としては最新仕様ではないが、まったく新しい価値観が与えられたジムニーコンプリートカーに仕上がっている。
TS7に与えられているサスペンションは、アピオ創立者である尾上茂氏が海外ラリーレイドに出場するために開発された。クロスカントリードライブのようにゆっくり脚を動かすのではなく、中高速で細かい路面からの入力をいなすためのダンパーとスプリングなのである。そのため、オンロードを長距離移動して、ちょっとダートを走るというようなシチュエーションが多い「グレードドライブ」には、まさにうってつけの脚と言えるだろう。
今回は高速とワインディングの多いルートだったが、これもストレスを感じさせることなく、快適に僕らを目的地まで運んでくれた。