ここで川越の道路事情について、ちょっと触れてみたい。一番街周辺の主要道路からひとつ裏に入ると、昔の道がそのまま使われていることが多い。こうした道は大抵城があった頃の名残であるから、とにかく狭く至る場所で鈎の字に曲がっている。まさにジムニーにうってつけの道路だ。
勘のいい諸兄はもうお気づきだと思うが、これは城に敵が攻めにくいようにわざとしているのだ。特に鉄砲が登場した安土桃山以降の城下町はこうした鈎形の道にすることが多く、現代の自動車社会にはまるきりマッチしていない。T字路はあるわ、橋で渋滞するわ、さらには鉄道で道が分断されるわで走るのが大変だ。
でも、だからこそジムニーでのんびりと裏道に入って探検するのが楽しい。川越には裏道に隠れスポットが多く存在しているが、東京電力川越支社(埼玉県川越市三久保町17-4)もそんな場所のひとつ。「単なる電力会社の営業所じゃないか」と思いきや、ここは『埼玉県電灯発祥の地』なのである。
明治34年にこの地に埼玉県初の火力発電所が建設され、100kW発電機2台で川越市内に電力供給を開始したからなのである。その電力を使い、明治39年には川越〜大宮間を結ぶ電気鉄道が開通した。西武鉄道の電化がスタートしたのは大正11年からだから、かなり早い時期から川越には電車が走っていたことになる。今では歴史を感じさせる町だが、明治では最先端をいっていたハイテクシティだったのはおもしろい。
川越発祥と言えば、映画「ウォーターボーイズ」で市民権を得た男子シンクロも川越が発祥。男子シンクロは県立川越高校の男子水泳部が1988年から学園祭で公演をはじめた。その模様がTVニュースで放送されたことがきっかけで、あの映画が生まれたのだという。ちなみに川越高校は県下でも随一のエリート高だ。