1950年代に人口過密となった首都東京。そのため政府は首都機能の一部を地方に移転させる計画を練った。その中には大学や研究機関を移転させるというものもあった。いくつかの候補地の中で、条件が合致したのが筑波であった。筑波は霞ヶ浦からの水供給が容易で、平坦な地盤、土地買収が容易などというファクターが重なり、移転場所に決まったのである。
1967年に6省庁36機関の移転が閣議で了承され、1980年に機関の移転が終了した。1985年には筑波の認知度アップと民間企業の誘致を目的とした「科学万博(つくば博)」が開かれ、多くの来場者を集めた。
2012年の統計によると、筑波研究学園都市には約300の研究機関・企業と20185人の研究者が集まっている。まさに筑波は日本の頭脳なのである。集まっている企業を見てみると、風呂好きの僕には「バスクリン研究所」が目に止まった。ここでは毎日何回風呂を沸かしているのだろうか。
僕が今回の探検で最も楽しみにしていたのが、宇宙ファンの聖地である宇宙航空研究開発機構、通称JAXAの本拠地「筑波宇宙センター」があるのもここだ。かつては見学に面倒な予約が必要だったのだが、一般見学用の施設ができてからは予約なしでも見学ができるようになった(月曜日など一部定休)。
奇しくも10月7日に最新の気象衛星「ひまわり8号」が打ち上げられたこともあり、どうしてもこの施設が観たくて、急遽筑波に向けてジムニーを走らせた。やはりひまわり打ち上げというトピックもあってか、筑波宇宙センターは見学客で盛況だった。