1990年代以降、どんどん日本の気候が亜熱帯性になったことにより、ここ熊谷市もある点で有名になってしまった。それは「日本で一番暑い街」というキャッチフレーズだ。夏になると必ずと言っていいほど、天気予報でここ熊谷市からの中継がある。
夏暑いから冬暖かいかというと逆で、赤城おろしのおかげで非常に寒い。しかし、熊谷がチョー暑いのは実は東京のせいだという説がある。太平洋から吹いた風が運ぶ東京のヒートアイランドの熱気と、フェーン現象で温められた秩父山地からの熱気が、ちょうど熊谷市上空でミックスするために、このような高温になってしまうというのだ。本当だとしたら、都民の僕としては熊谷市に何とも申し訳ない気がする。
さて、熊谷市が栄え始めたのは平安時代で、親王任国制度で平良文がこの地にやってきたことに端を発する。この平良文が来たことで坂東平氏が生まれるのである。平安末期になると、熊谷(くまがい)氏や久下氏などの武士団が興ったが、熊谷氏で有名になったのが源平合戦の「平敦盛」で有名になった熊谷直実(くまがいなおざね)だ。