南魚沼市は新潟県中越にある盆地の町だ。旧南魚沼群六日町と大和町が合併してできた。関越自動車道に沿って町は広がっており、その面積のほとんどが水田のように見受けられる。
ご存じの通り、南魚沼は「コシヒカリ」の一大産地である。同じコシヒカリでも、南魚沼産というだけで値段が跳ね上がる。この土地が米の生産に適しているのには、いくつかの理由がある。まずこの辺はミネラルが含まれた伏流水が豊富だということだ。八海山や巻機山、越後駒ヶ岳といった名峰が背後にひかえた場所ゆえに、雪解け水が多く流れる。
実際、町内の至るところで透明度の高い伏流水が流れており、この水がコシヒカリの命の水となるのである。さらに町を背骨のように流れる魚野川も、上質な米を作るファクターとなっている。川のお陰で土地は適度に肥沃となり、タンパク質の少ない美味い米が生まれるのだという。さらに昼夜の気温差が高いことも見逃せない。稲は熱帯性の植物であるがゆえ、昼夜の寒暖差によってより育って、米に甘みを蓄える。
南魚沼が盆地であることも、豊富な収穫高につながっている。周囲を山々に囲まれているため、台風など風の影響を受けづらく、稲が倒れないのだ。