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ON THE STREET BURGER
VOL.037
ジャッカル、復活の日~California Diner JACKAL [静岡・東静岡]
ジャッカル、復活の日~California Diner JACKAL [静岡・東静岡]

ハンバーガー号、静岡へ!
静岡を代表するアメリカンダイナーがこのほど復活。
人は皆、彼のことを「ジャッカル」と呼ぶ......

清水港と富士山をバックに、日本平にて

緊急出動、APIOジムニーコンプリートカーTS7「ハンバーガー号」!


前回、東京足立区北千住にて、行く手を電柱に阻まれ進めなくなっていた時、

 「ハンバーガー号、静岡へ急行せよ! あのジャッカルがついに息を吹き返した!!」

と本部・河野(こうの)司令より急報があった。私とオンザロードGAO隊長、まるで幽霊でも見たような顔をお互い向け合ってひと言、

 「あのジャッカルが……」

日本平へ

今度の遠征はハンバーガー号と河野司令の乗る指揮車・ルミノックス号の2台

空飛ぶバーガーの次はジャッカルの復活……戦士に休息はない。


約束の東名足柄SAへ行くと、河野司令が乗るジムニーシエラコンプリートカー「ルミノックス号」が既に待っていた。今回の静岡遠征はこの2台による編隊、指揮車はルミノックス号である。

 「ついにあのジャッカルが復活したぞ。今年1月から活動を再開した。いま静岡市内は只ならぬ空気に包まれているらしい」と司令。
 「虎視眈々、この機を窺っていたんですね」と私。
 「しぶといヤツめ……」とGAO隊長。

これは見過ごしにはできない。ここで我々が行かねば静岡市民70万の命が、いや、日本のハンバーガーの行く末がどうなってしまうかわからない……。


「まず高地を押さえよ」との司令の一声。東名高速を清水ICで降りて、清水港=海抜0メートルから清水日本平パークウェイを海抜298メートル、日本平(にほんだいら)まで一気に上る。ドラマ版『華麗なる一族』のロケ地になった日本平ホテル近くに視界良好なる地を発見、清水港越しに富士山を望んだ……まさに絶景だ。

 「あの、司令……ジャッカルが再始動したのは清水の側でなく、反対の静岡市の方面であります……」
 「ナニ? それを先に言え。降りるぞ」

疾きこと風の如し。今度は日本平パークウェイ、右に左にくねる急な山道を一気に降って、静岡側の平地、草薙(くさなぎ)の辺りへ。降り切って程なく目標の「California Diner JACKAL(カリフォルニアダイナー ジャッカル)」を発見した。

コードネームはジャッカル

 「お~! 生きていたか、ジャッカル!」
 「よくぞご無事で!」
 「ついに復活したな……しぶといヤツめ!」

と各人各様の言葉で再会と"再開"を祝した我ら3人、ともう1人。


彼の名は「ジャッカル」。実はかつてハンバーガー隊・静岡エリアの連絡員として活躍していた男である。


09年3月、最初のオープン。13年8月、善戦むなしく閉店。そしてそれから2年4ヶ月。臥薪嘗胆、捲土重来、ついに奇跡の再オープンを果たしたのが今年1月10日のことだった。そう、いま静岡市は待ちに待ったジャッカルの再開に歓喜している。


最初の店は静岡駅前の商業地の一角、角地のビル2階。はじめ3階が空いていて迷っていたところ、程なく2階も空いて即決。しかし4年半の最初の営業を振り返って「2階のハンバーガー屋は無い」というのがジャッカル氏の総括である。

幅の広い幹線道と緑道を前にした遮るもののない好立地で、窓から見下ろす往来の眺めもなかなか。建物も欧風なシャレた造りで悪くなかったが、「青葉おでん街」「青葉横町」などご存知「静岡(しぞーか)おでん」の聖地の真横で一個千円のバーガーは無謀の極み。「おでんだ」「おでんだ」の赤提灯に取り囲まれて孤軍奮闘、四面楚歌。ついに撤退を余儀なくされた。


閉店後は電ビル1階の超オシャレな「BLUE BOOKS cafe」、かつて勤めた古巣メキシカン「エル・ポジート」などで腕を揮いつつ、運送の仕事も掛け持って、運転しながら空き物件が探せる冥利に与っていたところ、ついに今のこの場所と巡り合った。

自慢のチリ

『乱暴者(あばれもの)』('53・米)のマーロン・ブランド。バイクはトライアンフ 6T サンダーバード

以前は人気のバイカーズカフェだった場所である。ちょうど静岡市街から日本平への上り口に当たり、ツーリング途中の休憩点、腹ごしらえをするのに適した立地だ。「わざわざ街中まで車で来て、駐車料金を払ってまでハンバーガーを食べてもらうのが恐縮でならない」と言っていたかつての場所を思えば、ここはまさに願ったり。店舗の周りに計5台の駐車スペースがある。


天井まで届く大きなガラス窓が張られた明るい店内にテーブル11、カウンター6の計17席。「2人で回すなら24席がベスト」というベテラン・ジャッカル氏には余裕の席数だろう。居抜きのため、最初の店と比べ開業資金は半分で済んだ。厨房機器はイチから入れたが、パティを焼く鉄板は2年前に売り払った店にまだそのまま残っていて、買い戻した。


前菜豊富に12品、ステーキほかグリル3品、ライス2品、ケサディーヤ4品。そしてホットドッグ4品。メキシカンで腕を磨いたジャッカル氏、「最初はチリドッグを食べて欲しい」と言うほどにチリに自信がある。「チリコンカン」550円。トマト缶不使用、フレッシュトマトから煮込んでこの濃厚な味わい。秘密はチポトレ

ハンバーガーは12品。ジャッカル氏にとっての"初心"の品、「ベーコンチーズバーガー」を。フレンチフライ付いて1,080円は良心価格。


オージーと国産を合わせた110gパティ。脂の少ない硬めな食べ口にガーリックパウダーを利かせた「ちょいワル」風味。再開に当たり、その「ちょいワル」を受けとめ・引き立てる「100パーセント納得いく」バンズを手に入れた。張りの強いゴワッと硬めな天然酵母バンズで、以前のものと比べ余計な甘味が無くなった分、パティに加えたガーリックが程よく前に出て、食材すべての相性・絡みが格段に良くなった。


そこへ片面強めに焼いたベーコン。ねっとりチェダー。バンズの食べ口がそのままバーガー全体の印象に結びつく「カシッ」と硬質にまとまったベーチー。


§§

二十歳の頃からのハーレー乗りのジャッカル氏。愛車は97年式ソフテイル。も、ここ最近ずっと冬眠中、バイク屋に預けっ放しだそう。店も再開したばかりだし無理もない。

 「じゃあしばらくは『バーガーパトロール』はできないな」と河野司令。
 「そうっすね、まして『空飛ぶバーガー』なんて飛んで来ちゃった日にゃ、とても太刀打ち……」と口惜しそうにジャッカル氏。
 「あぁでもそうだ……アノ男なら、引き受けてくれるかも……」

とジャッカル氏自ら推挙した「アノ男」と会うべく、次回も河野司令直々に指揮を執るAPIOジムニーライフ「ON THE STREET BURGER」――おたのしみに! (つづく)

< 文と写真:松原好秀 写真:GAO NISHIKAWA >

California Diner JACKAL [静岡・東静岡]

― shop data ―
所在地: 静岡県静岡市駿河区聖一色421-3
アクセス: 東名高速・清水ICより16分
駐車場: 5台
TEL: 054-297-5018
URL: http://cal-jackal.seesaa.net/
オープン: 2016年1月10日(最初の店オープン: 2009年3月23日)
営業時間: 11:30~15:00, 17:30~23:00
定休日: 月曜日(要確認)

河野司令が駆る指揮車・ジムニーシエラコンプリートカー「ルミノックス号」
清水日本平パークウェイ(無料道路)を上って日本平へ
そして日本平パークウェイ(無料道路)を降って目的の店・ジャッカルへ
駐車スペースは全部で5台。店の前にも駐車可。愛車を見ながら食事ができる「マイカービュー」な店である
以前は人気のバイカーズカフェ、その前はなんとフィアットの販売店だった
葵区常磐町にあった最初のジャッカル。市松模様のフロアに赤いVバックチェア、こってり濃厚な店内だった
ジャッカル自慢の「チリコンカン」。トマトペーストとフレッシュトマトから煮込んでこのクセのある濃厚な味わい!
かつてあったメニュー「チポトレマスタードベーコンバーガー」。チポトレはジャッカル氏が特に好んで使う食材のひとつ
店主ジャッカル氏。復活劇の主役はこの人!
大のラットフィンク好きであるジャッカル氏。店内思わぬ所に飾られている
日本平にてハンバーガー号