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ナローシエラで林道探訪
VOL.027
ナローシエラで林道探訪 Vol.27

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ナローシエラで林道探訪 Vol.27


雑誌『ジムニー・スーパースージー』に連載中の『林道パラダイス』との連動企画。
今回の舞台は静岡県北部にある井川湖周辺。
2025年の春先にオクシズの中でも奥大井と呼ばれるエリアをナローシエラで巡ってきた。
旅の一部を動画にしたので併せてご覧いただければと思う。

Photo & Text : 赤ぞう
1968年神奈川県生まれ。成城大学卒。日本ジムニークラブ神奈川支部所属。ブログがきっかけとなり2011年からジムニー・スーパースージーに林道ツーリング記の掲載が始まる。著書は「ジムニー林道アドベンチャー」(SSC出版)。千葉県房総半島の林道沿いの家に暮らしながら、日本中の林道を旅することを楽しみとしている。愛車はナローシエラ。
<YouTube赤ぞうチャンネル>

畑薙エリア

白樺荘の目の前から始まる林道明神谷線には数日前に積もった雪が残っていた。

旅のスタートは畑薙第2貯水池のほとりに建つ赤石温泉白樺荘。前の日から泊まり込んで旅の拠点とした宿である。朝8時で気温は8℃。

1本目は白樺荘の目の前から始まる林道明神谷線だ。舗装路を登り始めると数日前に積もった雪が道の両脇に残っていた。雪はないだろうとジオランダーM/Tを履いて来てしまったが、お守りとして積んでおいたタイヤチェーンの存在は心強い。ほどなくして舗装は途切れ砂利道となる。標高が上がってくると5cmほどのシャーベッド状の積雪。スリップすることなく登って行く。いくつもの落石を脇へどかしながら進んだその先で法面崩落。路面は土砂で埋め尽くされていた。崩れた向こうに道は見えるが進むことはできない。続いては畑薙第1ダムから始まる林道信濃俣線。畑薙湖に沿って西へ伸びる林道だ。畑薙雨量観測所を過ぎると斜面から崩れ落ち堆積した土砂に雪が積もっていた。湖側に滑り落ちたら万事休す。やめておくのが無難だろう。県道60号に戻って北上すると沼平にゲートがあった。ここが林道東俣線の起点で大井川の源流部に通じているのだが通行が許されるのは関係車両のみ。残念だが仕方あるまい。県道60号を南下しながら林道を探索することにする。アマゴの里の看板が立つ道に入ると大井川の河原に出ることができた。休憩がてら地図を眺めてこの先の林道を確認すると沢沿いに奥へ登って行けそうだ。アマゴの里を過ぎても舗装路は続き左手に沢を見ながら登って行く。ところが東河内温泉の先には閉ざされた鉄ゲートがあった。引き返すしかない。

井川湖エリア(1日目)

林道大島沢線で出会ったカモシカ。こちらに興味を抱いてくれたのか5分近くも見つめ合うことができた。
井川湖エリアで最初に走ったのは林道田代線。林道脇に建つ諏訪神社で旅の安全を祈願する。そこからは砂利道となり落石を避けながら進むとカモシカが出現したが、そのすぐ先で道は終わっていた。次の林道大島沢線でもカモシカに遭遇。こちらに興味を抱いたのか逃げることなくジッと見つめ返してくれた。その後は登るにつれて落石が増えてきて脇へ寄せながら前進する。でもその先に人力では動かない落石が鎮座。それをどかしたところで太い倒木もあったので断念することにした。昼飯に立ち寄ったのはアルプスの里。井川ダムをイメージしたダムカレーをいただく。柔らかく煮込まれた牛肉が入った手作りカレーでお薦めだ。昼食後は近くの林道関之沢線に向かう。残土受入場を過ぎると砂利道になり、手入れの行き届いた杉林を抜けると岩肌むき出しの荒々しい光景が続いた。尾根を越えると林道は二手に分岐。 まずは登り方向の道へ。左手に南アルプスの稜線を眺めながら進んだものの、その先では右斜面が路肩もろとも崩落。地図上ではまだ道が続いているはずだが引き返すしかない。分岐まで戻って下り方向の道へ進む。残雪で滑らないように慎重に下って行ったが井川雨量観測所の先で車道は終わっていた。この日のラストは井川湖の東側。井川湖に架かる井川大橋を渡る。全長258mの吊り橋で総重量2トン以下の車両に限定。しかも1台ずつ渡るようにと注意書きがあるほど荷重の制限は厳しい。渡った先を右に曲がると湖畔に出られる場所があったので一休み。その後は林道穴沢線、林道小河内川線、林道大久保沢線と一気に走り継いで、林道井川雨畑線の入口に辿り着いた。地図では山梨県まで通じているのだが全面通行止。この日の林道探索はおしまいにして赤石温泉白樺荘に戻ることにした。

井川湖エリア(2日目)

林道梅沢線を行くナローシエラ。くねくねと井川湖畔へ向かって下って行く。
白樺荘の少しぬるっとした温泉で疲れを癒した翌朝は、前日に走り尽くせていない井川湖の東側へ向かった。 井川大橋を渡り林道穴沢線を登って林道小河内線に突き当たると南へ進む。分岐する林道アツラ沢線は通行止。さらに南下して林道梅沢線に入ると馬酔木(あせび)がちょうど花盛り。地図では井川湖のほとりまで行けそうに見えたが、実際は湖畔に出ることなく行き止まりとなった。行き止まり手前から井川自然の家へ抜ける道を通るつもりが、その入口に「私道につき通る際は電話するように」との看板があったので来た道を戻ることにする。林道小河内線で井川自然の家まで走り抜けて、次に向かったのは林道勘行峰線。冬季閉鎖で北へ抜けられないのは承知の上で、狙いは東へ抜けられるはずの2本の林道だ。どちらかは通れるだろうと期待していたが林道竹ノ沢線も林道水ノ口線も通行止。それでも林道勘行峰線から望む南アルプスと井川湖の眺めが抜群だったので行ってみて正解だった。

EXTRA

林道権七峠線を東へ進むと大型車両が行き来しているような埃っぽい道だった。
ここで目指したのは三ツ峰。まずは林道梅地スネ沢線からアタックする。進むにつれて積雪は増えていき10cmぐらいになったところで部外者の進入を禁止する旨の看板が立っていた。ゲートがあるわけでもないが引き返すしかない。三ツ峰の南側から登るべく県道60号で回り込んでみたものの、こちらの林道はゲートが閉じていてダメ。三ツ峰は諦めて向かったのは林道鍋伏峠線。脇道を下って行き伐採跡地に出ると穏やかな山々の風景が広がった。続いて入った林道奥トウベットウ線は脇道が多くGPSを頼りに大岳を目指した。ところが路肩が崩れていて危険な予感。崖側をスコップで掘削して道幅を広げようとしたものの石が多くて思うようには掘れない。それでも少しは拡幅できたので通ろうとしたが車体は傾き嫌な怖さを感じた。谷底に滑り落ちればおしまい。やめておこう。少し戻って下り方向の道に入ると落石だらけの道。どこかへ抜けられるかもと石をどかしながら進んだが行き止まりだった。続いては林道権七峠線に入る。大型車両が行き来しているような埃っぽい道を進んだ先には丸太が積んであり重機が動いていた。通行止の看板は見当たらなかったが伐採作業中。邪魔しないようにと引き返すことにする。林道権七峠線を県道27号へ下る方向へ進むと杉の植林地帯に入った。整然と立ち並ぶ木立も美しいものだ。そこを過ぎると道は極端に荒れ始めた。あちこちが崩れていて大きな災害があったようだ。土砂を踏み越え落石を避けながらゆっくり進んで行ったが、ついに通行止の立看板があった。看板のすぐ先で路盤は崩落。薄っぺらのコンクリート舗装だけが残っているだけだ。歩いて通ることすら危険だろう。引き返して林道オオグナ線で笠張峠まで登ると東方向に富士山を遠望。富士山頂の雪が午後の日差しで光り輝き、旅の締めくくりにふさわしい眺めだった。 今回旅したエリアには落石が多かったが、たいていは踏み越えたり人力でどかすことができた。比較的管理がいい林道と言ってもいいだろう。牽引ワイヤーや電動ウインチの出番がなくて自分には少し物足りなさもあったが、南アルプスを始めとする山塊の眺めは思っていた以上に素晴らしかった。今度はまた違う季節にも訪ねてみたいと思う。
畑薙第1ダムの天端からの眺め。遠くにそびえる山脈は南アルプスだ。
林道関之沢線の分岐を右へ登って行った先の土砂崩れ現場。南アルプスの眺めが美しい。
林道勘行峰線から臨む南アルプスの眺めは素晴らしかった。絶景と言ってもいいかもしれない。
林道奥トウベットウ線の脇道。どこかへ抜けられるかもと落石をどかしながら進んだが行き止まりだった。