結局林道を走っている最中、小雨こそ降ったが撮影には影響なし。
相変わらずの晴れ男ぶりを発揮したふたりであった。
2日目の天気予報は晴れで、朝から眩しいばかりの青空が広がっていた。
この日の林道は眺望が期待できそうだから、何とも嬉しい限りである。
そして素晴らしい展望ポイントがあり、美味しい珈琲で乾杯したのであった。
この林道旅は『昼食=蕎麦』がお決まりとなっている。まぁ豪華な夕食を考えたら無難なメニュー。いつものようにスマホを駆使して、Yカメが美味そうな蕎麦屋を検索した。すると珍しく「ラーメンとカツ丼はどうよ?」とYカメ。
なんでも地元民からの評判高い食堂があり、その人気メニューがラーメンとカツ丼なのだとか。どちらも大好物なので断る理由などない。あれっ? そういえば、前回もラーメンとソースカツ丼だったな〜。どれほど美味いのだろう? すでに13時半を過ぎていたので、急いで向かった。
その食堂の名は『食堂 大黒』。戸倉上山田温泉街の一角にひっそりと佇む、昭和時代に建てられた古い店舗だ。入り口にある看板には『中華そば カツ丼』と書かれており、美味いオーラを放っている。14時近くなのだが外で二人待っているから、相当な人気店である。他のお客さんを見ると、ラーメン7割、カツ丼3割といった感じ。ちなみにセットもある。どうせならと、ふたりともセットを頼んだ。
結論を先に述べよう。『美味い!』そして『ボリューム満点!』。ラーメンではなく、『中華そば』と言うように、とても懐かしい味。鶏ガラベースの醤油味で、シンプルな味わいながらも深みがある。麺は中細で縮れており、ツルッとした食感。日本そばのように毎日食べても飽きない味だ。カツ丼はとにかくボリューム満点。これも特筆すべき味ではないのだが、箸が進む進む。お陰で完全にお腹イッパイ。3時間後に夕食なのだが、大丈夫か?
今回の宿は信州最古の温泉『別所温泉』にある『臨泉楼 柏屋別荘』。4階建ての木造建築という、現在の法律では不可能な建築物の宿だ。当然のごとく館内は純和風の造りで、立派な柱や梁が視覚を楽しませてくれる。また畳敷きのため、スリッパなどの履き物は不要。素足のままで歩き回れるのがアットホームな感じを高めてくれる。我が家に居る気分で、とても寛げるのだ。
別所温泉には「大湯」と「大師湯」、「石湯」と3つの共同浴場がある。多くの日帰り入浴客が訪れ、また宿に泊まった人達はそれらを湯巡りするのが定番なのだが、我々は行かなかった。というのも『臨泉楼 柏屋別荘』の貸し切り風呂(有料)が気持ち良すぎたからだ。
内風呂なのだが大正ロマン漂う造りで、貸し切りだから気兼ねなく寛げる。そして何より、泉質がイイ。薄い白濁色で、弱い硫黄臭を発しており、温度はやや温め。温泉に浸かっている感が強い上に、ゆっくり浸かっていられるのだ。
大浴場も合わせて 、到着後、夕食後 、深夜、早朝と4回入浴できて大満足。料理、サービス共に質が高く、心の底から安らぐひと時を過ごせたのであった。
二日目は朝から青空が広がり 、夏日となった。別所温泉から蝶ヶ原林道までは10kmほどの距離だ。北側と南側のどちらからアプローチするか迷ったが、帰宅ルートを考慮して北側から入ることにした。県道181号 線で保福寺峠を越 えてすぐ左側に伸びる道が入り口となっている。
手持ちの地図には『気持ちの良いフラットダート』と書かれている。快適に走れるという意味なのか? それとも気持ちの良い景色が見られるフラットダートなのか? 普通は前者だと思うが後者であることを願った…。結果、その思いは見事に通じてくれた。
地図に記載されている通り、路面はフラットダート…ではなかった。思いの外大きな石がゴロゴロと転がっており、乗用車だと徐行しないとバンパーをヒットさせる状況だ。もちろんJB23なら、徐行など必要なし。「もう少し荒れた方が楽しめるのにな〜」と自分勝手なことを思いながら、快適なダートランを続けた。
入り口からしばらくの間は林の中を走っていたのだが、徐々に視界が明るくなり、ついには稜線に出た。そして下界を見渡せる素晴らしい展望ポイントが出現したのである!
天気も良いので、コーヒータイムと洒落込むことに! ミルで豆を挽いて本格的に珈琲を淹れた。それほど高価な豆ではないが、 ロケーションが良いだけに格別に美味い ! 何とも贅沢なひと時であり、これもまた林道旅ならではの魅力なのだ !!
Yカメ:「やっぱり外で煎れる珈琲は美味いな〜」
筆者:「今度はランチでも作るか!」
Yカメ:「焚き火しながらまったりするのもイイな〜」
筆者:「あ〜、ならばキャンプでもするか!」
Yカメ:「イイね〜」
気が付けば連載を始めて3年が経とうとしているがキャンプは一度もない。雪が降る前に林道キャンプツーリングを企画しようと心に決めたふたりであった!