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ジムニー車中泊・ひとり旅
VOL.032
ジムニー車中泊ひとり旅 VOL.32
ジムニー車中泊ひとり旅 VOL.32


ジムニー車中泊ひとり旅 VOL.32 「四国紀行前編:四万十川」
Traveling alone with jimny.


灼熱の街を逃れて西へ
四万十川を遡上し、四国カルストまで


夏を快適に過ごすなら、やはり緑に囲まれた川や高原だろう。
清流で遊び、林道を経由しながら天空のカルスト台地で癒されよう




Photo & Text : 山岡和正
雑誌、WEB、カタログなど中心に、対象物を選ばず多方面で活躍するフォトグラファー。
特に車やアウトドア、旅などには定評がある。
ウェブサイト:http://kaz-yamaoka.com/
SNS:Facebook

連日続く記録的な猛暑に打ちのめされて、心身共に憔悴しきっていた。
街のうだるような暑さから逃れるためにも、そろそろジムニー旅に出ようと思っていたところに関西方面の仕事が舞い込んできた。そのまま西へ向かえば、そうそう行くことの出来ない場所で涼しく気持ちの良いキャンプができるかもしれないとジムニーに機材を積み込み出発することした。

関西での仕事を終えた後、瀬戸大橋を渡って高知自動車道を南下する。四万十市まで行き、四万十川沿いに北上して四国カルストのキャンプ場がゴール地点だ。

流麗な川のせせらぎは いつまでも変わらないだろう

天気の良い午前中、川を遡る前に給油しておこうと国道沿いのガソリンスタンドに入った。敷地の端に青いジムニーが停まっているのを横目に見ながら給油ポイントに停車すると、直ぐにスタンドのお兄さんが駆け寄ってきた。クレジットカードを探してもたもたしていると、「サンライト、行きました?」と突然聞かれた。

ジムニー・サンライトはジムニーの一大イベントで、今年は富士山の麓で行われた。給油中のJB74がイベントの協賛でもあるアピオのカスタム仕様だったので声をかけてくれたようだ。
彼は往復1600㎞かけて参加したらしい。少し話をして走り出したのだが、遠く四国の南端まで来て知人に会ったような、なんとも不思議な出会いだったが、これも旅の醍醐味の一つなのだろう。

川沿いのルートを登って行くと、助手席の向こうに清々しい川の水が滔々と流れている。以前は毎年夏になると、中流域の江川崎から河口までカヌーでキャンプしながら下ったものだが、ここ数年は色々とタイミングが合わず遠ざかっている。今年こそは何とか、カヌーツーリングを再開したいものだ。

お昼を回ったので、勝間沈下橋の脇から河原に降り、暫しブレイクタイムを取ることにした。川のほとりで軽食を食べながら景色を眺めていると、この風景が何十年も変わっていないことに改めて気付く。 この上流に口屋内、そして岩間の沈下橋と続くわけだが、個人的にはこのあたりの沈下橋が形や風景的にも気に入っている。橋の上から川を覗き込むと、清流の名に恥じることのない美しい水の流れが見て取れる。さらには、本流よりも黒尊川や目黒川などの支流の透明度はまた別格と言っていいほど美しいのだ。

岩間の沈下橋を過ぎ、右手の集落を抜けて林道に入る。

高度を上げて行くと、雲の中に入ったのか霧雨があたりを包んだ。薄いガスに覆われて誰もいない林道をひとりきりで走っていると、どこか夢の中を彷徨っているようで現実味が無くなってくる。整地されていて支線も少なく、展望も開け無いので淡々と走るしかない。このまま永遠に走り続けるのではないかと少し不安になった頃、眼下に民家が見え始めた。 安堵しながら、再び四万十川沿いの県道に戻り上流へと向かう。

しばらく走った後、明るいうちにと河原のキャンプ場に降りて、車中泊の準備に取り掛かった。明日は早めに出発して、この先の林道を抜け、四国カルストの東側にある天狗高原を目指すことにしよう。 気が付けば紫色の雲も色を失い、夕闇の迫る静かな河畔には、夏の夕暮れを知らせるヒグラシの無く声だけが聞こえていた。

水際で一息つく 冷やりとした風の中で

川との境界線までジムニーを寄せて珈琲を淹れる。足元に目をやると小さな魚が右へ左へと忙しそうに泳いでいる。数匹のゴリはこちらの様子をうかがっているようだ。川面を渡ってくる風は清涼感があり心地良かった。

ジムニー乗りなら、この珈琲

JA11を駆り、ジムニーキャンプ動画や画像を配信している「ゆきち」がプロデュースする珈琲ブランド「Y'all SHOP」の逸品。コクと香りは十分なのにノンカフェインで飲みやすい。
ジムサンにも出店していたりするので、是非とも味わっていただきたい。

Y'all SHOP(BASE) https://nailmiina.base.shop/
ジムニーとキャンプゆきち(Youtube) @jimny_camp_yuki

車中泊のおかげで難を逃れる

日中、炎天下に晒された河原の玉砂利は、陽が落ちた後もその蓄えた熱をすぐには放出しない。車中泊なのでテントよりは快適だが、それでも地表からの暑さに耐えきれず逃げるように草地に移動した。