男のジムニー車中泊ひとり旅 VOL.4
Men alone travel by jimny
涼を求めて静かな山奥の清冽な沢を探しに。
ここ数年の夏は昔に比べて気温が高い。
冷房の効いたインドアは快適だが「夏休み」ともなれば出かけずにはいられない。
熱中症の危険もある暑い場所は避けて、涼しくて静かな山の奥へ、
冷たく澄んだ清流を求めて旅に出た。
Photo & Text : 山岡和正
異常な暑さにやられグッタリの毎日だが、遊びに出かけるなら涼しげな場所へ行きたいと思う。
清らかに流れる沢、木陰、ひんやりとした風がそよぐようなロケーションでまったりと過ごしたい。思いついたのは福島県南会津にある七ヶ岳エリアである。ここは美しい自然の宝庫で魅力的な沢も多く、何といっても縦横無尽に広がる林道を満喫できるという素晴らしい場所なのだ。
東北道を北上し塩原の温泉街を抜けて県境を越えると七ヶ岳エリアに入る。
まずは七ヶ岳林道のメインルートへ。林道へ入ると直ぐに酷く荒れた沢が目に飛び込んできた。以前は美しかった七ヶ岳林道沿いの沢も数年前の集中豪雨で川床ごと持っていかれ今もなお無残な姿のままだ。護岸工事は進行しているものの、もう元の美しかった姿には戻らないであろう。
自然は素晴らしく、ありがたいものだが、残酷な部分も持ち合わせているのだと改めて気づかされる。周囲の支線林道脇にも美しい水の流れる沢がいくつかあったが、水際まで車で降りることができなかったので、沢でのお楽しみは明日へ先送りすることにしてキャンプ場へと向った。
キャンプ場は良い意味でこじんまりとしていて静かな時間が流れていた。整備が行き届いているのが直ぐに分かる気持ちの良いキャンプ場だ。ふと敷地の脇を見ると探していた「美しい沢」が流れている。これはしめたと思いキャンプ場のオーナーに相談したところ、「今日は1組だけだしジムニーなら降りられるでしょう」と車で沢まで降りることを快諾してもらった。キャンプ場内を流れる沢は思った通り美しく気持ちが良さそうだ。早速ジムニーの荷室からコンパクトチェアーを引っ張り出して沢の中へセッティングして珈琲を入れた。
少し肌寒いくらいの風が通り抜けていき、シェラカップに揺らぐ珈琲が暖かく感じる。
そしてカップ越しに見えた沢の水は、どこまでも透き通っていた。
南会津方面に来たなら必ず寄りたい素朴な温泉
西根川沿いにあり川床から湧き出る単純硫黄泉の温泉で温度は高め。岩を切り抜いたような湯舟に簡易的な屋根を付けただけのような佇まいだ。湯が熱めなので、のぼせてくると側を流れる川に入り身体を冷ます人もいる。混浴だが女性専用の脱衣所があり、駐車場向かいの平野物産店で湯浴みを借りられる。
ダナー「ダナーライト」
アウトドアブーツのスタンダード
1979に誕生した世界初のゴアテックスブーティーを採用したモデルで、今でも完全防水ブーツの代名詞となっている。写真は2000年限定のミレニアムモデルとなり、グレーのカラーでヌバック素材を纏っている。ソールはすり減ってきたら交換可能なので長く使えるのも魅力だ。
山岡 和正
雑誌、WEB、カタログなど中心に、対象物を選ばず多方面で活躍するフォトグラファー。
特に車やアウトドア、旅などには定評がある。