チャレンジした林道はことごとく行き止まりだったが、ダート走行距離は決して短くない。
ロケーションも雪あり、沢沿いの景観ありで、普通以上に楽しめた。
しかし、3度も通行止めを喰らっては心が晴れない。
2日目は宿の近くにある名無しの林道をアタックすることに。
次に目指す林道は『萩の尾線』。『町道高嶺線』と繋がっているようで、わずかな距離を残して繋がっていない、ピストン林道だ。県道490号線(?)と繋がっており、すぐにダートとなっている。入り口にゲートや『通行止め』の看板は立っておらず、雪も見あたらない。これならなんとか終点まで行けるかな?
路面は引き締まっていて走りやすく、道幅も広いから気分は良好。しかし、木の葉が枯れ落ちた完全なる冬景色がややもの悲しい。初めて走る林道なのだが、以前に訪れたことがあるような気が…? もしかしてデジャビュ??
しばらく走って気が付いた。山肌や路面の色合い、樹木の植生、傾斜の具合、所々にある長い直線などが、ここから北西にある『王城枝垂栗林道』を彷彿とさせるのだ。Yカメも気がついたようで「なんか見慣れた景色だと思ったら、確かにあの林道と似てる。同じ山系だもんな」。
『王城枝垂栗林道』は途中に『日本中心の碑』が立っているメジャーな林道で、筆者はこれまでに5回は行っている、お気に入りの林道だ。話を戻そう。
『萩の尾線』を気分良く流していたら、またしても前方に積雪が見えてきた。これも越えるのは無理っぽいし、越えたところで結局は行き止まりなので、すぐさまUターン。そのまま街に出て昼食を採ることにした。
昼食は、お決まりの(?)『蕎麦』。民家の密集地にポツンとある『七面亭』という古民家を活かした建物が目を引く蕎麦屋だ。VOL.21の『長野県・諏訪箕輪線他』で訪れた時に訪れたが、あいにくと定休日…。当日は営業日だったので、再チャレンジしたのである。
立派な大黒柱のある昔ながらの日本家屋で、その風情だけでもイイ感じ。名物は普通のタレに味噌を入れる『高遠蕎麦』で、筆者はそれ、Yカメはざる蕎麦をチョイス。他にサイドメニューとして、信州名物の『馬刺し』と『かき揚げ天ぷら』を注文した。
『高遠蕎麦』を食すのは初めてで、気になる味は…『美味いじゃん!』。味噌の香りが良いアクセントとなり、奥深い味を作りだしている。辛み大根とネギが付いており、やや甘く感じる場合はそれを入れればOK。蕎麦自体は太く、噛みしめると蕎麦の香りが口中に広がる。食感もGOODだ。そして『馬刺し』と『かき揚げ天ぷら』も美味い! なにより『かき揚げ天ぷら』の価格に驚いた。季節によって異なるのだが、フキノトウ(2個)、タマネギのスライス、カボチャ、シソの葉、リンゴ、サツマイモ、椎茸などボリュームたっぷりで200円! 非常にコストパフォーマンスが高く、居心地の良さも魅力の蕎麦屋である。「蕎麦よりもうどん派」を自認するYカメも「気に入った!」というので、近くに行った際には是非とも立ち寄って頂きたい。ただし休日はかなり混雑するとのこと。
食後は宿に向かいながら途中にある『女沢林道』をアタックすることに。
舗装路からダートに切り替わり、しばらくの間は渓流沿いを走る。木々の緑がないから寂しいが、なかなか風流なロケーションだ。路面状況も良好で、空が見えて視界が広いから清々しい。ビギナーがここを走ったら、林道走行にハマるだろう。しかし、2度あることは3度ある。今度は崖崩れでUターンを余儀なくされた...。もう今日の走りは終了だ!
今回の温泉宿は、中央道・駒ヶ根インターから約3分の距離にある、早太郎温泉郷『山野草の宿 二人静』。『早太郎温泉郷』は、古刹・光前寺の伝説の霊犬『早太郎』にちなんで命名された、こぢんまりとした温泉地である。
数件の宿があるが、その中から『二人静』を選んだのは、露天風呂のロケーションと料理、そして信頼しているサイトでの口コミの高さとリピーターの多さが決め手となった。泉質は無色透明のアルカリ性単純温泉で、温度はやや温め。
大浴場は『内風呂』と『露天風呂』を備えており、さらに『露天風呂』は20人が余裕で浸かれる『岩風呂』と、4、5人が浸かれる『木枠風呂』が設けられている。目の前には130種類を超える山野草が自生する庭園が広がっていて、心も癒やされる。のんびりと浸かるには最適な温泉だ。
1時間は浸かっただろうか? 湯から上がると、肌がしっとり滑らかになっていた。体も芯まで温まり、かなりの時間ポカポカとしていた。朝風呂もさぞかし気持ち良いことだろう。翌朝にまた浸かるつもりだ。
夕食は徹底して吟味した旬の素材を使った創作懐石料理である。趣向を凝らして鮮度と旨みを閉じ込めた品々で、その全てが「美味い!」のひと言。目でも楽しめる豊富なメニューで、確かにまた訪れて食べたくなる。男女問わず幅広い世代から高い評価を得ているのも納得だ。
スタッフの対応もテキパキとしていて気持ちが良い。そのサービスの質の高さ、温泉の素晴らしさ、料理の良さに一度訪れたらリピーターになるのは必然と言えよう。素晴らしい宿であった。
1日目の林道はそこそこの距離を走った が3度の通行止めを食らったために、やや 消化不良。「もう1本は走ろうぜ!」と二人の意見が一致したので地図で検索。すると手持ちの地図には記載されていないのだが、宿の近くに林道が走っていることが判明。名称が不明なので詳しいことは調べようがなく、とりあえずアタックすることに。
スマホの地図を頼りに進むと路肩が切れているので、入り口はすぐに分かった。標識は立っておらず、また通行止めになっていないので、遠慮なく走らせてもらう。
多分普段は使われていないのだろう、荒涼とした雰囲気が漂っている。路面はそれほど荒れていないが、勾配はキツくて、いかにも林業のためだけに造られた道といった感じ。そして、とにかく「狭い!」。
右側は山肌、左側は樹木が迫っていて、強い圧迫感に襲われる。樹木がガードレールの役目を果たしていて、崖から落ちる心配はないが、慎重に走らせないとボディを思い切り凹ませてしまう危険性が高い。それだけにオフロード好きの心を揺さぶる。
頂上まで進むと運転席からその先が全く見えない急勾配、切り返し必至のほぼ180度ヘアピンなど、まさに大自然の中での本格的オフローディング。とっても楽しいが、ビギナーの単独行は止めておいたほうが無難である。それにしても狭い道が続くな〜。
筆者:なぁ、終点は広くなっているよな? この状態だったらUターンは出来ないぜ。
Yカメ:多分少しは広くなっていると思うよ。そうじゃないと林業で困るだろうし。
筆者:だよな〜。でも、もし途中で落石や倒木で走れなかったら…。
Yカメ:そりゃ〜バックで戻るしかないだろ(笑)。
筆者:だよね~(汗)。なんかいや~な気がするんだけど…。
予感的中!3度あることは4度ある!! 終点まで、あとわずかの地点で落石、それも人力では動かせない大きさが2個だから引き返さざるを得ない。Uターンできる場所は…「あのヘアピンカーブまでバックで戻るのか? 何百メートルあるんだよ!」。
まぁ、文句を言っても仕方ない。林道走行は全て自己責任を持って望むのがルール。勾配がキツいので、エンブレを利かせるべくローレンジにシフトして、慎重にバック(下り)。無事にヘアピンカーブまで戻り、やっとのことでUターン。
精神的に疲れたが、楽しい林道だった。
今回は様々な林道を走ったけど、結果は全て通行止めで引き返すことに…。でも振り返れば良い思い出となるからイイのだ!