相棒の黒蔵(ジムニーシエラ)のアクセルを踏みながら、いつものように美しい林道の姿を思い描いていた。
当たり前のように通ることができ、路肩には細くも繊細で多様な植物を育てている小川が流れているはずだ。
あの木にはまだリスはいるだろうか。
林道を抜けた先では。いつものように村が見渡せるはずだ。
そう思っていた。
さて、もうしばらく走れば林道への入口がある。
ドキドキと高鳴り始める心臓の強さを感じながら、いざ林道に突入すると。
崩壊していた。
表面のある程度整っていたアスファルトは破壊されるどころか、その下の土も30cm-100cmほど林道全体に渡りえぐられていた。
つい二週間前まではこんな状態ではなかった。
唖然として、車を降りて歩いてみる。
無理をすれば通れるだろうが、表層の下がなくなって橋のようになっている場所もある。
落とし穴だらけの林道になっていた。
明らかに水が流れた後だ、何があったのだろう。
つい数日前に日本にを襲った災害、台風の存在を思い出す。
近隣の住民の方々にも確認した結果、やはり台風による大量の水が流れ込んだらしい。
この辺り一帯がそうだったとのこと。
他の林道は?この他の線ももしかしたら、、、
そう思うと、いてもたってもいられずに確認のため車を走らせた。