桜と林道、遠目には山桜が。
そう思い浮かべていたのだが、思いもよらぬ雪だ。
春とは思えないような気温と、雪の襲来。
真冬ほどではないが、撮影する手が少しかじかんだ。
唐突ではあるが、アクシデントといつ何時でも発生するものだ。
素晴らしい機会に恵まれて、桜と林道を撮影することが出来、家に帰りパソコンで見るのをとても楽しみにしていたのだが。。。
多分自分の操作ミスなのであろう、望遠レンズで撮影したSDカードのデータを全消去してしまった。
なぜSDカードのスロットが2つあるのに、同時保存にしていなかったのか。絶望感と焦燥感を感じ、途方にくれる。
復元ソフトも効果はなく、専門業者にも無理だと言われてしまった。
こんな初歩的なミスをするなんて、、、
もう片方の広角系単焦点で撮影したSDカードをいつもより丁寧に扱う。もう二度と、このようなことがないようにしなければ。。。
これは平成最後の撮影日の話だが、その日はとても冷えた。
予想外の雪と桜の組み合わせはなんとも風情があり美しいものだった。
それを林道で見ることができるのだからありがたい。
同じ林道であったとしても、様々な気象条件で全く違う光景を見ることができる。
早朝の光がうっすらとした靄に映し出され光芒を生み出したり、晴れ渡った空と木漏れ日が風で乱舞したり。
どんな時でも全てが美しく思えるのだ。
そんなこんなで、予想以上に積もった雪をかき分けながらすすんでゆく。
冷えた空気を楽しんでいるうちに少しずつ水混じりになり、夕方には雨になっていた。
名残惜しさを覚えつつ、車中泊の準備を整えてシュラフに潜り込む。
どこからともなく何かの鳴き声が聞こえてくるが、気にしないで眠りについた。
まぶた裏に、もうすぐ訪れる深緑の森を映しながら。
さて、令和になり新しい時代が幕を開けた。
新元号発表の瞬間を日本中が見守っていたのは数日前であるが、今となっては既にもう懐かしく感じる。
これから先一体どんなことが待ち受けているのか、恐ろしくも心が躍ってしまう。
私たち写真家はその時の流れを作品として残し続けていく。この今の時代を担当することができ、つくづく幸せだと思っている。
最近はやっと暖かくなり、林道も続々と閉鎖が解除されている。この時期の森は特に美しいのだ。
きっと藤の花も咲き誇り、桐の甘い香りが漂っていることだろう。
そして動物たちも活動的にになり、多くの感動が待っているはずだ。
さあ、写真を撮るとしよう。これからも、ジムニーに乗って。