オンロードしか走らない乗用車でも、タイヤには種類があります。例えばスポーティ志向だったり、快適性や低燃費を追求したタイヤだったり。ですが、クロカン4WDやSUV用のタイヤは、もっと使用ステージが明確になったタイヤが販売されているのです。
クロカン4WD用タイヤは大きく3つに分けられます。第一に、オンロードとオフロードの性能バランスを取り、どんな路面でも走れるようにした「オールテレーンタイヤ(AT)」。泥や砂地、雪などオフロードを得意とする「マッドテレーンタイヤ(MT)」。そして舗装路の高速性能を重視した「ハイウェイテレーンタイヤ(HT)」。
昨今では舗装路しか走らないSUV用のタイヤなども各メーカーがリリースしていますが、前述した3タイプが一般的と言えるでしょう。どのメーカーのどのタイヤを選ぶかということが気になると思いますが、実際の所は、どのメーカーのタイヤも良くできています。だから、大抵のタイヤはハズレがないのですが、よりいい性能を持つという意味では、やはり違いがあります。
ただ、まずどのタイプのタイヤを選ぶか、自分のライフスタイルと照らし合わせて決める方が先です。
ジムニーに乗っていても、舗装路しか走らない、しかも雪道も行かないという方は、間違いなく「ハイウェイテレーンタイヤ」を選びましょう。通称HTタイヤは舗装路でのグリップ性能やウェット性能に優れ、乗り心地の良さや静粛性、燃費という性能面で一番優れています。高い速度で走っても、タイヤ性能の低下が少ないのも、このタイプです。また4WDにシフトしていれば、ちょっとしたダートくらいは走れます。
舗装路での使用がメインだけれども、ちょっとしたダートや泥、雪道も走りたいという人は万能タイプの「オールテレーンタイヤ」、通称ATタイヤを選びましょう。もしタイヤ選びに迷った場合は、このATタイヤを履いておけば、まず後悔することはないと思います。最近のクロカン4WDやSUVは標準でHTタイヤを履いていることが多いので、ATタイヤに履き替えて、愛車の性能をマルチパーパスにするのもいいでしょう。ただし、万能タイヤだけに、オンロード、オフロード、雪のどの性能も平均的で特化している部分がないのも、このタイプの特徴です。
日常生活での使用も多いけれど、積極的にオフロードを走りたいという人は「マッドテレーンタイヤ」、通称MTタイヤを選びましょう。泥や岩、砂の路面で優れたトラクション性能とグリップ性能を発揮。タイヤも頑丈で、オフロードでもパンクがしにくいように作られています。圧雪路や新雪路であれば、こなしてくれるという特徴もあります。ひと昔前はオンロードが苦手…ということもありましたが、昨今では性能が上がって舗装路でも快適に乗ることができます。