現行型のジムニー、JB23型のエンジンは何度かの仕様変更こそ行っているものの、基本的な構造は20年も同じままです。同型車種が20年続いていることもさることながら、同じエンジンを四半世紀近く使い続けるというのは、自動車史上でも希有な存在です。
そんな古くさいエンジンを積んでるの? と思われるかもしれませんが、現代的な環境性能や燃費性能こそ備えていませんが、道無き道に入り、生還を前提としたクロスカントリー4WDにとっては、エンジンの信頼性はもっとも求められる部分。長年現場で使用して、問題点をほとんど改善したエンジンは、非常に信頼性の高いものになっています。
そういう点では、このK6A型という660ccのエンジンは、ジムニーと共に日本自動車界の宝とも言えます。
K6A型エンジンは、直列3気筒DOHCインタークーラー付きターボという種類です。直列3気筒というのは、上下に動く3本のピストンが一列に並んでいることを言います。ターボは、別名を過給器と言います。エンジンは燃焼する時に空気を使いますが、自然吸気(NA/ノーマルアスピレーション)だとエンジンの回転数に関わらず、一定の空気しか吸入しません。
でも、回転数に応じてエンジン内にもっと空気を入れてあげれば、燃焼効率が上がり、もっとパワーが出るはず。そう考えて造られたのが、ターボ過給器です。ターボは1本の軸で繋がった、2枚の扇風機の羽根のような構造になっています。片方の羽に排気で出たガスを流します。
するともう一方の羽と一緒に勢いよく回り出します。もう一方の羽は新鮮な外の空気をエンジン内に送ってやります。このように半強制的にエンジン内に燃焼用の空気を入れることでより多くの燃焼の促して、大きなパワーを得ようというわけです。