ア・ジ・旅
海外サイクリスト兼モデル 山下晃和のアピオジムニー旅暮らし
なぜ自転車での旅が好きになったのだろうか。そのきっかけは、バイシクルマガジンという自転車雑誌に携わるようになってから。編集長のnozさんから旅特集のときは、いろいろと仕事に呼んでもらいました。自転車のツーリングは調べれば調べるほど奥が深い。それまでは、オートバイが好きで、とりわけオフロードバイクが好きで、日本各地の林道を走り回り、日本の南遠征では、鹿児島の奄美大島から下道で東京まで走り、その後、日本一周を敢行。
休みがあれば、林道を走り繋ぎ、山を走って、キャンプで夜を明かし、放浪していました。
ところが、自転車旅を知ってから、そのスピード感にハマリ、とうとう海外まで行くようになってしまいました。
バイシクルマガジンという自転車雑誌では、ファッションページとツーリングページのハイブリットページを連載しておりました。ただのファッションページじゃつまらない。だからといってツーリングで旅を追うだけもつまらない。だったら、それを合体させればいい。そんな思いからスタートしました。環状七号線一周から、愛知から三重へ夜行列車で行く自転車旅、飛行機を使ったしまなみ海道、山寺から仙台に抜ける奥羽山脈ダートツーリングなど普通の人が選ばないようなマニアックなルートを走って来ました。
その最たる旅の目的地が、今回のような海外だったのです。日本をある程度走り回ってしまうと、世界に行きたいと思うようになっていました。東南アジアを走った後には、ツーリングでもキャンプに特化した自転車「キャンピング車」というジャンルの自転車もプロデュースするようになりました。
REVOLVEのTravelerというモデル名で、現在も乗っています。
先日のネパール、インド、バングラデシュも難なく走破し、
トラディショナルな見た目とは裏腹に最新パーツ、最新機能が満載の旅仕様自転車となっているのが特徴です。高円寺のI.D.Estoreか、吉祥寺のベロクラフトで購入できます。
自転車の何がイイのかというと、「スピード感がちょうどいい」のと、「旅をして疲れる」ところでしょうか。生活道具をいっさいがっさいを積んだら重さが30kgを越えるので、坂道などでは大変な負荷がかかります。時速8kmから9kmなんてこともザラにあります。
時には前に進まずに、億劫になるときもあります。
ただし、町へたどり着いたときの嬉しさが何十倍にもなる。そして、100km走ったあとの疲労の度合いが本当に気持ちいい。地球を旅しているんだという実感が沸く。
また、前述のとおりフラットな道でのスピード感がたまらない。
ブレーキを握ればすぐに止まれるし、不用意に街を通り過ぎることもない。挨拶をしてくれる人もいれば、遠くで手を振ってくれる子供たちもいる。
そういったコミュニケーションまで楽しくなる乗り物が自転車なんだと思います。
今回はバングラデシュという国に魅せられました。とにかく人がいい。みんな親切で、必ず話しかけてくる。「一人にしてよ。」って思うときも話しかけられますが。
治安も本当にいい。都市部は多少危ないこともあるらしいのですが、田舎は本当に安全。
道に迷って困っていると、誰が必ず助けてくれる。観光客にも優しいですし、日本人にはとりわけ優しいです。
そして、バングラデシュのご飯がとても美味しい!トルカリ(カレー)で野菜、魚、鶏肉などがあります。日本のカレーライスと違って、イスラムの国なので、豚肉は出ません。牛はたまにあります。
でも、主に魚です。イリッシュカレーといって、川魚が入っているカレー。
これに、バット(米)がもりもりにつがれます。本当に、大盛り。これでもかってくらい。
パラッとした米はスルスルと胃の中に入っていきます。右手で食べるので、最初は慣れないところもありますが、慣れてくると手で食べるほうが断然美味しい。
しかも、魚の小骨が多いのも、手で取るとあっという間に取れるのです。また、お代わりが自由。もう要らないというまでたくさんつがれます。自転車乗りにはありがたいですが、ちょっと盛り過ぎなときもあります。
他にも、ビリヤニ(炒飯)や、ルティ(薄く延ばしたパンのようなもの)などもあります。
自転車旅はさすがに・・・。と思う人も、バングラデシュ旅はオススメです。