焚き火はするんだけど、どうも着火まで時間がかかる…という方はいないだろうか。たしかに、太古から火を起こすという行為は苦労を伴ってきたようだ。現代には100円のライターがあるからラクに火を得ることができるが、それだけに薪を燃やすコツというのを知らない人も多いのかもしれない。
かくいう僕も以前は、やみくも薪を燃やして、ただただ白い煙ばかり出て閉口したことがあった。いま考えると、これはモノがどのように燃えるのかということを理解していなかったからだと思う。
皆さんはモノがなぜ燃えるかご存じだろうか。かなり多くの人が、火はモノが直接燃えた結果だと思っていると思う。だが、実際はモノが発するガスが燃えているのだ。
有機物も無機物も、ある程度高温になると構成している物質が分解される。この温度というのはモノによって異なる。ちなみに薪のような木質バイオエネルギーの場合、環境が整うと約260℃以上でガス化すると言われる。そして500℃までガスを放出し続け、それ以上になると徐々に炭化が始まる。
薪を燃やすと白い煙が出る。これをモノを燃やした結果…と思っている人もいると思うが、実はこれは未燃焼ガス、つまり燃やせば燃せる貴重なエネルギーだ。これがブスブスと出ているということは、エネルギーを無駄に大気に放出しているという証拠なのだ。