冬のキャンプでも車中泊でも、最も辛いのは寒くて寝られないことだ。特に僕は、日常では汗をかくほど布団をかぶって寝るクセがあるため、寒いと寝られない。夏でも標高1000m以上の場所で寝ると、夜寒くて仕方がない。
今回、編集長から指令が来た時、その後すぐに山岡巨匠に電話してみた。「どこかで車中泊してこいって指令ですが、いい場所ないですかね?」。そもそも編集がカメラマンに企画の相談してどうするというハナシだが、巨匠は全国のキャンプ場にやたら詳しい歩くガイドブックなのだ。
「うーん、南アルプスが見える所ならあるけどー」って、さすが即答です。アルプス見ながら寝るなんて、登山愛好家の僕には夢のよう。と思ったのはつかの間で、「待てよ〜、それってすごい寒いのでは?」と夜のことが不安になった。
きっと朝は零下になるから、これは相当温かい寝袋が必要になる。いつもお世話になっている寝袋メーカーのイスカさんに、すぐに連絡を入れてみた。「寒いのがイヤなんで、ヒマラヤ登山に使うような寝袋貸してください。三浦雄一郎さんも凍死しないようなモデルでお願いします」。
僕的には−20℃くらいに対応している寝袋を借りたかったのだ。感覚なので個人差はあるが、冬なら−0℃対応の寝袋で十分とは思ってはいけない。特に寒がりな人は、−10℃以下に対応する寝袋を選んだほうがいいだろう。