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ビヨンド・ザ・フィールダー
VOL.004
ジムニー冬の快適車中泊術

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ジムニー冬の快適車中泊術

「ジムニーでどこかに行って、車中泊してきてください」
そんな、編集長のザックリしたオーダーで始まった今回のフィールダーの記事制作。
まあ暖冬だし、とりあえずアルプスが見える場所で楽しく過ごしてくるか、などと思ったのだが…。
今回は取材での実体験を交えながら、ジムニーで快適に車中泊をするテクニックをお伝えしよう。

画像をクリックすると拡大します。

冬の快適な就寝のカギは寝袋にあり

今回僕が使ってのは、イスカ「スノートレック1300(1万2500円)」。車中泊を考えたシュラフなのだ。

冬のキャンプでも車中泊でも、最も辛いのは寒くて寝られないことだ。特に僕は、日常では汗をかくほど布団をかぶって寝るクセがあるため、寒いと寝られない。夏でも標高1000m以上の場所で寝ると、夜寒くて仕方がない。

今回、編集長から指令が来た時、その後すぐに山岡巨匠に電話してみた。「どこかで車中泊してこいって指令ですが、いい場所ないですかね?」。そもそも編集がカメラマンに企画の相談してどうするというハナシだが、巨匠は全国のキャンプ場にやたら詳しい歩くガイドブックなのだ。

「うーん、南アルプスが見える所ならあるけどー」って、さすが即答です。アルプス見ながら寝るなんて、登山愛好家の僕には夢のよう。と思ったのはつかの間で、「待てよ〜、それってすごい寒いのでは?」と夜のことが不安になった。

きっと朝は零下になるから、これは相当温かい寝袋が必要になる。いつもお世話になっている寝袋メーカーのイスカさんに、すぐに連絡を入れてみた。「寒いのがイヤなんで、ヒマラヤ登山に使うような寝袋貸してください。三浦雄一郎さんも凍死しないようなモデルでお願いします」。

僕的には−20℃くらいに対応している寝袋を借りたかったのだ。感覚なので個人差はあるが、冬なら−0℃対応の寝袋で十分とは思ってはいけない。特に寒がりな人は、−10℃以下に対応する寝袋を選んだほうがいいだろう。

このモデルは首元に襟が付いていて、寝袋内の暖気が逃げないようになっている。
さて、寝袋の中身は大きくふたつに分けることができる。ダウン(羽毛)とナイロンタフタなどの合成繊維だ。やはり温かいのは絶対にダウン。しかも軽い。ただし高額なので、登山などをしない方は合成繊維綿で十分だろう。かつては合成繊維綿の寝袋は温かくなかったのだが、最近は技術が進んで、そんなことはない。 今回お借りしたイスカの「スノートレック1300」も、中身はポリエステル綿。広げるとフカフカしていて、暖気を内包してくれそうだ。ちなみにこの寝袋は車中泊を考えて開発したのだそうだ。首元に襟が付いていて、中の暖気が逃げない構造になっている。また通常はサイドにあるチャックが正面に付いているため、出入りがラクという特徴もある。 ちなみに、この寝袋に寝てみたが、−10℃対応でも僕には寒かった。寒かったのには理由がある。それは借り物ということもあって、服を着たまま寝袋に入ったからだ。 温かく寝るには、上下下着で寝袋に入るのが一番いい。体温が寝袋に反射して温かいのだ。ただし、夜トイレに行く人はそうはいかないから、できるだけ薄着になって寝るしかない。 こうした冬用の寝袋がないという方は、封筒型とマミー型の寝袋を二重して寝ると結構温かい。ただし封筒型だけでは首や肩が寒いので、ちょっと厳しい。そんな時は別に毛布などを用意してかけて寝るといいだろう。

車内の断熱が快適のポイントとなる

エアパッキングシートを切って窓に貼ると、かなり断熱効果が得られる。新聞紙でもいい。
いい寝袋を買うだけで寒くないかと言えば、そうでもない。冬ともなれば、車内だって零下になることも珍しくない。朝起きたら自分の息が窓に結露して、それが凍っていた…なんて光景が見られる。 寒いからと言って、エンジンを掛けっぱなしで暖房を付けて寝るのは、かなり危険だ。特に積雪量が多い地域で寝る場合は、マフラーが雪で詰まってしまい、寝ている間に一酸化炭素中毒で死んでいたという事故が結構多い。だからキャンピングカー用のFFヒーターを装備しているなら別だが、エンジンをかけたままの就寝はやめたほうが無難ということだ。 車内の温度をできるだけ低下させない方法がある。それは窓の断熱処理だ。冷気は結局、窓から入ってくる。この窓を少しでも塞いでやれば、寒さもしのげる。用意するのは、荷物などを包む「エアパッキング」。いわゆるプチプチシートだ。 これを窓のカタチに切ってやり、プチプチを外側にして貼り付ける。プチプチを外にしないと断熱効果が薄れるので注意したい。手間は少しかかるが、体感温度はかなり変わるはずだ。エアパッキンがない場合は、新聞紙を貼ってもいい。新聞紙もかなり温かく、しかも適度に湿気をコントロールしてくれるのがいい。 ただ新聞紙を貼っていると、たまに自殺と間違えられて通報されるので気をつけよう。僕も取材で新聞紙を貼って寝ていたら、警察官に起こされたという経験を持っている。「おまわりさん、びっくりしちゃったよー」と言われたが、だったら新聞紙に“就寝中”と書いておけばよかったのだろうか。
BRAHMSの「ブラインドシェードセット(2万2000円)」は、車種専用品なので窓をバッチリ隠すことができる。
まあ、そんなことはどうでもいいのだが、「いちいち切るのが面倒」という方はお金で決着をつけよう。ダイキという会社が出している「BRAHMSブランドシェード」は車種ごとに出されているウインドシェード。表はアルミ蒸着のシート、裏はキルティングになっているので、断熱&湿気対策はバッチリだ。 取り付けは吸盤でワンタッチ。数分もあればすべての窓を埋めることができる。外からまったく見えなくなるので、車内のプライバシー保護もできる。周りが明るいサービスエリアなどでも、これさえあればグッスリ就寝だ。 この商品は受注生産品で、基本ネットショッピングでしか入手できない。ただYahoo!や楽天市場などで売られている。これは相当スグレモノなので、個人的にはぜひアピオでも仕入れて店頭販売してもらいたいと思うのだが。 使わない時は専用ケーズに入れて、荷室にでも転がしておけば邪魔にならない。2万2000円はかなりのお買い得プライスだと思う。
MSRのドラゴン・フライ(2万1000円)は、大型のクックウェアを使うのに適したストーブだ。
今回の車中泊で編集長から与えられた裏指令は「クルマですべて完結するキャンプを」ということ。もちろん寝る以外に、ジムニーでは中で煮炊きできないので、炊事道具はクルマに関係したモノということなった。つまりガソリンを燃料として使える、キャンピングギアの使用ということである。 ガソリンを使えるキャンピングギアは「マルチフューエル・タイプ」と言って、本来の専用燃料であるホワイトガソリンの他、自動車用ガソリン、軽油、ジェット燃料などが使えるのである。もちろん道具によっては、一部燃料が使えないモノもある。 古いアウトドアズマンならご存じだと思うが、'80年代から'90年代にかけて、このマルチフューエルの道具こそ、真の男の道具として愛された時代がある。ガスカートリッジ式のモノは今と違って、カロリーが低く、また低温下で使用すると火力が落ちるという弱点があった。一方でマルチフューエル式や白ガス式は、扱いは面倒だが火力が強く、冬でも性能低下がほとんどないことが評価された。 ただマルチフューエルの場合、ガソリンなどを使うと成分の一部が煤となって付着するため、後片付けが大変だという弱点はあった。
コールマンのランタンと言えば、今ではすっかりLED式になってしまったが、やはり燃料式が明るくて味わいがある。
燃料を使うギアには、独特の楽しさがある。それはポンピングや予備燃焼といった“儀式”だ。これが面倒だと思う方は、こうした道具には向いていない。実際、登山などでは燃料式ギアはかさばるし、寒さの中では一刻も早く使いたいので、僕はガス式を愛用している。昨今ではお湯を沸かすのもまどろっこしくて、サーモスの山専ボトルという真空ボトルを使っている始末だ。 でもクルマなら重い荷物も気にならないし、もちろん時間をゆっくり楽しむキャンプなわけだから、こうした道具を楽しみながら使うのは一興だ。 ところで燃料はどうするのかという問題だ。燃料はジムニーのタンクにいっぱい入っているではないか、と言いたいところだが…。実はジムニーから簡単に燃料を抜く方法はひとつしかない。給油口にポンプを突っ込んで抜くのである。JB23/43型はタンクの下側にドレンボルトがないため、簡単に燃料を抜くことができない。 ポンプを使う方法では、燃料がかなり多く入っている前提でしか使えない。つまり現実的にはジムニーを燃料タンクとして使うのは厳しいのである。となると、ガソリン携行缶を使うしかない。 ガソリン携行缶は林道などを走るオフロード派にはお馴染みだが、一般のドライバーはなかなか持っていないはずだ。震災の時にはずいぶんお世話になったが。改めて購入するなら、自動車用のものよりもアウトドア用がオススメだ。 SOTOというブランドから、アウトドアに携行する手頃なサイズのボトルが出ているので、これを買うといいだろう。MSRのようなボトル別体式のギアなら、そのボトルで携行すれば大丈夫だ。 ペットボトルや軽油携行タンクでガソリンを運ぶのは、絶対NGだ。ガソリンの成分が樹脂を溶かし、漏れてくる。最悪の場合、車両火災になるので「短い距離だから」と侮るのは絶対にやめてほしい。
ロッジのスキレットで豚バラのブロックを焼いたところ。簡単ですごく美味い。

ジムニーで美しい場所によって寝泊まりする。こんな素晴らしい自由を、皆さんにも満喫してほしい。ただし、マナーはくれぐれも忘れずに。