天気予報は傘マークが出ていた6月某日。僕は、両親を温泉に連れて行く約束をしました。じつは、両親もジムニーを気に入っていて、週に一度だけ貸していて、習い事にいっています。ですが、都内の足としてしか利用していないので、一度も遠くに行ったことがなかったのです。
僕は、アジアや中南米を自転車で放浪するほど旅好きなのですが、両親は旅が好きではありません。出不精なのです。どういったDNAで、こんな息子が生まれるのでしょうか。全く分かりませんね。
年に1回くらいは親孝行しなてくは」と思い、無理矢理連れ出したのです。
早朝、湿度の高くなった梅雨空の都内から抜け出すと、間もなくフロントガラスにポツポツと雨が降ってきました。オートバイや自転車の旅であれば、レインウェアを必要としますが、クルマは便利ですね。時刻表とにらめっこしなくてもよく、自由。改めて計画の立て易い乗り物だと感じました。
首都高を抜けて、いつも僕が仕事で地方ロケのときに、ロケバスから眺めるレインボーブリッジを通り抜け、そのことを教えると両親にとって新鮮だったようです。本当は青空バックの橋を見せたかったのですが。
しばらく高速道路をひたすら走り、山道と山景色を見せてあげたいと思い、林道へと駆け上がっていくと、母親からは意外な一言が。
「田舎に似ているねえ。」