ア・ジ・旅
海外サイクリスト兼モデル 山下晃和のアピオジムニー旅暮らし
先日、富士山に登ってきました。
毎年、登頂やご来光を求めて、たくさんの登山客が訪れる地であり、2013年6月26日に、ユネスコ世界遺産として登録されることとなりました。
世界遺産となったとしても、今までの富士山となんら変わりなく、日本一の3776mの高さを誇り、誰もが一度は登りたいと思う目標設定にしている場所です。世界遺産に登録されたことで、外国人が多く訪れるようになり、ただ単に観光地として斡旋するだけでなく、それを保護し、その美しい状態を維持し続けなくてはならないということの裏返しでもあります。
守る観点で言えば、良かったと言えるかもしれません。
7月某日、台風が過ぎ去った日本列島。7月も20日以降は、夏休みの人も多いので、それ以前か、8月の後半、登山客がやや減る時期です。そこを狙える方はそちらを狙ったほうが、混雑していないというメリットがあるでしょう。
僕は、一番体力を要する御殿場ルートが好きで、山小屋の赤岩八号館から眺めるご来光は、頂上から見るそれよりも美しく、そして、寒い早朝、暖かいみそ汁をすすりながら、朝日を眺められる幸せが待っているというのも理由です。
ただし、純粋に登山を楽しみたいという理由であれば、日本で二番目の北岳のほうが、圧倒的に楽しい旅になることは間違いないです。
なぜなら、富士山は、5号目まではいいものの、それから先が、あまりにも緑が少ないからです。荒涼とした、殺伐とした砂漠が続く富士山の山岳路は、修行という文字以外に、何も見つかりません。
また、前者であれば、コッヘルやバーナーなどの、いわゆるアウトドア調理器具が使えて、自分の食事を作ることができること、キャンプ地があって、テントで寝ることができることなど、アウトドア×登山、旅の要素が多いのですが、富士山の場合は、暗いときから登り始め、ご来光を頂上で見たら、下山するという人が多く、旅の要素よりは、ただ単に登頂目的の方が多いからかもしれません。
富士は登るものではなく、眺めるものだという例えをよく耳にしますが、それは登ってみるとそうかもしれないと思うことでしょう。
だからといって、富士山を嫌々登っていたわけではありません。山小屋という存在が、僕の中で旅の楽しみを何十倍にもしてくれる一つのきっかけでした。
御殿場ルートには、わらじ館、砂走館、赤岩八号館の三つがあり、そこでおかわり自由のカレーを食べたり、本を読んだり、音楽を聞いたり、そういった時間を楽しむことにすれば、夕焼けの空の移り変わりを眺めながら、のんびりできるのです。
なので、多少重くなっても、本を持って行くことをオススメします。