男の車中泊 ひとり旅 Vol.7
Men alone travel by jimny
雪の気配が全くしない!
暖冬の山間部で雪を探して彷徨う
本格的な冬がやってきて雪の情報は入って来るけれど
ここのところ続く暖冬で豪雪地域でも雪が少ないという。
とはいえ、この季節にしかできない雪中キャンプを楽しみたい。
雪はあるのか?不安を抱えたまま関東北部の山へと向かった。
Photo & Text : 山岡和正
冬になったら白銀の景色の中で雪中キャンプ。
そう決めてはいたものの、今年も暖冬のようで雪が少ないらしい。豪雪地帯に住む友人たちにも聞いてみたが、例年になく今年は特に降らないという。そうはいっても冬にキャンプするなら雪があるほうが断然遊びが増えて楽しいし、林道に雪があればちょっとしたスノーアタックに興じることもできる。
やはり雪中キャンプだ!とばかりに、なんとなくアタリをつけて雪のありそうな場所へ行ってみることにした。リサーチすると浅間山の北側なら平地でも5cmほどはあるというので、上信越自動車道から榛名山の西側を抜けて北軽井沢方面へ向かうルートを選び、雪を探しながらの旅となった。
高速を降りて安中市から北上し、榛名山西側の林道群に入ってはみたものの予想通り雪は見えない。高度を上げていくと陽の当たらない場所にうっすらと残雪が残っている程度だ。それどころか、太陽が雲の隙間から現れ日が差し始めると車内の温度は急上昇し、ヒーターを消しても汗ばむほどの気温になってしまう。この調子では雪中キャンプなど夢のまた夢、絶望感が漂い始めてきた。
林道を降りて県道54号線を西へと向かう。この道は群馬県と長野県の県境で、二度上峠を越えて北軽井沢へと続くワインディングだが道幅は広く走りやすかった。いい感じの流れで数十分走り続け二度上峠に差し掛かると、急に視界が開けて正面にドーンと真っ白い雪を纏った浅間山が現れた!
ここまでは全くと言っていいほどなかった雪だが、眼下に広がる北軽井沢は真っ白な雪景色になっている。
「トンネルを抜けると…」ではなく「峠を越えると雪国であった」といった感じだ。
宿泊予定のキャンプ場周辺の生活道路は除雪されていて峠から見たほどの雪は無かったが、人の立ち入らない牧草地や林は広く雪に覆われていて雪中キャンプするには問題なさそうだ。
焚火の準備を始める頃にはもう薄暗くなっていて、ふと見上げると舞い降りた瑠璃色の空に浅間山の噴煙が漂い、なんとも美しかった。
本線は硬い路面が続き、時折現れる排水の為に掘られた溝に悩ませられるが、樽尾支線に入るとガレたフラットダートとなる。支線が多いので、国土地理院地図レベルのマップを持参して確認しながら走るようにしたい。今回は通らなかったが、繋がる地蔵峠林道方面を抜ければ20kmを超える。
北軽井沢・御所平 かくれの湯
温泉マニアからすると「こんなところにあるのなら言ってよ~」と言いたくなるような北軽井沢のメイン国道から少し外れただけの場所にある秘湯感あふれる隠れた名湯。メタけい酸と遊離二酸化炭素(炭酸ガス)が含まれている適応症の多い万能温泉で湯量も豊富、もちろん掛け流しだ。今は雪景色だが緑の濃い季節にも訪れてみたい。
掛け流しの源泉は48.6度だが露天風呂は若干温めで丁度よい感じ。深い山奥に沸く秘湯と錯覚してしまうほどのロケーションが素晴らしい。
喫茶店 ニューアルプス
店の外観から容易に想像できるほど昭和感の漂う喫茶店で、昭和世代の人なら間違いなくテンションが上がる。出てくる料理も昔懐かしい感じで、おそらくは何十年も変わらぬ味を守っているのだろうと予想できる。そして時代には関係なく美味しい。
北軽井沢スウィートグラス
軽井沢でキャンプといえばココというくらいメジャーな人気のキャンプ場。広いテントサイト、林間サイトの他、コテージやキャビン、ツリーハウスなど多くの施設バリエーションがあり、人数や経験、キャンプスタイルに応じて楽しめるスタイリッシュなキャンプ場。初めてのキャンプにもオススメ。
宿泊施設には基本薪ストーブが設置されていて、室内でも素敵な炎を見ながら過ごせる。焚火のレクチャーも受けられ、使う薪の質も良いので贅沢に焚火を楽しもう。
PETZL ACTIK CORE (ペツル アクティック コア)
キャンプシーンでは不可欠なアイテムであるヘッドランプ。このモデルはコンパクトで付属のバッテリーに繰り返し充電でき、乾電池の使用も可能。明るさも450ルーメンあるので安心だ。
山岡 和正
雑誌、WEB、カタログなど中心に、対象物を選ばず多方面で活躍するフォトグラファー。
特に車やアウトドア、旅などには定評がある。